「観相師」イ・ジョンジェ、トップ俳優が勢揃いする中でも際立つ“特別な存在感”

OSEN |

ソン・ガンホ、キム・ヘス、イ・ジョンジェ、ペク・ユンシク、チョ・ジョンソクなど、韓国のトップスターが総出演するマルチキャスティング映画「観相師」(監督:ハン・ジェリム)で、ずば抜けて目立つ俳優はイ・ジョンジェだ。端宗(タンジョン)を廃位させ王座に上がる癸酉靖難(幼い国王の叔父にあたる首陽大君(のちの世祖)が政権を奪取した事件)の核心人物である首陽大君役を演じる彼は野心満々だが、上品で余裕を失わない姿を披露し「観相師」で特別な存在感を見せている。

「観相師」は天才観相家ネギョン(ソン・ガンホ)が朝鮮時代の政治の中心である漢陽に呼び出され、王座を狙う人たちを顔で事前に知ることで繰り広げられる事件を描いた映画だ。ソン・ガンホが観相家のネギョン役に、彼の義弟ペンホン役は「建築学概論」で名の知られたチョ・ジョンソクが演じ、阿吽の呼吸で映画の前半を柔軟に引っ張っていくが、後半イ・ジョンジェが演じる首陽大君が登場すると映画の雰囲気が変わる。首陽大君は139分の上映時間中60分が過ぎてから登場するが、その姿はさすが圧倒的と言えるほど強烈で力を入れた痕跡が明らかに見える。そして彼は優れた演技力で映画に緊張感を与えるという自身の役割を果たし、後半において映画の悲劇を確実に再現する。

猟場から帰ってきた首陽大君が殺気を漂わせる姿は、今後彼が幼い甥の端宗を殺すことを暗示し、彼はそのような気配を映画の最後まで維持する。首陽大君という人物から誰も何も言い出せない服従のような雰囲気が漂っている中、イ・ジョンジェはむしろこれを整った顔と人の心を引く気さくな笑顔で洗練された演技を披露する。

40代に入り、もう若いわけではないが、映画の中のイ・ジョンジェの姿は野心満々ながらも老獪さを見せず、歳月の重みを感じさせ、なおさら魅力的だ。良い俳優たちが総出演するマルチキャスティング映画「観相師」でこのようなイ・ジョンジェの姿を見られるのは嬉しいことである。

記者 : チョン・ソナ