ケンタ、K-POPの魅力と厳しさを明かす「日本人の先輩たちが韓国で道を築いてくれたおかげ」

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TWICEやNCT、PENTAGONなど、日本人メンバーが所属するK-POPグループも増え、韓国を中心にアジア、世界で活躍する日本人が増えている。そこで、Kstyleでは韓国で活躍する日本人にインタビューを敢行!

今回は、韓国でK-POPアイドル、アーティストとして活躍するケンタこと髙田健太。韓国のサバイバルオーディション番組「PRODUCE101 SEASON2」に唯一の日本人練習生として参加し、惜しくもデビューメンバーには選ばれなかったものの、最終順位24位の大健闘。K-POPファンからアイドルになった“成功したヲタク”の先駆者であり、現在のK-POPアイドルたちのロールモデルとなっている彼に、オーディション当時のウラ話や、韓国で活動することの魅力と厳しさ、今後の展望などを聞いた。

【PHOTO】ケンタ、日本からK-POPを目指した理由「見た瞬間からこれをやらなきゃいくらいの使命感を(笑)」

 

K-POPに「これをやらなきゃ」という使命感を(笑)

――何度も受けている質問だと思いますが、改めて韓国に渡った理由を聞かせてください。

ケンタ:2009年くらいからK-POPを好きになって、見た瞬間から「僕もこんなふうになりたい。これをやらなきゃいけないんだ」くらいの使命感を抱きました(笑)。ピンときたんです。当時のK-POPは今とはまたちょっと違っていて、K-POPならではの中毒性があって、その部分に惹かれました。とはいえ、韓国に渡るお金もないし、現実面での挫折があって、カバーダンスをしながらも自分たちのオリジナルの曲を出したりして地下アイドルっぽい活動をしていたのですが、20歳になった時にひと区切りというか「この時期を逃したら後悔するのではないか。しない後悔よりは、する後悔」と考えて、衝動的に韓国に渡りました。それが2015年でした。

――「PRODUCE101 SEASON2」にはどのようないきさつで参加することになりましたか?

ケンタ:韓国語が全然話せない状態で韓国に行って、当時「PRODUCE101 SEASON1」を見ながら、一生懸命に頑張る練習生の先輩たちからすごく勇気をもらったんです。練習生のひとりが「今は出口の見えないトンネルの中にいるみたい」って発言していたのですが、その言葉に100%共感しました。暗闇の中にいるような気分で、いつデビューできるかもわからないし、経済的にも余裕がない。それでも頑張る姿に勇気をもらって、もしSEASON2があるなら絶対に出ると決めていました。もちろんSEASON2をやるなんてことは全然知らなかったのですが、その年の10月くらいに友人からやるらしいという情報を聞いて、事務所にお願いしてオーディションを受けられるように手続きしてもらったんです。

――異国でのオーディションはプレッシャーだったでしょうね。

ケンタ:本当に緊張しました。監督さんや作家さんなど10人くらいのスタッフさんとたくさんのカメラに囲まれて、汗は出るわ、韓国語は出てこないわでドキドキでした。でも、今の自分にも通じるのですが「今の時間を楽しもう」という気持ちでのぞんだら、3次、4次審査まで残り、12月25日に最終のオーディションを受けました。その後、一時帰国している最中に最終まで残ったと連絡が入って、まるでサンタさんがプレゼントをくれたみたいだなって思ってうれしかったです。連絡を受けた時は鳥肌が立ちましたね。「自分が出られるんだ」って。

――唯一の日本人でありながら、24位という順位で終えたのはすごいですよね。よほど強いメンタルが必要だったと思うのですが……。

ケンタ:最初の階段状になった椅子の前で全員が集合する場面まで、他にも日本人がいると思っていたんですよ。僕はわりと早い順番に椅子に座っていましたが、その後もまったく日本人が来なくて。その時の気持ちは「よっしゃー!」という気持ちと「大丈夫かな?」という不安の気持ちが半分半分でした。でも「よっしゃー!」の気持ちのほうが上回りました。日本人がひとりだからこそたくさんの人に注目して覚えてもらえたのだと思うから。

――とはいえ、周りが韓国人だらけでつらくなかったですか?

ケンタ:最初は誰にも話しかけられなかったし、ひとりでポツンとしていましたが、ありがたいことに周囲から先に話しかけてくれて、「日本語教えて」とか「日本好きなんだよ」っていう子もすごく多かったんです。正直、韓国に行ってから国籍の壁みたいなものを感じていたこともあったのですが、その時に一緒に頑張る仲間には壁がないんだなってことを学びました。もちろん言葉の面での壁はあって、うまくコミュニケーションがとれなかったこともあったのですが、それもひっくるめて一緒に戦った仲間たちに感謝しています。

――「PRODUCE101」での経験はいま、どのように残っていますか?

ケンタ:僕は、オーディション番組での経験はプレデビューだったと思っています。なぜなら、本物の制作スタッフさんに囲まれて本格的なカメラで撮っていただいて、音楽番組が疑似体験できるし、SNSを通してたくさんの方に知っていただくじゃないですか。いざデビューしたら、次の日のスペシャルステージの振付けを2~3時間で覚えなくちゃいけない状況がたくさんあるのですが、オーディション番組の最中にミッションのために寝る時間もなく、課題曲を覚えるために必死に努力した経験が役に立ったと感じました。あの時は大変だったけれど、デビューしてからはもっと忙しくて大変だったから、経験しておいてよかったと思います。

――日本から韓国のオーディション番組に挑戦したいと思っている若者たちにアドバイスをするなら?

ケンタ:事前になにかを準備するならば気持ちの準備に尽きると思います。ちょっと厳しいかもしれないけれど、中途半端な覚悟では無理だって言いたいです。逆に言えば気持ちさえあれば、お金がなくても、大変なことがあろうが、自分を信じてやり遂げられると思います。もし、自分の望む結果が得られなかったとしても、絶対その先のステップに繋がると僕は思っているので、まずは揺るがない心を持っていただければいいと思います。
 

コロナ禍でもポジティブに「直感的に動いている感覚」

――本当に精神力が強いですね。このコロナ禍でもアーティスト活動を始めたりと、ポジティブ思考だなと思うのですが、ご自分ではどう思いますか?

ケンタ:ポジティブというよりかは、やりたいことをやろうっていう気持ちが強いですね。直感的に動いている感覚があります。直感で今までうまくやれてきたから、それを信じてみようという気持ちが大きいです。直感で動いているときのほうがワクワクするんですよ。

――若い時の貴重な時間をコロナで制限されてしまうことで、病んでしまう人もいると聞きますが、前向きでいられるのはすごいです。

ケンタ:そうですね~。久々に友人たちと会うと「最近大丈夫?」「コロナだけどアルバム出せる?」とか、そんな会話になります。でもそんな時こそ「今の状況は誰のせいでもないし、僕らアーティスト側も頑張ろうね」って励まし合ったりはしていますね。実は僕も昔はポジティブな考えの持ち主ではなくて「僕にはできない。自分になんて無理だ」というタイプでした。大勢の人の前で話すのも苦手でしたが、韓国に来てから変わったんです。自分が何を考えているか、自分はこういう人間なんだということを言葉や行動で表さなくてはわかってもらえないということに気が付いたんです。

――以前インタビューをさせていただいたときに「韓国に長くいてもまったくホームシックにかからない」とおっしゃっていましたが、それは今でも変わらないですか?

ケンタ:変わらないですね~。韓国が好きなんでしょうね。でも実はつらすぎて日本に帰りたいと思ったことは何回もあります。だけど僕にとってはそれがホームシックではなくて、日本が恋しくて帰りたいと思ったことはないですね。つらくて帰りたいと思ったことはあったけど、それすら乗り越えると国がどうこうよりも、ただ今周りにいてくれる人たちが大切で好きなんだと感じます。サンギュンとの関係も、今の大変な状況を2人で乗り越えようとしていることで一層絆が深まっているし、お互いに頑張ろうという気持ちが言葉にしなくてもわかるんです。僕の周りの環境がホームシックにさせないようにさせているのかもしれません。あとは楽しんだもの勝ちかな~。僕は「今この土地にいるんだから、ここで感じることを大切にしようよ」って思うタイプなので。
 

「日本人の先輩たちが韓国で道を築いてくれた」

――K-POPアイドルに憧れて韓国へ渡る若者たちが多いですが、「PRODUCE101 JAPAN」をきっかけに日本でもK-POPスタイルのアイドルが誕生していますが、そのことについてはどんなことを感じますか?

ケンタ:日本の生活の中に韓国が普通に溶け込んでいるなって感じます。それって実はすごいことですよね。音楽や文化によって色々なことを超えていくことはいいことだし、うれしいなって思います。日本人が自然とK-POPを受け入れて好きになるってことが、なんて素敵なんだろうって。僕は韓国で頑張っているけれど、日本でK-POPのスタイルで頑張っている方々の活躍も素晴らしいなと思いながら見ていて、僕も勇気をもらっていますし、刺激を受けています。

――ケンタさんたちが韓国で活躍することで、日本人でも世界を目指す若者が増えたのだと思います。

ケンタ:いや、いや。僕は正直そんなにたいしたことをしたとは思っていません。それこそBoAさんが日本でK-POPを広めた先駆者ですし、タクヤくん(元CROSS GENE)とか日本人の先輩たちが韓国で道を築いてくれたおかげだと思っています。でも僕は僕でオーディション番組出身の日本人ということで、日本人でもできるという勇気を与えることができたなら、あの時につらくても頑張って本当によかったなと思いますね。ファンレターやSNSで「僕もK-POP目指しているんです」とメッセージをくれる方がいるとうれしいですし、いつかK-POPを目指している後輩の方々に役に立てるような機会があればいいなと思います。やっぱり海外で仕事をするのは精神的な面が一番大きいので。

――日本人メンバーがいるアイドルグループも珍しくなくなりました。近年デビューした日本人の後輩たちを見てどんなことを感じますか?

ケンタ:近年は僕よりもひとまわり近く若い方たちがデビューして頑張っていますよね。僕は20歳過ぎてから韓国に渡ったので、そんなにも若い時から海外で努力している姿を見ると逆に尊敬します。フレッシュな姿を見てうらやましいし、いちK-POPファンとして応援したいなという気持ちが強いです。そして、いつか同じく韓国で頑張る日本人として一緒にステージに立ったり、お仕事ができる機会があればうれしいですね。

――日本人が韓国で活動するうえで、どんなことが一番大変ですか?

ケンタ:まずは文化の違いですよね。どうしてもお互い理解できない部分がある。そんな時にどう対処するか、どう解決していいかがわからなくて練習生時代は苦労しました。そしてデビューしてからは韓国の芸能界のシステムにぶち当たります。K-POPは世界から注目されているから目指す人が多く、ファンの方の熱量もすごいのですが、ルールを守ってくれない人や、アイドルに理解のない人もいるのは事実なので、私生活が失われる覚悟でやらなければなりません。デビューしたらストレスを受けない瞬間はまずないです。現場、現場でのプレッシャーもあるし、自分の実力に対して自分と自分との闘いもあるし、毎日音楽番組があるので寝る時間もない。そんな時に私生活も追いかけられたり、SNSなどで攻撃されたりが重なって、精神的にも肉体的にも大変な時期もありました。でも、それを乗り越えられたのはファンの皆さんやスタッフやメンバー、家族のおかげですし、いろんなことを経験したからこそ、今ポジティブな考えができているのだと思います。
 

K-POPの魅力とは?「韓国がひとつのブランドに…」

――改めてケンタさんにとってK-POPの魅力とは?

ケンタ:K-POPに限らず、今は韓国がひとつのブランドになっている気がします。ドラマや映画、コスメ、食べ物など、すべてが世界中でブームになっている。その中で音楽というジャンルが日々を彩るエンタメとしてたくさんの心に届いているのが魅力なのではないかなと思います。韓国のものだからドラマを見てみる。音楽を聴いてみるみたいな感じで、自分に合ったものを見つけている人がたくさんいますよね。ある俳優さんのファンになってとことんハマるとか、韓国のコスメに興味を持ってメイクを勉強したりとか、それが世界をつなぐ架け橋になれるのが魅力だと思います。

――K-POP界は競争が激しく、実力があるアイドルでも起爆剤がないとなかなかよい成績を収めることが難しいという厳しい現実もあると思います。このような状況をどう感じていますか?

ケンタ:アイドル業界に限らず、厳しいのはどこも同じだと思いますね。例えば今は飲食業界が厳しいですが、どんなに有名なシェフの方がお店を開いても、人気店になるかといえばそうではないですよね。競争が激しいだけに大変な部分はあると思いますが、必ずしもすぐによい結果を残さなくてもいいのかなって。結果を残すことがすべてではなくて、その状況の中で自分らしさ、個性を見つけることが大切だと僕は思います。K-POPというブランドの中で活動するだけでも、海外のファンたちから見たら「すごい!!」って思われることなのですから。

――最後に、日本のファンにメッセージをお願いいたします。

ケンタ:2年間、日本のファンの皆さんには直接ステージをお見せできていないのですが、今後その2年間を埋められるような活動を多方面にしていきたいです。これからも応援よろしくお願いします。皆さんも健康に気をつけてください

取材:安部裕子 / 撮影:朝岡英輔

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記者 : Kstyle編集部