“千万妖精”オ・ダルス、彼の心が揺さぶられると1千万人が観る映画になる

OSEN |

「笑い話で言っているのだから、応じてあげなきゃ」

俳優オ・ダルス(47) が言った。1千万人の観客を動員した映画にはいつも彼が出演しているという言葉から付けられたニックネームである“千万妖精”に対する彼の反応だ。公の場で何度も「皆さんから妖精と呼ばれて本当に自分が妖精になった気分だ」とジョークを言う彼だった。声だけ出演した映画「グエムル-漢江の怪物-」すらも1千人を動員した映画になったので、観客たちが認めて直接付けたニックネームだ。

多くの1千万映画を誕生させた彼が生涯初の単独主演作映画「大俳優」(監督:ソク・ミヌ) を世の中に出した。「大俳優」は大学路(テハンノ) で児童向け演劇をしていた経歴20年の無名俳優チャン・ソンピル(オ・ダルス) が家族のために世界的な巨匠カンヌ・パク(イ・ギョンヨン) の作品を通じて映画に飛び込む内容を描く。

オ・ダルスはソク・ミヌ監督と格別な縁を持っている。「オールド・ボーイ」(2003)、「渇き」(2009)など巨匠パク・チャヌク監督の作品で助演出として活動したソク・ミヌ監督がオ・ダルスに積極的にアプローチしたのだ。これに関してオ・ダルスは「『渇き』の時だから10年近くなる。古い約束ほど必ず守らなければならない」と義理堅さを見せた。

オ・ダルスがこのように義理で作品を選択したのはパク・チャヌク監督を除いて今回が初めてだという。彼も他の俳優たちのようにシナリオを見て出演を決定する。その中でも観客数1千万人を超えた映画は自身の心を揺さぶるようだという。

彼は「『7番房の奇跡』(2013) の時だった。イ・ファンギョン監督に1千万人を動員しそうだと話した。『兄貴の言葉を聞いただけで力になる』と言われた。こんな映画が1千万にならないはずがないと思った。シナリオを読んでいたが、到底涙が出て読めなかった。勘というよりは、ドラマで勝負する作品の中で僕の心を揺さぶる映画が成功するみたいだ」と説明した。彼の心が揺さぶられたように、「7番房の奇跡」は1281万人の観客の心を揺さぶることに成功した。

それでは初の単独主演作の「大俳優」はどうだったのだろうか。オ・ダルスは「1千万までではない」と慎重なコメントと共に、心を揺さぶる感動のポイントを伝えた。しばらく考えていた彼は「一番ぐっときたシーンは、チン・ギョン(ジヨン役) さんが携帯電話を見る時だった。自身の夫の名前が『大俳優』と書かれている。読む時からぐっときた」とし、観客たちにも逃さずにこれに共感してほしい気持ちを表した。

今回の作品のため、これまでやったことのない涙演技にも挑戦した。彼は「おそらく映画をして、初めて涙を流すと思う。僕に対して多くの監督たちがコメディ演技を願っていた。そのため僕も自分が上手にできることだけやるようになると思う。事実できることをするのが正解だけれど(笑) このような真面目な演技も久しぶりにやってみたら、面白いと思った」とし、演技のスペクトルを広げた感想を伝えた。

また、今回の映画は俳優たちのストーリーを描く。オ・ダルスが生きる世界をはじめ、俳優たちと監督、この業界に従事する人々の世界だ。これに関して同僚たちの反応が特に気にならないかと聞いた。彼は「俳優たちは面白く観ていただけるんじゃないかと思う。ユン・ジェムンさんの役のソル・ガンシクは劇中でイ・ビョンホンが映画でやっていた役をやったり、共感する要素が多い。こちらの業界の人たちは楽しく観てもらえると思う」とし、期待感を表した。どうしても自身も俳優であるため、「もし演技を見ながら不自然な部分があれば、オ・ダルスが出たのだと考えれば良い」というコメントも付け加えた。

フォーカスがどうしても“1千万人”に合わせられている。“千万妖精”が経るべきことだが、プレッシャーを感じざるを得ない。その代わり、オ・ダルスから「大俳優」の楽しみ方を聞いた。

落ち着いた口調の彼は「僕が観た感想は、大きな話よりは夢の話を描いた。家族のストーリーもあるし、色んなストーリーがあるけれど、何も考えずに楽しめる映画だと思う。娯楽映画でもないけれど楽しむことになる。映画を観て何か一つ心に届くものがあればと思う。僕が映画を観た感想はそんなものだ」とし、観客たちに観覧ポイントを伝えた。

記者 : イ・ソダム