「The Unit~アイドル再起プロジェクト」の再放送がスタート!現役アイドルたちの再起をかけた熱いサバイバルから目が離せない ― 鑑賞コラム

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※この記事には番組の内容に関する内容が含まれています。

アイドルとしてデビューするも、厳しい現実に直面したアイドルたちの再起を図るオーディション番組「The Unit~アイドル再起プロジェクト」。番組は2月10日のファイナルで幕を閉じ、男性ユニットBと、女性ユニットGの選抜メンバー各9人が決定した。3月3日には韓国・ブルースクエアにて初のファンミーティングを開催。男性はUNB(ユーエンビー)、女性はUNI.T(ユニティ)というグループ名でスタートを切った彼らは、現在、4月の正式デビューに向けて準備中だ。

日本でも注目を集めたこの番組は、ファンからの熱いリクエストを受けて、KBS WORLDが昨年12月に緊急放送を開始。さらに、好評につき4月1日より再放送をスタートする。また、UNBは4月下旬に日本の3都市で1stファンミーティング「2018 UNB JAPAN 1st FAN MEETING」も決定しており、日本でも話題を呼びつつある。

しかし、「PRODUCE 101」「MIX NINE」など、オーディション番組が多すぎて視聴者が食傷気味であることなど、さまざま要因があったとは思うが、注目を集めきらなかったのが残念だ。そこで「見たらハマること間違いなし!! 4月からの再放送をぜひ見て欲しい!!」という気持ちから、このコラムを書くことにした。



参加者以外の控室立ち入り禁止。衣装も自分で運ぶ

「The Unit」が他のサバイバルオーディション番組と大きく違うのは、すでにデビューしながらも日の目を浴びずに才能を埋もらせているアイドルにチャンスを与えるところだ。よって、出演者には記者である筆者がかつてインタビュー取材をしたことがあるアイドルが多く名前を連ねていた。キラキラしていたアイドルがステージに立つ機会を失くし、見かけなくなってしまう現状が残念であり、いったいどのような番組になるのかという興味。そして、ステージを熱望する彼らを応援したいという気持ちで実際に韓国の公開収録にも数回、足を運んだ。

最初の公開収録は、昨年9月29日~10月1日の3日間にわたり、KINTEX展示ホール9で行われた。午前から夕方、夕方から深夜の2部制で、合計6回のオーディションを行い、参加者を男女各63名、合計で126名に絞り込む、いわゆる予選のようなものだった。1回あたりの収録は5~6時間に及び、その間、参加者はまるで新人に戻ったような気持ちで自分たちの出番を待つ。さらに、参加者以外の控室への立ち入りは原則立ち入り禁止で、所属事務所のスタッフが同席していない不安も緊張感を高まらせたに違いない。一方の観覧者側も、番組の内容が外に漏れないように、入場時に誓約書にサインをし、携帯電話も預けるなど、厳重体制がとられていたことで緊迫感が漂っていた。


Rainをはじめとする豪華な先輩軍団が番組に参加

参加者たちを評価するのはユニットメイカーとよばれる観覧者(および放送開始後は視聴者)。そしてRain(ピ)、SanE、ファン・チヨル、キム・ヒョナ、Urban Zakapaのチョ・ヒョナ、SHINeeテミンという豪華な6人の先輩軍団。予選通過のためのルールは、ステージを披露している間、全体の15%のユニットメイカーが支持のボタンを押すたびに1ブートを獲得。90%の支持を得るとスーパーブートを獲得し、先輩軍団の審査を受けずに通過できる。通過できなかった場合は、先輩軍団が各自で持つ1ブートを、ひとつでも得られれば通過できるというものだ。第1回から第3回までは(韓国ではCMを挟み、第1回から6回としてオンエア)は、その予選の模様がオンエアされた。

参加者の出演理由はさまざまだ。事務所の経済状況が思わしくなく、カムバックできないまま長い空白期間を過ごしたBIGSTARやBIGFLO、A-JAX、A.cian、BESTie、Melody Day、MATILDAのメンバーたち。HOTSHOTのティモテオとホジョンは「プロデュース101シーズン2」で有名になったソンウンとテヒョンの特需でカムバックするも、やはり事務所の経済事情から再び活動を休止していた。同じく「プロデュース101」の選抜メンバーのチェヨンを要して活発に活動中のDIAからもイェビンとソミが「グループ名は知っていても、自分の名前は覚えてもらえない。まるでチェヨンと仲間たちのようだ」という理由で参加した。


住む場所を失ったアイドルも。厳しい芸能界の裏側が浮き彫りに

BOYFRIEND、MYNAME、Boys Republicのように知名度はあるが、活躍の機会を求めて日本に拠点を移すうちに韓国での露出が減ったグループも参加した。彼らはみな口をそろえて「韓国でもっと活動したい」と訴えかけた。同じく日本での活動に偏るU-KISSからもジュンが参加。グループに途中加入した彼は「U-KISSの価値をあげて、チームの兄たちに恩返ししたい」と参加理由を述べた。実力派女性ボーカルJOOは、かつてJYPに所属してWonder Girlsのメンバーとして準備をするもデビューは実現せず、アイドルとして活動する夢を叶えるための挑戦だった。また、体調不良でAprilを脱退したイ・ヒョンジュは、悔しい気持ちから再起を夢見て参加した。SMエンターテインメントに所属する練習生SMROOKIESのひとりだったが、デビューには至らなかったチ・ハンソルの参加も大きな話題となった。予選で最も目をひいたのは、ジャージ姿で登場したMADTOWNのイゴンとデウォンだった。彼らは所属事務所を失った後、新事務所の代表までもが事件で拘束され、何の支援も受けられていない状況。知人のつてで練習室を転々とし、電気も通らない事務所で寝泊まりしていることを明かし、アイドルの世界の厳しい現状を突き付けた。

その一方で、IM、A.C.E、TST(TOPSECRET)、GOOD DAYなどのデビュー間もないグループも参加したことで一部視聴者からは「新人がなぜ再生なのか」という非難も集まった。その非難はもっともであるが、新人であっても日の目を浴びなければ、次のカムバックが保証されているわけでもなく、自然消滅もありえるのが近年の韓国芸能界の現状だ。大手事務所の新人ならば華やかに売り出してもらえるが、資金の少ない中小事務所では音源を出したり、音楽番組に出る機会も格段に少ないのだから、注目を集めて起爆剤にしたいという願いは、同じように切実だったはずだ。


心に響く先輩たちのアドバイスに涙

筆者が予選の収録を観覧したのは3日目。先輩軍団は、すでにまる2日間まともに寝ないで参加者たちの審査をしていたが、疲れた様子を見せることもなく、ひとつひとつのステージを丁寧に評価するとともに、参加者たちにときに厳しく、ときに優しくアドバイスを送った。やはり第一線で活躍する先輩たちのアドバイスほど胸に響く言葉はないのだろう。涙する参加者も少なくなかった。Rainは審査の基準を「どれだけうまいかよりも、ステージに立ちたいという切実さ」だといい、また「落ちたからといってヘタだからではない。僕たちが目指す色とちょっと違っただけだ」と、決して実力を否定したりはせず、勇気づけた。一方の参加者たちは、アドリブで個人技を求められたりして、冷や汗をかき、言葉につまる者も多く、プロのアイドルであっても先輩軍団の前では緊張を隠せなかった。

こうした予選を経て126人に絞られた参加者たちは、KBS人材開発院での合宿生活をスタート。折しも世間はチュソク(韓国のお盆)の休暇中だったが、誰もが「家に帰らないことが親孝行だ」と語った。合宿は、プロのアイドルが多いため、「プロデュース101」のようにずっと拘束されるわけではなく、一定期間行って解散、また一定期間行うという形式。よって、活発に活動しているアイドルは通常のスケジュールと並行して合宿に参加することになり、かなりのプレッシャーがあったと予想される。

参加者はまず、男女別れて部屋に通されたが、最初に通されたのは予選での獲得ブート数が低い者たち。最後に6ブートとスーパーブートを獲得した者が通され、当然ながらブートが高いものが自然と一目置かれる存在になった。最初のミッションは「MVの主役を狙え」と題し、9人ずつでユニットを組み、優勝したチームが製作費5億円規模のMVのセンターを務めるというものだ。そして、9人のメンバーは自分たちで決めることが発表されると、参加者たちは一斉にざわめいた。ブート数が高い者、知名度が高い者は選ぶことも、選ばれることも容易だが、ブート数の低い者や知名度のない新人は「自分たちを誘ってくれる人がいるだろうか」との不安に駆られるしかなかった。


さまざまな思惑が飛び交う初ミッション。弱肉強食のチーム結成

チーム結成の際は、いろんな思惑が飛び交った。同じグループで数名が参加していたMYNAME、SNUPER、IMFACTは「メンバーひとりでも生き残るべきだ」と考えて、あえてバラバラになることを選択した。ここで、目立った動きを見せたのがHOTSHOTのティモテオだ。MVのセンターになりたいという切実な思いから、有名どころに積極的に声をかけて、全員が6ブート以上のアベンジャーズチームを結成したのだ。一方、新人バンドのMASは審査員にやる気を認められて全員が予選を通過したものの、ダンス経験がないことで路頭に迷っていたが、突然5人で「僕たちは足りないところだらけですが、ダンスを引っ張ってくれるかたがいたらチームを組んでください」と演説を始めた。ここで迷うことなくすぐに手を差し伸べたのがMADTOWNのデウォンだった。このことでデウォンは誠実で優しい人柄を視聴者に知られるようになった。女性チームもDal★Shabetのセリが策士ぶりを発揮し、スーパーブートの元SPICAヤン・ジウォンにすぐさま声をかけてチームに引き入れた。一方のヤン・ジウォンは自分から声をかけられずに戸惑っていた元Aprilのイ・ヒョンジュを気にかけ、すでに自分のチームが定員になってしまったことから、ヒョンジュが入るチームを一緒に探す優しい姿が視聴者の目にとまった。

こうして男女各9人×7チームが決まり、3日間で「MY TURN」と、男女別課題曲のダンスを習得することに。2日目には抜き打ちで中間審査も行われた。この過程で目立ったのはヤン・ジウォン。予選でスーパーブートを獲得したことでチームのリーダーになるも、ダンスを覚えるのが遅く、チームに迷惑をかけてしまったことに悔し涙を流した。S.I.Sのアンはチームの末っ子だが、得意のダンスを率先して覚えてチームに教え、頼もしい末っ子ぶりを発揮した。

ショートカットでガールクラッシュのルックスH.U.Bヒョソンと、赤ちゃんのようにキュートなイ・ヒョンジュは実は高校の同級生。見た目や性格が正反対のふたりが同じチームになって育んだ友情も注目された。そして見事に優勝してセンターの座についたのはDIA、Melody Day、SONAMOOなどの現役アイドルが集まったチーム。その中には歌もダンスも経験がない女優イ・ボリムが入っており、まったく踊れなかったボリムは中間審査で“ブラックホール”との悪名をつけられてしまうが、SONAMOOウィジンが彼女をマンツーマンで指導し、これによってダンスの実力にも注目が集まったウィジンはユニットGで不動の上位をキープすることに。


アイドルの素顔が垣間見えるエピソードが満載

ユニットBでは、デウォンがMASのメンバーをほめて育てる方式で引っ張り、MASも寝る間を惜しんで努力を重ねた結果、ダンス初心者としては非常に良い評価を受けた。常に明るい笑顔で真っ白な画用紙のようにすべてを吸収したMASのドンミョンは一躍注目の的になるとともに、彼がデウォンを「天使のようだ」と発言したことから、デウォンは“The Unitの公式天使”と呼ばれるようになった。新人俳優イ・ジョンハは芸能活動自体が不慣れで戸惑っていたが、同い年のIMFACTウンジェが彼をかわいがり、メイクを教えてあげるなどの友情ストーリーも好意的に受け止められた。

予選でスーパーブードを獲得したU-KISSのジュンはブートの低い者にも声をかけてチームを結成し、メンバーをうまく率いていたが、練習中にじん帯を伸ばして病院へ。ギプスギプスを装着してステージに立つも、審査員から「経過だけ見れば100点だが、評価は結果でしなければならない」と言われて肩を落とした。A.C.EのジュンはA.C.Eでも「リーダーであることからリーダーに選ばれ、抜群のリーダーシップを発揮。チームを2位に導いた。優勝したのはティオティオが集めた赤チーム。中間審査では慢心で厳しい評価を受けるも、本番ではチームワークを発揮。センターには最年少で兄たちにかわいがられたIMギジュンが立ち、このことでギジュンは“The Unitの公式マスコット”となる。

このようにエピソードをあげれば限りない文字数になってしまうため、以降のミッションに関しては、ぜひ番組を見ていただきたい。

次のミッションからは、視聴者投票も始まり、いよいよ脱落者が出るサバイバルに突入。ランキングは公開収録での観覧者投票と視聴者投票の合計で決まり、1次脱落者は男女各下位の18名。ここで重要なのが、投票は韓国国内の携帯を所有している者にしかできないことだ。海外からの投票が可能であれば、日本での人気が高いグループは票が伸びるだろうが、そのアドバンテージは持てないことになる。2番目のミッションは「再(リスタート)ミッション」と題し、7つの曲から自身がやりたいものを選ぶというもの。1位のチームは1次脱落の免除と、Rainのカムバックステージで共演できる権利を得る。ユニットBはEXO「MONSTER」や防弾少年団の「FIRE」など、ユニットGは少女時代「Gee」やMAMAMOOの「You're the best」などを独自のアイディアを生かしてカバ-して公開収録のステージで披露した。


公開収録のこぼれ話を独占公開!

ここで予選とファイナル以外はKBS別館で行われた公開収録についてのこぼれ話を。予選では応援ボードやスローガンなど特定のアイドルの応援は禁止だったが、2度目からは許可され、会場は推しアイドルのスローガンを配布する光景が恒例に。観覧者には入場の際、入場番号が書かれたリストバンドとブートボタン、そして長丁場であることから、海苔巻きやおにぎり、飲料水が配布された。その場、その場でセットチェンジをするために待機時間も多かったが、観覧者を退屈させないようにMCのSanEがトークで盛り上げたり、お笑いタレントが登場して参加者のサイン入りプラロイドのプレゼント抽選なども行われた。また、3度目の公開収録からは、収録と番組のオンエアに時差が出るため、誰が脱落したのかがわからない状態で行われた。チームによって人数にばらつきがある理由も、脱落したメンバーがどのチームにいたのか、なども観覧しているときにはわからず、後からオンエアを見て知るというものだった。

3番目のミッションは、メンバーが選曲から衣装、演出にいたるまでをプロデュースした舞台を披露する「セルフプロデュースミッション」。このミッションの後、2次脱落者が出て、残るのは男女32名になった。4番目は「音源ミッション」と題し、有名作曲家が番組のために書き下ろした曲を音楽配信サイトでリリースし、1位になったチームはMV制作をするというもの。ここで数々の名曲、名ステージが生まれたので、ぜひ番組を見てチェックして欲しい。


切実な参加者たち、ひとりひとりに愛着が生まれる。サバイバル番組の魅力

この後、3次脱落者の発表を経て、ファイナリストの18名が決定。残ったメンバーは、最初からデビューの9位圏内をキープしていた者もいれば、番組によって実力にスポットライトが当てられた者、性格の良さやキャラクターで愛された者などさまざまで、そのぶん、順位の変動も激しかった。この頃になると、メンバー同士が親しくなっていくように、視聴者もひとりひとりに愛着がわき、誰も脱落して欲しくないと思うようになる。まさに、それがサバイバル番組の魅力だろう。「The Unit」の参加者は切実な者が多いのだから余計だ。


仲間と家族が見守る前で最終メンバーが決定!!

そして2月10日、生放送にてファイナルステージの披露と同時に最終の選抜メンバーが発表された。この日は体調不良により自主降板したI(アイ)以外の参加者全員が再び集結して「MY TURN」を披露するサプライズもあった。最終順位は事前投票とリアルタイム投票の合算で決定。リアルタイム投票は1メッセージにつき9票加算されたため、大きな順位変動があり、誰が選ばれるか最後までわからなかった。

苦楽を共にしたすべての仲間と家族が守る中で選ばれた選抜メンバーたちは口々に、家族に向かって、これまで心配をかけたことや、夢を支えてくれたことへの感謝の言葉を述べて感動を呼んだ。長い練習生期間や、挫折を味わった空白期間に比べれば、番組が終わるまでの4ヶ月間は短いが、ステージに立つことを切実に願って全力を尽くした彼らにとっては長い闘いだっただろう。苦労して勝ち取った機会だけに、その努力が報われて欲しいと願うばかりだ。

ライター:安部裕子

KBS World「The Unit~アイドル再起プロジェクト」
2018年4月1日(日)スタート!
本放送【日】午後06:30~07:40
http://www.kbsworld.ne.jp/variety/detail.php?cno=934

「The Unit スペシャル」 1部・2部
2018年4月27日(金)夜10:05-深夜00:30
(1.2部 一挙放送)
http://www.kbsworld.ne.jp/variety/detail.php?cno=966
©️KBS

記者 : Kstyle編集部