【歌謡界はApink色】ピンク色の核心、チョン・ウンジの変化に気づきましたか ― Vol.3

10asia |

妖精ドル(妖精+アイドル)の魔法にかかった。ガールズグループApinkが、「Mr.Chu」で4月第2週のチャートで1位を総なめにした。4月19日でデビュー3年目を迎えたガールズグループの真価に人々がようやく気づいたのだ。ほとんどのガールズグループが可愛いコンセプトからセクシーなコンセプトへの変身を宣言したり、多様なコンセプトに変化を図った中、Apinkは妖精ドルというコンセプトを守った。屈せずに自分たちだけのカラーを守った結果だ。しかし、今のApinkが巻き起こした突風をただ清純ドル(清純+アイドル)や妖精ドルのカラーを守ってきたためだと考えるのは、大きな誤算だ。自分だけのカラーを守りながらも、休まず変身を試みた彼女たちの努力があったから今の結果を納めることができたのだ。その中でもメインボーカルチョン・ウンジの進化が際立っている。

チョン・ウンジの歌の実力はすでによく知られた事実だが、デビュー曲「I Don't Know」と現在活動している「Mr.Chu」を比較すると、以前と違う変化に驚いてしまう。常に確実なインパクトを担当していた“高音叫び”がなかった。「I Don't Know」から「NoNoNo」まで、リフレイン(繰り返し部分)やクライマックスには常にチョン・ウンジが高音を張り上げる部分が必ず含まれていた。しかし「Mr.Chu」のクライマックスで高音叫び担当はキム・ナムジュだった。チョン・ウンジは後ろでアドリブを担当していたが、みんなの声を突き抜ける歌唱力より、ハーモニーや掛け声のようなアドリブを披露した。特に最後の「こっそり近寄ってきて」の部分ではむしろ音が低くなる。これと共に女性らしい手の動きを披露し、清純さまでが盛り込まれていた。

もちろん、チョン・ウンジの爆発的な高音は今回のアルバムでもいくらでも聞ける。しかし、トレードマークであり、Apinkの音楽の中で必須要素だったチョン・ウンジの高音がタイトル曲から消えたということは、跳躍への第一歩を意味する。高音がなくてもApinkだけの魅力を見せてくれた。またキム・ナムジュが歌う「Baby」の部分が曲の中で最も高音のパートになり、進化したApinkのボーカルラインの実力まで伺うことができた。

さらに嬉しいことは音色が変化したことだ。「I Don't Know」で活動していた当時のチョン・ウンジの音色を聞くと、他のメンバーに比べて少し目立っていた。実力は良いが自分の声ではなく、わざと綺麗な声を出すために努めた跡が伺えた。音は綺麗に出しているが、感情が物足りなかった。だが、「MYMY」からは歌唱力が確実に進化し、「NoNoNo」や「Mr.Chu」では自分のカラーを見つけることができた。わざと綺麗な声を出さなくても、自然に感情を盛り込むことで、歌自体が生き生きと伝わってきた。

これだけではなく、VIPメソッド(Vocology In Practice)公認ボーカルコーチであるJoeは、「チョン・ウンジは女性歌手たちが上手く歌えない音域帯である中高音域を見事に歌いこなせる実力派アイドルボーカルだ。だが、デビュー当時は爽やかで軽く歌う感じが強かった。活動を重ねるごとに、ソロ曲や他の曲をカバーする時、彼女自身の成熟して豊富な声量を聞かせてくれている」伝えた。

今回のアルバムの収録曲の中では、ミディアムテンポのR&B曲「So Long」と「愛の童話」でチョン・ウンジのボーカルを聞くことができる。ボーカルコーチJoeは「成熟して豊かなチョン・ウンジの声は、曲の重みとリフレイン部でのアピール力を倍増させている。ボーカルコーチとして彼女の今後が期待される最も大きな理由だ」と付け加えた。

チョン・ウンジはApink以外にも多方面で活動しながら、彼女のボーカルの実力をアピールしている。3月にはSBS「スリーデイズ~愛と正義~」のOST(劇中歌)「あなたなんです」を歌い、最近ではミュージカル「フルハウス」の女性主人公にキャスティングされた。これは、チョン・ウンジが成長する原動力になっている。「フルハウス」の公演が終わる頃には、より一層成長したチョン・ウンジの姿を期待しても良いだろう。

PS.チョン・ウンジが変化したのはボーカルだけではない。
チョン・ウンジは“ダイエットは最高の整形”という万古不易の真理をもう一度刻印させた主人公でもある。

記者 : パク・スジョン、写真提供 : A-Cubeエンターテインメント