「カイロス」シン・ソンロク、放送終了の思いを語る“人生に残る作品だった”

OSEN |

写真=HBエンターテインメント
いつもシン・ソンロクの演技は信頼できる。演技が認められた俳優である彼の活躍は、「カイロス」でも続いた。

シン・ソンロクは昨年、韓国で放送が終了したMBC月火ドラマ「カイロス」で運命を変えるために奮闘するキム・ソジン役を演じた。

彼は毎回深い感情の演技はもちろん、吸い込まれるような演技を披露して好評を博した。特にシン・ソンロクは、過去と未来のキム・ソジンの姿を一人二役のように異なる演技で表現して人々を感嘆させた。ドラマへの集中度を高める細かい感情表現と素晴らしい演技力は、なぜ彼の演技が認められているのかを証明した。

シン・ソンロクの活躍は縦横無尽だ。ドラマやバラエティを行き来しながら各ジャンルに合う魅力をアピールしている。ドラマ「カイロス」だけでなく、バラエティ番組の「ダブルキャスティング」と「チプサブイルチェ」で活躍している彼に書面インタビューを行った。

あるオンラインコミュニティで「放送予定のドラマが楽しみなスター」部門で1位を獲得するなど、多くの人々の期待を一身に集めているシン・ソンロクは、期待に応える大活躍を見せた。「カイロス」では第1話から唯一無二の存在感をアピールし、ドラマの終盤まで最高の熱演で作品を引っ張った。

シン・ソンロクの活躍で、「カイロス」は大好評の中放送を終えた。シン・ソンロクは「6ヶ月間撮影を行いましたが、スタッフの皆さんや共演した俳優の皆さんととても仲良くなって情が移って、別れるのが残念でした。個人的に多くのことを達成した作品であり、『カイロス』と別れるには、ある意味で少し悲しい気分もある作品でした」とし、「カイロス」を振り返った。

しかし、「カイロス」は視聴率においては期待に及ばないものがあった。最高視聴率3.8%(ニールセン・コリア基準)にとどまったのだ。これに対して、シン・ソンロクは「視聴率が残念じゃなかったと言ったら嘘になるでしょう。ご存知のように『カイロス』は、途中から観始めた方は内容を理解するのが非常に難しく、毎回観るたびに『これってどんな内容だろう』と考えさせられほど複雑なドラマです。そうでなければ、ストーリー的に完成度が非常に落ちるからです。ストーリーが展開される上で楽しさを加えるために選択をしました。なので途中からの流入が難しく、視聴率が上がりにくい構造だったと思います」と話した。

また、シン・ソンロクは「視聴率がある意味で成績表のように受け止められているので残念ではありますが、称賛してくださる方もいるので、満足しています。ウェルメイドという部分で、多くの皆さんに褒めてくださって、演出、台本、俳優の三拍子が揃っていたと好評していただきました。そういう部分が成果ではないかと思います。この作品を通じて、多くの人気を得たと思います」と付け加えた。

シン・ソンロクは「カイロス」のハイライトとして、毎話ごとのエンディングを挙げた。その中でも彼は、「第7話でダビン(シム・ヘヨン)が人形の中にあるGPSトラッカーを追ってそこに行ったら、妻と娘は亡くなっておらず普通に生きていて、その後にソ・ドギュン課長(アン・ボヒョン)と一緒にいることを見て表情が徐々に変わる瞬間です。そして近づいていく時にテッキュ(チョ・ドンイン)に後頭部を叩かれて気絶するエンディングが、ソジンとしては究極の苦しみだったんじゃないかと思ります。そのシーンが名場面だと思います」と話した。

名場面があれば、名エピソードもあるはずだ。シン・ソンロクは「イ・セヨンさんがヒロインですが、ドラマの展開上、通話だけで撮影をしていたため、ほぼ中盤まで会えなかったんです。なので感情的で切実で急いでいる状況を通話だけで表現しなければなりませんでした。これは初めての経験だったので、名エピソードになるんじゃないでしょうか?」として笑顔を浮かべた。

シン・ソンロクは「『カイロス』の結末には満足しています。こんなこと言って良いのかわかりませんが、監督に『こうすればどうですか?』と提案したことがあります。台本には、ソジンがダビンに『33分になったのに、何も起こらない』と言って終わるのが元々の結末でした。それぞれ幸せな10時33分を過ごしているのが結末ですが、僕が監督に『名残惜しいから、33分に電話がかかってくるようにしましょう』と提案し、受け入れてもらいました。なので最後にオマケ映像のように携帯電話に電話がかかってくるシーンがあります。それは、監督が僕の意見を受け入れてくださったためです」と話した。

先立って、「カイロス」を通じて人気を得たと語ったシン・ソンロク。彼は共演したイ・セヨン、アン・ボヒョン、ナム・ギュリ、シン・グらについても詳しくコメントした。

まず彼はイ・セヨンについては「6年前に会った時は、子役から成人女優になりつつある過程だったので、怖いことも多い時期だったと思います。しかし今回会った時は、主演俳優として完璧に成長して、誰かの協力なしでもドラマを引っ張っていってくれました。僕まで頼りにするような部分をたくさん見せてくれて、プロフェッショナルだという印象を受けました。そんな部分が妹として誇らしくて、同僚として素晴らしく思い、学ぶべきことが多い後輩だと思っています。6年ぶりに会ったのに、とても親近感があって、いつ会っても嬉しくて期待しています」と伝えた。

また、アン・ボヒョンについては「今回の作品で初めて会いましたが、とても良い人でした。学ぼうとする姿勢、いつも耳を傾け、討論で何かをやり遂げようとする気持ち、作品に臨む姿勢など、積極的な姿がとても良かった人です。自己管理も徹底しているし、学ぶべきことが多かったので、ずっと一緒に仕事をしたい人です」と話した。

ナム・ギュリもについては「今回が初共演ですが、メソッド演技をしたようです。特に子供を失って悲しみに陥るキャラクターを演じるために、口数を減らして没頭する姿を見て、すごく一生懸命に頑張る方なんだと思いました」と伝えた。

シン・グについては「とても尊敬している先生です。いつもすばらしい演技力を見せてくれていますが、特に突然腹を立てるシーンでは、びっくりするほど溢れる力を見せてくださって、すごいと思いました。僕のロールモデルが先生なので、今の年齢で演劇もされて、演技もされて、本当にすごいと思っています」と話した。

「カイロス」を終えたシン・ソンロクは、「タイムクロスというジャンル自体が実は難しくて複雑に絡んでいて、それを解いていく楽しみも大きい作品構成だったので仕方なかったことを理解していただきたいです。私たちはさらに衝撃的な展開と、さらに完成度の高い作品を作り上げるために心がけた点を理解してほしいです」と伝えた。

続けて、「我々俳優たちは、本当に全てを捧げて一生懸命に演技をしました。俳優全員そうだったんです。だから共演者に感謝を言いたいし、演出家のパク・スンウさんとソン・チウクさん、脚本家のイ・ソヨンさんに、私が忘れられない自分の人生に残る作品を一緒に作ってくださった事に感謝を言いたいです。いつかぜひまたお会いしたいと思うほど、とても感謝した撮影でした」と付け加えた。

最後にシン・ソンロクは「2021年の計画は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で萎縮していた公演も、少し状況がよくなってほしいです。2021年はタレントとして、俳優として、ミュージカル俳優として、またさまざまな姿、新たな姿を披露するために引き続き努力します」と意気込みを表した。

記者 : チャン・ウヨン