【スターソウルフード】RAINBOW ジスク「餃子を作るたびに、母のことを思い出します」

10asia |

料理を食べる瞬間、心がリラックスして癒される時がある。ある人はお袋の味であるテンジャンチゲを食べる時で、ある人はチメック(チキンとビール)と向き合った瞬間かもしれない。

それぞれが抱いた思い出が味になり、舌先に伝わる瞬間、料理は心を癒してくれる。

誰よりも忙しい日々を過ごしているスターたちにも、自分だけのソウルフードがある。いつもと違って料理を一緒に作り、食べながら向かい合って座ってインタビューをしたら、一歩近づいて自分の話を打ち明けてくれた。ソウルフードを共有するということは結局、自分の一部分を共有することなのだ。

スターたちの率直なソウルフードの話を伝えながら、このインタビュー記事を読む読者たちにも自分の周りにいる大切な存在に同じ質問を投げかけることをおすすめする。「あなたのソウルフードは何ですか?」

10asiaとインリウォン料理教室が共にするスターソウルフード。最初の主人公は、ガールズグループRAINBOWのメンバーであり、KBS 2TV「芸能街中継」ではリポーターとして活躍しているジスクだ。

ジスクは昨年8月から自身のブログ「照れくさいスクログ」を開設し、自身だけのレシピを公開するほど料理の才能を見せている。ジスクのブログは1日平均約1万人の訪問者数を記録するほど、高い人気を集めている。

今回、ジスクが選んだ自身のソウルフードは餃子だった。ジスクは「実家で定期的に家族全員が集まって一緒に餃子を作った。まるで秋夕(チュソク:韓国のお盆)にソンピョン(お餅)を作るように、よく家族が集まって仲良く餃子を作って食べた。幼い頃、両親が精肉店を運営していたため、家にお肉が常にあったから肉餃子をよく食べた」とソウルフードのメニューに餃子を選んだ理由を明らかにした。

10asiaとインリウォンはジスクのソウルフードである餃子に変化を加え、西洋風餃子である“トルテリーニ”を一緒に作ることにした。叩いたエビで作った具を入れたトルテリーニをクリームソースで煮詰めて料理を完成させた。

この日、ジスクは自身が作った餃子の皮と、皮を作る麺棒を家から持ってくる熱情を見せた。一緒に料理を作ったキム・ヨンジュンシェフは「皮の練り具合が本当に良い。一日ほど寝かしておくノウハウまで持っているだなんて、並の実力ではない」とジスクを褒め称えた。普段、ネイルアートにも興味があるジスクだが、「今日のために爪を綺麗にしてきた」と10本の指を広げるポーズを取り、和やかな雰囲気を醸し出した。

ジスクはとても立派な学生だった。キム・ヨンジュンシェフがたまねぎを切ってニンニクの下ごしらえする時も、「わぁ、これは見習わなきゃ」と話しながら一時も目を離さず全ての過程に目を行き届かせた。

RAINBOWのシェフ、ジスクが一番良く作る料理は韓国料理だ。主食を中心に作るため、自然に韓国料理に力を入れるようになった。その中でも特にチゲ(鍋)類とチャーハンが好きだ。

「チャーハンを一番よく作って食べました。幼い頃、卵をスクランブルするようにかき回して、それにご飯を入れてケチャップをかけたチャーハンを初めて作った記憶があります。その後、それに色んな材料を追加してチャーハンの作り方を進化させました。チゲを作るのも好きです。父親のテンジャンチゲ(韓国の味噌鍋)は本当に美味しいんです。父親だけの特別なレシピがあります。本当に不思議なのは、父親と祖母のテンジャンチゲの味がまったく一緒ということです」

ジスクは料理が好きな両親の影響で、自身も幼い頃から料理を楽しんだ。ブログのニックネームに使用している“スクチャングム”も母親のアダ名であった“シンチャングム”から取ってきたものだ。ジスクの父親は朝、出勤する前に母親がもっと良く寝られるように自分で朝ご飯を作って食べる優しい夫であり、父であり、料理人だった。そのためか、ジスクはRAINBOWのメンバーたちと一緒に宿舎生活をしていても、水原(スウォン)にある実家によく遊びに行く。

「水原に実家があって、実家に帰るのがとても好きでよく行きます。RAINBOWの初期にはメンバーたちのためによく料理をしましたが、今は主に実家に帰って料理をします。餃子の作り方も母親が教えてくれました。誰にも真似できない味です」

ジスクは餃子の皮に具材を入れて餃子の形を作る時、自身だけの秘法を公開した。母親に教わった秘訣である。RAINBOWのメンバーたちもジスクが作った餃子が一番おいしいと、ソウルフードのメニューとしてお勧めしたという。ジスクの餃子、別名“縫う餃子”はジスクのブログにも紹介されたことがある。歌手活動とリポーター活動で忙しいはずなのに、ジスクはブログでも自身の魅力をアピールしている。ジスクのブログでは飾り気のないガールズグループメンバーの日常を垣間見ることができる。

「昔からブログをやってみたいと思っていました。でも、タイトルを定めるのが難しかったんです。IDを作ることから悩みました。そしてある日、“Coming Soon”というフレーズを見た時に“Soon”の“n”を“k”に入れ替えると“Sook”になると思いました。訪問者数は多い時は一日に一万人を超える時もありますが、ブログに広告は絶対に掲載しないというのが私の信念です」

ジスクは自身のブログに料理だけでなく電子機器の修理や旅行記録、コスメのレビューまで様々な話を書いている。器用な手先が感じられる。ジスクは幼い頃から料理や手わざが必要なことにおいて頭角を現した。

「幼い頃から実科のような実習の授業の時はほとんど私がリードしていました。上手というよりも、好きだからです。手で作ることは全て好きです!一番最初に作った料理はおにぎりです。小学校の時におにぎりを丸い形で作り、お姉さんに食べさせるためにテーブルに置いた時は胸がいっぱいになりました。細かく砕いたノリをつけて作りました」

料理と食べ物が好きなジスクは、RAINBOWのメンバーたちの間で断然モッパン(食べる番組)1位である。それでも、スリムな体型を維持している秘訣は何だろうか?ジスクは、一番おいしい料理は「昨日食べた夜食」という食べ物に関する特別な哲学や、辛い食べ物でストレスを発散するという自身だけのストレス解消法も公開した。

「どの料理も夜食には勝てないと思います。今も昨日の夜に食べたライスヌードルが一番美味しいと思っていますから(笑) 餃子の中ではこの前、チョル麺(しこしことした、甘酸っぱい辛い麺)と餃子を注文して、それを一緒に混ぜて“ビビン餃子”を作って食べましたが、非常に美味しかったです。メンバーたちとトッポッキとスンデ(豚の腸の詰め物)を食べに行く時が一番幸せです。たくさん食べる方ですが、その代わりにたくさん動きます。私ももちろん太ります(笑) 運動は……誰かから指導されるのが嫌で、トレーナーに習わずにカムバックの前に有酸素運動を沢山したり、寝る前後にストレッチを必ずしています」

ついにトルテリーニが完成した。ガーニッシュまでつけると、見事な料理になった。ジスクと一緒に料理を作ったキム・ヨンジュンシェフをはじめ、スタッフたちも一口ずつ食べながら料理を味わった。ジスクは親指を立てながら美味しいと感嘆した。美味しい料理を食べていたら、ほどよく和やかな雰囲気が漂った。初めて出会ってぎこちなかった様子も、いつの間にか親しくなっていた。そして、ジスクは餃子が自身の本当のソウルフードである理由を告白した。

「この話をしようかどうか悩みました。実は2年半前に母親が亡くなりました。でも、母親に一番よく教わり、綺麗に作る秘法を学んだのが餃子です。今は私が餃子を作ると、家族が母親のことを思い出す食べ物になりました。そして、母親の餃子の形と同じように作る私の姿が好きで、餃子をたくさん作るようになりました。今も変わらず家族が集まって餃子を作ります。本当のソウルフードになったと思います」

さらに、ジスクは料理を始める時の心構えについても話してくれた。ジスクは「料理をする時、自分だけのために作ることはあまりありません。一人で食べる時は適当に作って食べますが、家族や誰かがいたら、美味しく食べてくれる人のことを考えながら料理をします。そうすると、作る過程が非常に楽しいんです。また、作りながら『完成したらどんな風にお皿に盛りつけたら可愛いかな』と考えると、より楽しくなります」と伝えた。ジスクの温かい心まで感じることができた。

記者 : パク・スジョン、編集 : チェ・イェジン、写真 : ク・ヘジョン、翻訳 : ナ・ウンジョン