新たな“演技アイドル”が誕生!抜群の演技力で注目される4人とは?

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最近ではアイドルが出演していないドラマを探すことの方が難しい。アイドルが出演すると報じられると、“足演技”(演技が下手という意味)を心配する声があがる。だが、徹底した教育システムが設けられた最近のトレーニングを受けたアイドルにとっては、演技力議論の心配がない。むしろ、俳優と比べても負けないほどの演技力を見せている。最近、抜群の演技力で注目されている4人のアイドルを選んでみた。

新しい万能エンターテイナーの誕生、BTOB ソンジェ


グループBTOBの末っ子ソンジェの尋常ではない反乱が始まった。

一日に数十人のアイドル歌手が出現する中、ソンジェもハンサムなビジュアルを持ったボーイズグループのメンバーの一人だった。チームの末っ子であるソンジェは、特有の溌剌として愉快な性格で、チームのマスコットとして位置づけられた。その後、ソンジェは本業の歌手だけでなく、バラエティ番組、ドラマなど色んな分野で活躍を見せ始めた。

ソンジェは2013年に放送されたケーブルチャンネルtvNドラマ「応答せよ1994」を通じて初めて演技に挑戦した。ドラマの中でAraの弟であるスクスク役として出演し、短い時間だったが年齢にぴったり合った高校生の姿を披露して注目を集めた。続いて、tvN「九厄少年」では主演カン・ミング役を演じた。カン・ミングはハンサムなビジュアルを持っているが、虚勢を張る高校生の柔道選手だった。彼が演じたカン・ミングの虚勢を張る姿は、まるでソンジェ本人であるかのように自然だった。BTOBのメンバーたちに可愛いいたずらをする末っ子ソンジェの実際の姿が目に浮かんだ。ソンジェは新人らしくない安定した演技でその可能性を認められ、“スターの登竜門”と呼ばれる「学校」シリーズ、KBS 2TVドラマ「恋するジェネレーション」の主人公コン・テグァンに抜擢された。このドラマで彼は潜在力を爆発させた。

コン・テグァンは一言でいうと、どんな行動をするか分からない予測不可能な反抗児だった。予測不可能という点で、ソンジェとコン・テグァンは非常に似ている。ファンの間でも突飛な行動をとることで有名な彼は、実際の性格を十分に活かしてコン・テグァンの魅力を倍増させた。これに、イ・ウンビ(キム・ソヒョン)に向けた純愛は、これまでのソンジェに見られなかった真面目な姿だったので、一味違う魅力になった。コン・テグァンは幼い頃、親の離婚によって心に傷を受けて反抗児になった。イ・ウンビをいじめるカン・ソヨン(チョ・スヒャン)を制圧する強い姿を見せつつも、母親の愛情を懐かしむ母性愛を刺激する姿も見せてくれる。ソンジェはこのような多様な感情を完璧に消化している。ソンジェの演技を見ていると、コン・テグァンなのかソンジェなのか区別するのが難しいほど、キャラクターに夢中になっていることが分かる。

最近、ソンジェはMBC「僕らの日曜日の夜-覆面歌王」に出演し、サブボーカルの意外な歌唱力を披露してバラエティ番組でも頭角を現した。続いて、彼はMBCのバラエティ番組「私たち結婚しました」にキャスティングされ、今最もホットなアイドルであることを証明した。歌手だけでなく、バラエティ番組、演技でも活発な活躍を繰り広げているソンジェは、新しい万能エンターテイナーの誕生を予告している。そして、ソンジェが所属するBTOBは、7月にカムバックを控えている。演技、バラエティ番組などで頭角を現したソンジェが本業の歌手としても成功的な活躍を繰り広げ、トリプルクラウンを達成するかに注目が集まる。

決定的な一撃を持っている小さな少女、IU

女優として新たな跳躍を図るIU(アイユー)には決定的な一撃がある。

IUは2008年、「迷子」という曲で若い年齢にかかわらず、切ない感性を見事に表現してデビューした。初のデビューアルバムはこれといった成果を収められず、世間の関心を受けられないまま無名時代を過ごした。この時期を通じてIUは、挫折するよりも、より強くなった心を持つことができた。華やかなパフォーマンスを見せるアイドルグループの中で、IUはギターを弾きながら昔の歌を歌い、視聴者の懐かしい気持ちを刺激して注目を集め始めた。

そして、IUは「良い日」という曲で優れた歌唱力を披露し、通称“3段高音”を流行らせるなど、国民の妹として位置づけられた。歌手として足場を固めたIUは、新しい挑戦を始めた。2011年、アイドルスターが大勢出演したKBS 2TVドラマ「ドリームハイ」のキム・ピルスク役で演技活動を始めた。彼女が演じたキム・ピルスクは、外見のコンプレックスを乗り越えて、夢に向かって走っていく歌手志望の芸術高校生だった。逆境を乗り越えて、愛する音楽をやる過程はまるでIUの無名時代のようだった。IUにとって、自分と非常によく似た状況に置かれているキム・ピルスク役は、初の演技挑戦において難しくないキャラクターだったわけだ。IUは国民の妹というニックネームに相応しく、可愛いビジュアルで愛らしいキム・ピルスクの姿を完璧に演じた。

見事な演技を披露して成功的なスタートを切ったIUはその後、KBS 2TV週末ドラマ「最高です!スンシンちゃん」に出演した。IUは家族が視聴する週末ドラマの主演を務め、10代歌手というイメージから抜け出して中高年層にも自分の存在感をアピールした。予想しなかったアドリブを披露するチョ・ジョンソクにも負けないくらい、抜群の演技力を見せてくれた。その後、KBS 2TVドラマ「キレイな男」の主演に抜擢され、チャン・グンソクと呼吸を合わせた。IUは自分の魅力を活用できる賢い女優だ。「ドリームハイ」の時と同じく、「キレイな男」でも可愛い魅力を発散してキム・ボトン役を完璧にこなした。

IUは現在、KBS 2TV金土ドラマ「プロデューサー」でトップスターシンディ役に扮して熱演を披露している。「プロデューサー」の序盤、IUは共演中の俳優チャ・テヒョン、コン・ヒョジン、キム・スヒョンなど個性あふれる俳優たちの間で、はっきりとした存在感を示せなかった。だが劇中、シンディがペク・スンチャン(キム・スヒョン)への気持ちに気づいてからシンディの存在感が現われ始めた。IUは恋に落ちたトップスターシンディの姿を完璧に演じている。窓の向こうにいるペク・スンチャンを眺めるシンディの顔は、誰が見ても恋に落ちた女性だった。

歌手として無名時代を経てスターになったIUには、自分だけの芯がある。その芯で華やかなアイドル歌手の間でギターを演奏する女性ソロ歌手として目立つことができ、成功につなげることができた。歌手として成功を収めたように、IUは自分だけの実力で女優としての成功を図っている。

着実な演技活動で鍛えられた演技力、AFTERSCHOOL ユイ

ユイは4人の中で一番多くの作品に出演した演技者で、着実に演技の道を歩んできた。

2009年にデビューしてすぐ、ユイはSBS「美男<イケメン>ですね」で演技活動を始めた。これに先立ち、MBC「善徳女王」でコ・ヒョンジョンの子役として出演し、話題になった。「美男<イケメン>ですね」でユイは“国民妖精”のユ・ヘイ役ではじける魅力を発散するトップスター役を見事に演じた。その後、ユイは2011年にKBS 2TV「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち」でヒロインを演じ、ケーブルテレビtvN「バーディーバディ」、KBS 2TV「田禹治(チョン・ウチ)」、MBC「黄金の虹」、tvN「ホグの愛」など、数多くの作品に出演し、着実に演技者としての道を歩んできた。

常に安定した演技を披露してきたユイだが、トレンディドラマを中心に出演してきたユイの演技はオーバーかもしれないという心配の声もあった。だが「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち」「黄金の虹」など、長い期間に渡って行われた撮影で、中堅俳優と呼吸を合わせながら自分だけの演技力を鍛えてきた。

2月に放送されたtvN「ホグの愛」では、出産の演技まで披露し、演技への情熱を見せた。韓国の有名な水泳選手から未婚母になるト・ドヒ役を演じたユイは、母親役を通じて涙腺を刺激した。水泳選手出身らしく「ボクの愛」でも優れた水泳の実力を誇った。限りなく堂々としていたト・ドヒは人目を避けて一人で出産の準備をした。この過程でユイは、妊婦の姿も完璧に再現し、寂しい感情を見事に表現して注目を集めた。

このように演技力を鍛えてきたユイが、今回はSBS「上流社会」では幸せを求めて孤軍奮闘する財閥家の娘チャン・ユナ役で帰ってきた。これまで試行錯誤を経て鍛えられたユイの演技力は、完璧な俳優の姿だった。結婚について母親コ・ドゥシムと対立し、涙を流すシーンでユイの演技力についてもう一度考えさせられた。ユイは母親から愛されない切なさを表現すると同時に、自己主張が強い堂々としたキャラクターを演じこなした。

若い時の経験は財産だ。ユイの出演作は今やユイにとって大切な財産となり、このような経験を土台にしてより進化する演技者として成長するだろう。

成長し続けるアイドル、ZE:A ヒョンシク

すでに演技者として優れた演技力を披露しているが、ヒョンシクはまだ成長している。

すらりとした背丈にカッコいいルックスを持っているにもかかわらず、ヒョンシクはZE:Aの9人のメンバーの中で頭角を現せなかった。ZE:Aのメンバーは個人活動でそれぞれの才能を自由に発揮している。グァンヒは「無限に挑戦」のシックスマン(新メンバー)の座を勝ち取り、バラエティの才能を思う存分披露している。グァンヒが才気あふれるアイドルから本格的にバラエティ人として第2の跳躍を予告した中で、ヒョンシクも演技者としてこれまでとは違う跳躍を夢見ている。

ヒョンシクは2013年にKBS 2TVドラマスペシャル「シリウス」で演技を始めた。その後、tvN「ナイン ~9回の時間旅行~」を通じて視聴者と会った。その後、数多くのドラマに出演し、助演として活躍した。ヒョンシクは、初めての演技から違和感のない安定的な演技を披露し、注目を集めた。その後、ヒョンシクはミュージカルで鍛えられた完璧な発音と発声で、安定した演技を披露した。

2014年に放送されたKBS 2TV週末ドラマ「家族なのにどうして」にもチャ・ダルボン役として出演し、わがままな末っ子の姿を演じた。チャ・ダルボンの成長ストーリーと共に、彼自身も一緒に成長した。撮影期間が長かった週末ドラマだったにもかかわらず、回を重ねるにつれて安定的な演技を披露した。また、ユ・ドングンが演じた父親への愛を嗚咽演技で表現し、演技力を認められた。

今回、SBS「上流社会」でヒョンシクは財閥家の末っ子息子役で、野望のあるキャラクターを演じている。すでに「相続者たち」で上流層の演技を経験した。「相続者たち」では可愛くて溌剌とした高校生役だったら、今回は気難しいが、ロマンチックな面もある29歳のユ・チャンス役だ。ヒョンシクは「相続者たち」の時にはまだ演技がぎこちなかった。その反面、今回の「上流社会」では、他の演技者に負けないプロらしい姿を見せている。

このように成長がはっきり見えるアイドルもそれほど多くない。ミュージカル、バラエティなど、多様な活動を通じて鍛えられたしっかりとした基本技で安定した演技を見せているヒョンシク。今後さらに大きな成長が期待される。

記者 : ハン・ヘリ、写真 : 10asiaのDB、「Who are you」、「プロデューサー」「上流社会」の放送キャプチャー、翻訳 : ナ・ウンジョン、チェ・ユンジョン