アイドルオタク養成の秘密を暴く!きっかけのメンバー vs 抜け出せないメンバー? ― アイドルファンのキーポイント Vol.1
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オタ入門、アリ地獄、出口の封鎖…… アイドルのファンダム(特定ファンの集まり)の動きを見ているとよく使用される単語である。“オタ入門”とは「オタクに入門する」という言葉の略語で、“アリ地獄”はアリジゴク(ウスバカゲロウ)という虫がアリを殺して食べるため、砂地にすり鉢状の罠を作ることに由来しており、一度はまったら抜け出せないアイドルの魅力を表現する時に使われる。“出口”は“オタ入門”の反対語で、ファンの活動を終わらせるという意味だ。オタ入門から出口まで、もしくはオタ入門からアリ地獄まで、果たしてアイドルオタクはどのような過程を経て養成されるのだろうか。オタク養成の秘密を起承転結で暴いてみた。
【起】入門のきっかけになるメンバーの活躍で注目を集めよう
その代表的な例として、BEASTのイ・ギグァンがいる。イ・ギグァンはデビュー前にソロ歌手として活動した経験があり、初期のBEASTで可愛い顔立ちと逞しい肉体をアピールして“脱ぐグァン”と呼ばれて話題を集めた。続いてMBC「僕らの日曜の夜-熱い兄弟たち」では“アメリカダンス”を流行させ、認知度を積み上げた。
“入門メンバー”のもう一つの共通点はグループのセンターに位置するということだ。アイドルグループの活動初期の姿を見ると、団体ダンスのパフォーマンスの際に“入門メンバー”がセンターに立って踊るケースを頻繁に見ることができる。つまり“入門メンバー”はグループのビジュアルであり、マスコットである。彼らは大衆的な認知度をもとに一番前に立ってグループを知らせる先鋒の役割を果たす。
【承】本格的なファンの活動を始める順番だ
この段階からはアイドルグループとファンダムの相互作用が行われる。センターの精力的な活動によってついに入門したファンは、グループのすべてに関する情報収集に乗り出す。公式ファンカフェ(コミュニティサイト)への加入はもちろん、これまでの活動の様子を探って、スターの魅力を一つずつ暴き始める。この段階で、クオリティの高いリアリティ番組は、関心の段階にいるファンにオタク養成課程へ導くはしごを提供する。ステージの上でのカリスマ性あふれる“芸能人”としてのアイドルの姿と、リアリティ番組の“友達”のようなアイドルの姿がギャップを与え、ファンは少しずつファンタジーを形成していくのである。もう少し深いオタクの場合、公開収録に参加したり、ファンサイン会に行くなど積極的な動きでアイドルグループと対面する。この時、スターは適切なファンサービスをしてファンの心を捕らえなければならない。「魚心あれば水心あり」ということわざの真意が感じられる。この時からファンはスターの専門家として生まれ変わり始め、スターはファンが作ってくれた自分の位置に感謝の気持ちを伝え始める。ほとんどのアイドルの1位受賞の感想が「ファンの皆様、ありがとうございます」であることからも分かる。
【転】“出口”を封鎖するメンバーが作る“アリ地獄”
何よりも、彼らの共通点はファンサービスを意味する“ファン調教”の達人で、リアリティ番組でも頭角を現しているメンバーだという点だ。彼らが出口をしっかり封鎖している限り、オタクの心は変わらない。もちろん、それだけファンの信頼を裏切る出来事が起こった場合、最も大きな副作用を生む可能性もある。
【結】オタク養成の本当の秘訣
“アリ地獄”のメンバーが“出口”を封鎖するにはどんな秘訣があるのだろうか? 単にリアリティ番組で見せる親近感だけではオタクは養成されない。何よりもそんな活動を後押しする実力が大きな役割を果たす。ある音楽関係者は「専門家並みのレベルでファンの活動を行うと、メンバーたちの能力値が客観的に見えてくる。あるファンの場合、直接所属事務所にマーケティング戦略の企画案を提出したり、逆に所属事務所にどんなプランを持っているのか問い合わせすることもある」と話し、単なるファンだからといってスターを盲目的に応援するのではないと指摘した。続いて「そのようなファンを持つメンバーはより気楽なイメージを持って、メインボーカルやプロデューサーなどグループで自分の担当が確立されているメンバーだ。ファンの関心は実力や人柄をともに備えたメンバーに集まるしかない」と伝えた。つまり、実力と人柄という当然の理由が人気の秘訣なのである。BIGBANGや2NE1など“入門メンバー”が“出口”も封鎖するという評価を受けているグループの場合にも、このような説明が適用される。もちろん、ここで言及されていない他のメンバーの実力や人柄が良くないと話しているわけではない。“入門メンバー”と“出口”を封鎖するメンバーの適切なシナジーがオタク養成の好循環を生み出し、ファンダムはより忠実になる。そして、このすべての背景にはスターとファンの信頼関係がある。大好きなスターが恥ずかしくないと感じること、それがオタク養成の秘訣であり、本当の秘密ではないだろうか。
記者 : パク・スジョン、写真 : ペン・ヒョンジュン、MBC、C-JeSエンターテインメント、SMエンターテインメント、YG ENTERTAINMENT、Woolimエンターテインメント、翻訳 : ナ・ウンジョン