甘いメロディと感覚的なラップの調和が印象的な楽曲「Y(Please Tell Me Why)」は、誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。ラップバラードの始まりと言っても良いほど大いに愛された「Y」は、ヒップホップグループFree Styleの作品であり、現在でも人々から多くの関心を受けている。

Free Styleはこれまでテレビではなかなかその姿を見ることができなかった。黙々と自身の音楽を続ける中で「Y」をはじめ、「そしてその後」「受取人不明」などのヒット曲を世に送り出してきた。そんな彼らが12月12日、新曲「Winter Song」を発売して新しいスタートを告げた。

Free Styleは「Winter Song」が与える冷たい感じのように寡黙な男たちだろうと予想していたが、実際に会った彼らはお互いの話につっこみ合うことに夢中になっている普通の兄弟と変わらない様子だった。実の兄弟だからこそ可能な温かい姿で、このような雰囲気が完璧なコンビネーションを作り出す源でもあった。

「物事には時期があるようです。新曲が出る度にワクワクします。何だか新しくスタートするみたいで。昔は何かに連れて行かれるかのように音楽をしていましたが、今は流れるようにやっているのでとても良いです。望む通りにできるし、年をとったせいか干渉を受けなくて良いですから(笑)」(ミノ)

1999年にデビューしたFree Styleは、今年でデビュー15年目を迎えた。これまでに最も高い人気を得た曲は当然「Y」だ。メンバーたちも「Y」に対して特別な愛情を持っていた。

「それがなかったら、僕たちのことをよく知らなかったでしょう。ずいぶん前に出した曲にもかかわらず、着実に愛されているので感謝するだけです。最近の10～20代の人たちはこの曲を聞いて新曲だと思っていました。こんなことが長続きする秘訣だと思います。サゴル(牛骨スープ)のように何度も飽きずに食べれる感じでしょう？(笑)」(ジオ)

Free Styleはわりと着実にアルバムを発売してきたが、テレビなどのメディアには出演しなった。そのため、彼らが長い空白期間を持っているという錯覚を起こしたりもした。

「毎シーズンごとにリリースしてきましたが、露出(メディア出演)はしませんでした。前の事務所との事情もありましたし。でも、3月にQUANエンターテインメントに来てから本格的な活動を始めました。今の事務所は気楽に音楽をすることができる環境なので意欲満々です」(ミノ)

ミノとジオは実の兄弟である上に、長い間息を合わせてきたため、音楽作業においてもきちんと体系化されていた。作曲はジオ、作詞は兄のミノが務めて、お互いの領域を尊重し、守ることがFree Styleの“ハーモニー”の秘訣だ。

「正確に分けています。僕は作曲をして兄は作詞をするから、最初から分担して作業をしました。その分摩擦がないので曲も上手く作ることができると思います」(ジオ)

インタビュー中ずっとトークの腕前をアピールしてしたFree Styleは、バラエティに出演しても頭角を現すだろうと思った。お互いにつっこんだり、状況を描写するときに優れたユーモアセンスを披露するFree Styleがまた違って見える瞬間でもあった。

「これまではテレビにあまり出演してこなかったので、人々が僕たちのことをよく知らなかったはずですが、もう歳も取ったし、気楽に人々に向き合えると思います。また、これまで僕たちがやってきた音楽があるので、グループそのものへの信頼感が高くなったことは良いことです。今、二度目の全盛期が来たと思っています。これまでは前に出ることを避けてきましたが、今は自然にできる環境になったと思います」(ジオ)

Free Styleは15年間守ってきたFree Styleの色を守り、前に向かって走っていく計画だ。評価にとらわれず、守ってきた色を守っていくことが目標であり、方向だと話した。

「音楽的に色々な試みをしてきましたが、Free Styleの色を守ることが正しいという結論に至りました。どんな評価を受けてもそれは僕たちの音楽ですので。アーティストが人々に合わせて音楽をする必要はないと思います。『編曲などで色々な試みはするが、Free Styleの色は維持しよう』ということが結論となったわけです(笑)」(ジオ＆ミノ)