【ドラマレビュー】「TWO WEEKS」険しい2週間…皆にとって癒しの時間になるのだろうか

OhmyStar |

写真=MBC

切ない父性愛を盛り込んだ逃亡者の物語…過剰に刺激的な設定は玉に瑕

家族の傷、父性愛、冤罪、逃走などなど…。これは、東洋と西洋を問わず逃亡者の物語の主なモチーフになるキーワードたちだ。そして、その最後は通常、名誉回復と家族愛の完結などで飾られる。このように逃亡者シリーズは大きな枠で似たようなパターンで展開するため、細かい話をどのようにして語るかが成功の鍵になるしかない。

他の作品との差別化戦略を例として挙げれば、人物の職業、歳、配偶者の有無、家族の携帯、事件の種類などになるだろうが、相当の構成でない限りただの亜流作品という評価にとどまる懸念が大きい。だが、その月並みの公式とリスクにもかかわらず、逃亡者シリーズは弛まず制作されている。

それを証明するかのように、終わって間もないKBS「天命:朝鮮版逃亡者物語」に続き、新しく始まったMBC水木ドラマ「TWO WEEKS」も逃亡者シリーズに名を挙げた。時代劇と現代劇で時代が違うだけで、上記の条件を忠実に満たしているドラマたちだ。

殺人の濡れ衣を着せられた主人公…刺激的な設定は玉に瑕

「TWO WEEKS」は白血病を患っている娘ソ・スジン(イ・チェミ)のための骨髄移植手術を控えたチャン・テサン(イ・ジュンギ)が、殺人の冤罪を被せられ追われる物語だ。本人の台詞にもあるように「ゴミのような人生を暮らしていた」彼は、自分の娘がこの世に存在していることを知り、必ず生き残らなければならない理由を持つようになる。

チャン・テサンの悲劇は深く広い。信頼していた周りの人たちの裏切りは彼の人生の根幹を揺さぶり、しいては愛情のもつれの殺人事件の殺人犯にされ、不幸のどん底まで落ちてしまう。その悲劇の裏には、彼が逆らうことのできない巨大な陰謀が存在していた。それは、貪欲の化身である政治家のチョ・ソヒ(キム・ヘオク)と、ヤクザのムン・イルソク(チョ・ミンギ)の陰謀で、チャン・テサンはその犠牲者になってしまうのだ。

主人公たちが幸せな結末を迎えるための過程はあまりにも険しすぎる。しかし、険しく厳しいのが何の問題になるだろう。そうであるほど、乗り越えた後の甘い果実はさらに大きく美味しく感じられるはずだからだ。

問題は、それが険しいだけでなく、過剰に刺激的に走っていることがある点だ。赤裸々かつ無慈悲な殺人の描写、あらゆるところに跳ね返り、床に溜まる血の海、険悪な形で表出される数々の憎悪の表現、その上、一部の扇情的なシーンは玉に瑕を超え、眉をひそめさせている。

もちろん、これがよりドラマチックな結末のための工夫だということを知らない人は多くないだろう。ただ、克服の過程に行き過ぎた刺激が飛び込み続けると、待っていた幸せな結末を迎える前に視聴者の目と耳は他の所に向かうことになるかもしれない。

写真=MBC

娘のための険しい2週間、皆に癒しの時間になるように

チャン・テサンは、自身の悔しさを警察に訴えてみるが、誰も彼の言葉には耳を貸さない。それは、深さを測れない井戸に落ちた人の一人叫びのように、虚しく不安げに聞こえる。その上彼は、留置場で殺害の脅迫まで受ける。彼は果たして、全ての苦難を乗り越え骨髄移植のための手術台に上がることができるだろうか。

チャン・テサンの境遇の困窮さは、彼の娘スジンの天使のような姿と対比され、さらに切なくさせる。過去の裏切りに傷つき、自分たちの世界への踏み入れを許さないソ・イネ(パク・ハソン)の冷淡さも一定の役割をしている。切ない運命の渦巻きは、彼らを家族という垣根の中に囲い込めないまま、ただ骨髄移植という生物学的な結合だけを許している状態だ。

しかし、幸いにもチャン・テサンと彼の娘ソ・スジンは、病院でつかの間の出会いを果たすことができた。娘は一瞬にして父を見極め、自身の大切なぬいぐるみを彼に預ける。ほんの一瞬の間だが、大きな響きのあったあの綿飴のような出会いは、緊張していた劇の雰囲気を一気に武装解除させるシーンだった。

多分それは、私たち皆が望む「TWO WEEKS」の結末かもしれない。暖かい父性愛の取り戻し、娘の元気な姿、彼らの間に漂う温かく穏やかな空気、そのような小さな幸せみたいなものである。それは、今の険しさに苦しむ彼らにとっても、また切なく彼らを見つめる視聴者たちにとっても真の癒しの時間になるだろう。

「OhmyStar」ではスターはもちろん、バラエティ、ドラマなど、様々な市民記者のレビューや主張を幅広く掲載しています。もちろん、いかなる反論も歓迎します。いつでも“ノック”して下さい。「OhmyStar」は市民記者の皆さんの参加をお待ちしています。―編集者コメント

記者 : ハン・ギョンヒ