Vol.1 ― 放送終了「メディカルトップチーム」メディカルドラマの不敗神話が破られた

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※この記事にはドラマ「メディカルトップチーム」の結末に関する内容が含まれています。
写真=MBC「メディカルトップチーム」スクリーンショット
メディカルドラマの不敗神話が破られた。華麗に始まったMBC水木ドラマ「メディカルトップチーム」(脚本:ユン・ギョンア、演出:キム・ドフン)が寂しい歴史を書き、幕を下ろした。

「メディカルトップチーム」は今月12日、ハッピーエンドの中に放送終了した。この日トップチームはチェ・アジン(オ・ヨンソ)の遺伝的脳疾患の手術を成功裏に終えた。そしてメディカルトップチームは復活し、メンバーは“協診”をして希望に満ちた未来を予告した。パク・テシン(クォン・サンウ)&チェ・アジン、ハン・スンジェ(チュ・ジフン)&ソ・ジュヨン(チョン・リョウォン)の愛もより一層深まった。

「メディカルトップチーム」は始まる前は確かに“トップチーム”だった。最高の制作陣と豪華なキャストを誇った。演出のキム・ドフンプロデューサーは前作が「太陽を抱く月」だ。このドラマは最高視聴率42%を越え、“国民的ドラマ”として名が通っている。脚本は「ブレイン」のユン・ギョンア脚本家が手がけた。

制作陣のパワーを信じて豪華な俳優たちが集まった。「野王」で演技力とヒットパワーが認められた俳優のクォン・サンウ、「オ・ジャリョンが行く」のオ・ヨンソ、チュ・ジフン、チョン・リョウォンなどが出演し、“トップチーム”を形成した。

俳優たちは制作陣とメディカルドラマの力を信じ、視聴率1位に自信を持った。しかし、期待が大きかったためか。「メディカルトップチーム」は初回7.3%の全国視聴率を記録した。これからどんな展開になるか分からなかったため悪くない成績だった。しかし、時間が経つにつれ期待は懸念に変わっていった。最低視聴率3.6%まで墜落した。メディカルドラマのヒットの歴史が崩れたのだ。“第2のゴールデンタイム”は誕生できなかった。

「メディカルトップチーム」のヒット失敗で、様々な理由が提議された。まず“タイミングの失敗”という指摘が多い。KBS 2TV「グッド・ドクター」に続いてすぐに放送されたためだという評価だ。いつも食べていたご飯を食べ続けるかどうかだったが、もしかしたらありきたりなメディカルドラマより、新しいドラマを求めたのではという結論が出た。同じ時間帯に放送されたKBS 2TV「秘密」が予想外の高い人気を得て、「秘密」の放送終了後はSBS「王冠を被ろうとする者、その重さに耐えろ-相続者たち」が水木ドラマの王座を逃さなかった。その中で張り合えなかった「メディカルトップチーム」の視聴率はますます下落したのだ。

ドラマが上手く行くためには俳優、演出、脚本の3拍子が合わないといけない。「メディカルトップチーム」は確かに“脚本”に問題があった。いわゆる“マクチャンドラマ”(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマのこと)ではなかった。しかし、キャラクターの確立の不在とストーリーのフォーカスがずれていることが問題だった。

「メディカルトップチーム」は各分野最高の医師だけが集まった医療協診ドリームチーム誕生の過程を描き、医療界の赤裸々な現実と病院内の権力争いを緊張感あふれるタッチで描いたドラマだ。ドラマが描こうとした内容に忠実であったためか。ドラマはメディカルドラマらしく、手術シーンがメインではなく、“医師たちが病院で戦う話”“医師たちの政治話”になった。血が手術室で飛ぶのではなく、病院関係者たちの葛藤から発生した。あえて病院が背景でなくても良かったストーリーだった。

視聴者は完璧な医師よりは、医師が成長していく姿を見たがる。「メディカルトップチーム」もそのため、様々な危機を作り、天才から間抜けな人物まで様々なキャラクターを作った。しかし、トップチームが成功できない手術はなく、緊張感は半減した。特に主人公のパク・テシンキャラクターには問題が多かった。彼は人間味のある賢い医師だった。しかし、トップチームでは迷惑なキャラクターだった。自分で危機的状況を作り、葛藤を作って乗り越えた。視聴者を引き付けたり、尊敬できる魅力が足りなかった。テシンのように多くのキャラクターが中心をとれずに、不安定な姿を見せ、物足りなさが残った。

また、ロマンスの急展開も残念なところだった。アジンの純粋な片思いはやがてテシンと結ばれ、叶えられた。ハン・スンジェとソ・ジュヨンもお互いの気持ちを確認し、深いキスシーンも披露したが、これといった注目は受けられなかった。もちろん、俳優たちの演技は十分だった。メディカルドラマの長時間にわたる撮影と努力が報われなかった点が残念でならない限りだ。

「メディカルトップチーム」の後番組としては、イ・ヨニ、イ・ソンギュン、イ・ソンミン、ソン・ソンミ主演の「ミス・コリア」(脚本:ソ・スクヒャン、演出:クォン・ソクチャン)が放送される。

記者 : ソン・ヒョジョン