「主君の太陽」ラブコメに幽霊を加えた“ラブコメホラー”

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ドラマの中で“幽霊”は「伝説の故郷」(韓国のホラードラマ)シリーズのように、何百年も前にいた存在であったり、「M」「ゴースト」「魂」のように、人の体に宿り悪さをしたりする対象だった。このような中、SBS「主君の太陽」は幽霊を2013年現在に持って来ただけでなく、彼らの話に耳を傾け、無念を晴らすという点で新鮮である。

ここで更に一歩進み「主君の太陽」は単純に“幽霊”だけでストーリーを展開するわけではない。“ラブコメホラー”という異種的なジャンルからも分かるように、あくまでも物語の中心は、境遇も性向も違う男女の主人公が出会い、恋に落ちることにある。“幽霊が見える”ということは、その条件の一つに過ぎない。


コン・ヒョジン「ラブコメに出演し続ける理由は……」

このような構成が可能な理由は“ラブコメにぴったりな女優”コン・ヒョジンのおかげだと言えるかもしれない。彼女は「最高の恋」で、多くの人から嫌われていた人がいかに愛らしいドラマのヒロインになれるのかを見せてくれた。今回「主君の太陽」のテ・コンシルも目の下にクマがあり、ぼさぼさの頭にみすぼらしい格好の人物だが“コン・ヒョジン”という女優が持つ愛らしさは依然として輝いている。

不本意ながら見えるようになった幽霊に悩まされていたところ、チュ・ジュンウォン(ソ・ジソブ)に触れれば幽霊が見えないことに気づいたテ・ゴンシルは、どうしてでもチュ・ジュンウォンのそばにいようとする。その時にやり取りされる二人の台詞には“ラブコメ”らしい軽快さがある。30日の午前、ソウル陽川(ヤンチョン)区木洞(モクトン)SBSで行われた制作発表会でコン・ヒョジンは「脚本家ホン姉妹の特技である独特なキャラクターと愉快な状況設定により作品を選択した」と話を始めた。

「たくさんのシノプシス(ドラマや舞台など作品のあらすじ)を頂きましたが、どうしても似た部分がありました。私は違うことを探してみたいのに、前作を見て似合うと思われるので似たような作品ばかりくださいます。『どうすれば、まったく同じものを職場だけ変えてできるんだろう』と思うものもありました。『主君の太陽』は幽霊が見えて、陰気で孤独な姿が、今まで何があっても明るさを維持してきた私のキャラクターと違うと思いました。今まで演じた中でもっともみっともない姿になっているのではないかと思いますが、皆様を楽しませるためだと思って、温かかく見守っていただければと思います」

しかし、テレビで2本連続ラブコメジャンルを選択することは、コン・ヒョジンにとっては負担にならざるを得ない。これについてコン・ヒョジンは「多少重く、アイデンティティーがはっきりしていて、あまり大衆的ではない映画に連続で出演したので、これを薄めなければと思った」とし「だからテレビではたくさんの方と共感できる作品を選ぼうと思う」と答えた。

そのような面で「主君の太陽」は、今までコン・ヒョジンがテレビで見せた“ラブコメ”の典型を破ることができるか楽しみな作品だ。コン・ヒョジンも「前作も脚本家ホン姉妹の作品だったので、より気をつけている」とし「視聴者にもそのような姿が伝わればと思う」と語った。続いて「主君の太陽」に幽霊が登場することに関しては「監督に『怖すぎると私が視聴者でも見ないと思う』といったりもした」とし、「しかし『主君の太陽』の幽霊は全部わけありで、怖いというよりは気の毒」と答えた。


キム・ユリ&ソ・イングク「主君の太陽」で見逃せない存在

テ・ゴンシルと高校の同級生だったテ・イリョン役はキム・ユリが演じる。時間が流れ、アジア最高のモデルであり歌手に成長するが、どこか気さくなところのある人物だ。制作発表会で公開された映像でもテ・イリョンは地味な格好でカン・ウ(ソ・イングク)と対立し、新しいカップルの誕生を予告した。キム・ユリの前作の「不屈の嫁」や「清潭洞(チョンダムドン)アリス」での“クールで傲慢な女性”から一歩前進した人物だ。

キム・ユリは「前作と実際の性格は違う」とし「『主君の太陽』の姿と似ている部分も、多少誇張された部分もある。傲慢というよりはおおざっぱだと思う」と語った。その言葉に一緒にいたソ・ジソブやコン・ヒョジンも大きな笑いで同感の意を示した。特にコン・ヒョジンは「面白い人。本当に面白い」とし「役割と(実際の姿が)似ていて『もってこいの役割だな』と思った」と語った。続いて「コミカルなのシーンでぱっと変わって演じる姿を見ながら『テ・イリョン役面白そう』と思った」と付け加えた。

「応答せよ1997」のユンジェ役で人気を集めたソ・イングクも「主君の太陽」で一つの軸を担当する。チュ・ジュンウォンが所有するショッピングモールのセキュリティチーム長を務め、テ・ゴンシルとは同じアパートに暮らしており、テ・イリョンとも奇妙な縁で繋がれるなど、ドラマの人物たちのパイプ役を果たす予定だ。

「元軍人らしく、正直で責任感も強いが、その中に優しさがある」とキャラクターを説明したソ・イングクは「ドラマのシーンはとても速やかに撮影されるが、幽霊が登場するシーンはワンシーンでもたくさんの力を注ぐ」とし「それだけドラマでは見られないシーンが多いので、面白いのではないかと思う」と期待を示した。

また現在放送中の「君の声が聞こえる」のイ・ジョンソクに続いてドラマに出演することについて「今一緒に映画『君に泳げ!』を撮影しているが『ジョンソクに感謝することになるかも』と話した」とし、「『君の声が聞こえる』の後に続く作品が『主君の太陽』であるだけに、後押しされるかもしれないと思う」と付け加えた。

「主君の太陽」はお金しか知らないケチなショッピングモールの社長チュ・ジュンウォンが、ある日幽霊が見える陰気な女性テ・ゴンシルに出会い繰り広げるエピソードを描いたドラマだ。「シティーハンター in Seoul」のチン・ヒョク監督と「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」の脚本家ホン姉妹が手を組んだ作品で、ソ・イングク、キム・ユリ、イ・ジェウォン、パク・ヒボンなどが出演する。韓国で8月7日の午後10時から放送がスタートする。

記者 : イ・ジョンミン、イ・ミナ、写真 : イ・ジョンミン