Vol.1 ― 放送終了「スリーデイズ」水木ドラマ=SBSという公式はどこに…失ったもの&得たものとは?

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=SBS「スリーデイズ~愛と正義~」スクリーンショット
“水木ドラマ=SBS”という言葉に慣れていた一年があった。しかし、「スリーデイズ~愛と正義~」の放送以降、嘘のようにその肩書きは失われるしかなかった。視聴率1位は果たしたが完全ではなく、大作ドラマを夢見たが完璧ではなかった。それにもかかわらず「スリーデイズ~愛と正義~」を失敗したドラマとして片付けることができない理由は確かに存在する。

韓国で1日に放送されたSBS水木ドラマ「スリーデイズ~愛と正義~」(脚本:キム・ウニ、演出:シン・ギョンス)の最終話では、大統領イ・ドンフィ(ソン・ヒョンジュ)とキム・ドジン(チェ・ウォニョン)の最後の対決が描かれた。善の代名詞であったイ・ドンフィは結局悪人キム・ドジンを死なせ、悪循環の連鎖を切った。勧善懲悪の大きな形から外れていなかったエンディングは再び希望ある愛国的なメッセージを届け、幕を閉じた。

王座を守った1年…水木ドラマ=SBSという公式はどこに?

「君の声が聞こえる」以降、本当に長い時間であった。単独で20%台の視聴率をキープし、水木ドラマで一人勝ちしていたSBSに最終的に不運が訪れた。「星から来たあなた」で視聴率29.6%(ニールセン・コリア、全国基準)という高記録を手にしたSBSだったが、なぜか「スリーデイズ~愛と正義~」ではこれといった力を発揮することができず、最終話を迎えることになった。

第1話は「星から来たあなた」の半分にも及ばない12.5%の視聴率でスタートし、同時間帯に放送されたKBS 2TV「感激時代:闘神の誕生」に追撃されたり、最も弱いと判断されていた「ずる賢いバツイチの恋」にも一部の視聴率を奪われた。

6.4%でスタートした「ずる賢いバツイチの恋」が9.2%の視聴率で幕を閉じたのはその意味が大きい。「スリーデイズ~愛と正義~」は12~11%台の視聴率をキープし16話まで走りきり、最終話で13.8%を記録して辛うじて有終の美を飾った。

消えた100億ウォンを探せ…間接広告はないと言ったはずだが?

“100億ウォン大作”という言葉が流行っていた時期があった。しかし、結果的に残ったのは「巨額の制作費が投じられた大作でも、必ず力を発揮するわけではない」という汚名だけだった。「スリーデイズ~愛と正義~」は劇の序盤、息を呑むカーチェイスシーンなどで見る楽しさを倍増させたが、その後はこれといった活躍は見せてくれなかった。

銃撃シーンや過去の回想シーンなどは多彩な効果で見応えがあったが、それも一時的なものであった。劇が後半に向かうに連れ、「スリーデイズ~愛と正義~」はドラマの舞台を室内に持ってくるなど静的な構成に変わり、見る楽しさまでも消えてしまった。

さらに韓国で4月24日に放送された第14話では劇中でハン・テギョン役を務めるユチョンが所属しているアイドルグループJYJがモデルを務めるアウトドアブランドの広告が車体全体に施されたバスが長い時間画面に登場した他、劇中で警護員の一部が同ブランドのアウトドア製品を着用していたことなどは望ましいとは思えなかった。

これ以前に「スリーデイズ~愛と正義~」側は「3無ドラマ」というスローガンを掲げ「ドロドロ系のストーリーや小細工、間接広告(PPL:テレビ番組や映画に特定会社の商品を小道具として登場させること)がない」と自信を見せたが、その中の一つは完全に果たさなかったと言っても過言ではない。連日のように続く野外撮影で相当な制作費を使っているにもかかわらず、制作費を作るための過剰な間接広告はしないと伝えていたが、同アウトドアブランドをPRするバスのシーンや製品の着用が果たして過剰でなかったのか疑問が残る。


それでも手にしたものは?正義のソン・ヒョンジュ vs 悪のチェ・ウォニョンの宿命のツーショット

錚々たる俳優が集結したドラマであった。ソン・ヒョンジュとチェ・ウォニョンが宿命の対決を繰り広げ、その中での演技対決はおまけのようについていた。さらにチャン・ヒョンソンのゾッとする眼差し、ユン・ジェムンの抑えられたエネルギーなど何一つ違和感がなくスムーズであった。

しかし、ベテラン俳優たちの肩にはあまりにも重いものが伸し掛かっていた。特にソン・ヒョンジュは共に主人公としてキャスティングされたユチョンをカバーするため、重い荷物を背負って16話まで走ってきたと言っても過言ではないほどだ。主人公としてキャスティングされたユチョンの役はドラマが後半に行くにつれ、やや物足りなさを残した。

それでもベテラン俳優たちの演技熱戦は「スリーデイズ~愛と正義~」の中で得た一つの見所であった。演技力のある俳優たちで構成された出演陣が視聴者の目と耳を楽しませたことは、単なる大げさな褒め言葉ではない。ソン・ヒョンジュ、ユン・ジェムン、チャン・ヒョンソン、チェ・ウォニョンなどの俳優の姿を一つの画面の中で見ることができたおかげで「スリーデイズ~愛と正義~」は一定の好評を手にし、退場することになった。

「スリーデイズ~愛と正義~」の後番組としてはイ・スンギ、チャ・スンウォン、Ara、アン・ジェヒョン、パク・ジョンミン、ソン・ジル、オ・ユナらが出演する「君たちは包囲された!」(脚本:イ・ジョンソン、演出:ユ・インシク)が放送される。江南(カンナム)警察署を舞台に刑事たちのハプニング満載な成長記を描く。韓国で7日に第1話が放送される。

記者 : ムン・ジヨン