「シークレット・ジョブ」カン・ソラ“議論を起こすことなく、長く女優をやっていきたい”

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写真=Acemaker Movie Works

「『シークレット・ジョブ』は、過程がすごく幸せな映画でした(笑)」

女優カン・ソラが、映画「シークレット・ジョブ」(監督:ソン・ジェゴン)でスクリーンにカムバックした。映画「自転車王オム・ボクドン」(監督:キム・ユソン)から約1年ぶりの復帰作となる。

「シークレット・ジョブ」は、廃業寸前の動物園「ドンサンパーク」で、自信を持って園長として赴任することになった弁護士のテス(アン・ジェホン)と、売却されてしまった動物の代わりに動物として勤務することになった職員たちの奇想天外なミッションを描く。

HUN作家の同名のウェブ漫画を映画化したものだが、キャラクターの履歴や職業などの詳細は、映画用に脚色された。この映画でカン・ソラは、「ドンサンパーク」で勤務する獣医ソウォン役を務めた。動物園が倒産していく中でも、クビになる自身よりも残っている動物たちを心配し、全力を尽くして世話をする心温かい人物だ。

カン・ソラは「シナリオをもらった時、ピンときませんでした。台本を読んだ時、これができるの? と思ったのですが、撮影しながら監督の意図がわかりました。マスコミ向け試写会で完成した映画を初めて観たのですが、観客の視線で気楽に楽しみました。面白かったです」と話した。

彼女は、出演を決めた理由について「私が監督の映画『二階の悪党』 のファンで、アン・ジェホンさんとチョン・ヨビンさんが加わると聞き、共演したかったです」と答えた。

続いてカン・ソラは「台本を読んだ時、できそうだと思ったし、頭の中でイメージできるものがありました。その感覚で決めます。私の性格はフィルタリングがないほうですが、自分と完全に異なるキャラクターを演じても、キャラクターごとに自身の姿が出ています」と話した。

カットされたシーンがあり、残念ではないかという質問に、「カットされたものなく、絵コンテ通りに仕上がりました。本当に正確な監督です」と答えた。そして「私たちはシナリオを知っている状態で観るので、知らないまま観る方々より、どのように流れていくか予想はして観ました。イメージしていたものと比較しながら観たのですが、その楽しさがありました」と映画を観た感想を語った。

ソン・ジェゴン監督は、 映画「甘く、殺伐とした恋人」「2階の悪党」などの作品を通して、自身だけのカラーを認められた。特に、コミカルなジャンルに特化しているという評価だ。「ソン監督から『この映画は、笑いを取るための映画ではない』と言われました。キャラクターたちもそれぞれの目的があり、真剣です。コメディの要素があるとは思いますけど」とし、「これからコミカルな作品をいくつかやりたいです。そうしたら、もう少しコミカルな演技について理解できると思います。今回務めたソウォンは面白いキャラクターではありません」と明かした。

カン・ソラは「ソン監督が、現場で気を使わないでいいようにしてくれました。私たちは、演技をしているのかどうか分からないほど楽しかったです。(動物の着ぐるみをかぶっていたので)物理的に大変だったのですが、動物の演技はめったにできないから(笑)。メイクをする必要もありませんでした。着ぐるみをかぶる日は、スーツを着るだけでした」と話した。

動物園を再生させるために、ライオン役を演じたカン・ソラは「虎の着ぐるみをかぶろうとしたんですけど、ライオンの着ぐるみを着ることになりました。着てみたい着ぐるみは多かったのですが、人が入るにはまず動物の大きさが大きくなければなりませんでした。そのせいで、演じられる動物が多くありませんでした。もしできたとしたら、私はペンギンがやりたかったです」と打ち明けた。

それとともに、「ライオンはもともと動きが多くありません。動物園に行って、ライオンを観察しました。何もしないのが幸いでした(笑)。ぬいぐるみをかぶっていると、正面を見ることができません。下を向いてこそ、動物の顔が正面を向きます。正直、動物のスーツがリアル過ぎてもおかしいと思います。(劇中の)動物たちのビジュアルは適切に表現されていたと思います」と伝えた。

カン・ソラは、2009年の映画「4限推理領域」(監督:イ・サンヨン)でデビューし、今年で活動12年目を迎えた。20代とは異なり、30代になって感じ方や考える方向が変わったという彼女。特に、外見よりは内面を磨くことに集中するようになったという。

「29歳から30歳になった時は少し変だったのですが、私は20代より30代がずっと好きです。余裕ができたし、自ら考える時間ができたと思います。振り返ってみることができる時間ができました。自分にそれができる余力があることが良いことです。昔は、人々にどう受け止められるか心配していましたが、もう自分がやっていく過程を楽しむようになり、やりたいことを悔いがないようにするのが重要だと思っています」

それと共にカン・ソラは、「私に案外作品のオファーが来ません。『シークレット・ジョブ』に期待をかけています(笑)」と率直に言い、さばさばとした魅力をアピールする。しかし、カン・ソラは、映画「サニー永遠の仲間たち」(監督:カン・ヒョンチョル)と、ドラマ「ミセン-未生-」という代表作を残した。

「2つの作品とも、私の人生に残る作品です。その時も過程がとても楽しかったです。その作品を通じて得たものがたくさんあります。これからの人生においても、良い思い出になる作品です」と明らかにした。

「役者は自己管理が重要ではありますが、20代にはメンタルケアの重要性を知りませんでした。休んでいる間、それについてたくさん考えました。私はただ議論を巻き起こすことなく、長くやっていきたいです。無理なく無難に行きたいです」

記者 : キム・ボラ