イ・ジュンギ、王の男から娘の男へ…配役を完璧に演じる“本当の俳優”への成長

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写真提供=MBC
MBC水木ドラマ「TWO WEEKS」に出演中の俳優イ・ジュンギが、“王の男”ではなく“娘の男”になって戻って来た。

最終回を控えているこの作品で、イ・ジュンギは殺人の濡れ衣を着せられ追われる身となったが、白血病を患っている娘に骨髄移植をするため必死で逃げ回るチャン・テサン役を好演している。毎回転がって銃に打たれ、谷から落ちるなど大変な苦労をしている。しかし、激しいアクションシーンより胸を痛ませるのは、娘に対する父性愛だ。単なる脱走犯に見えないのは、父の切実な想いが感じられるからだろう。

ドラマ中盤になり、チャン・テサンが自身が追われている理由に気づき、何も知らないまま追われ、避けるよりも激しい心理戦を通じて自身を狙っている人の隙を突いている。どん底に生きたチンピラが苦難と厳しい逆境を通じて世の中に立ち向かう方法を身につける姿は偉大だと思わざるを得ない。不安や恐怖に怯える眼差しからカリスマ性溢れる眼差しへと変化する演技も最高だった。

イ・ジュンギの眼差しはデビュー当時から注目を集めてきた。東洋的な細長い目で魅惑的な印象のあるイ・ジュンギは、一躍スターにのし上がった映画「王の男」で、何を考えているのか分からない神秘的な眼差しでキャスティングされた。映画でも性別、善悪、本音も分からないコンギル役で男女の観客を魅了し“女性より美しい男”となった。

しかし、イ・ジュンギは綺麗なルックスとは裏腹に実際の性格は男らしい。釜山(プサン)出身の慶尚道(キョンサンド)の男であり、学生時代にテコンドー選手として活動していたほど優れた運動神経を誇る。そんな彼は、女性より美しいコンギル役を演じ切ったというのは俳優としての才能、そして彼の努力があったことを意味する。

今回の作品も、努力と根性でチャン・テサン役を完璧に演じている。「王の男」で縄芸の特訓を受けて演じた彼は、「TWO WEEKS」を準備しながら一日2~3時間、睡眠時間を削ってボクシングとロッククライミングをし、無口で読書が好きなキャラクターに合わせて数冊の本を読んだ。そうして誕生したキャラクターは情けないように見えるが絶対に軽々しくはない、切なく見えるが絶対に同情心ではない、立体的なキャラクターを完成させた。汗と涙だらけの顔でも、復讐を誓ったカリスマ性溢れる眼差しは印象的である。

イ・ジュンギは「王の男」のコンギルのように、才能に溢れる人物である。除隊して1週間後、丸刈り頭で日本ファンミーティングを開催し、華やかなパフォーマンスと歌唱力を披露した彼は、才能と情熱溢れる本当の“芸能人”である。撮影現場でムードメーカーとして俳優たち、スタッフたちと仲良く過ごし、撮影現場での出来事を自身のSNSに掲載し、ファンたちとコミュニケーションを取っている。

イ・ジュンギはインタビューで、あるキャラクターを演じることになると自身の全てを注ぐ“仕事中毒の俳優”になりたいと言及したことがある。彼の言葉通り、与えられた配役を完璧に演じるために前進し、自身を進化させて最高の演技を披露してきた。その結果、どんな役でも信じて任せることのできる本当の俳優に成長し、今回「TWO WEEKS」で一層成熟した彼の演技を見ることができた。イ・ジュンギ、自身のSNSのタイトルのように「大韓民国の俳優イ・ジュンギ」の今後に期待したい。

記者 : キム・ミンソンソウル総合芸術学校理事長