「シークレット・ミッション」イ・ヒョヌ…年上の女性を魅了するイケメンスパイ

OSEN |

写真=パク・ジュンヒョン記者
映画「シークレット・ミッション」(監督:チャン・チョルス)の人気が高い。映画の人気だけに、映画の中の主人公の人気もまたうなぎのぼりだ。いや、主人公たちの魅力が映画を更に面白くしたと言ってもいいほどだ。それだけ「シークレット・ミッション」の3人の俳優は、演技やアクションいずれにおいても自身の役割を十分に果たした。

特にその中でも末っ子のイ・ヒョヌは、カリスマ性のあるキム・スヒョン、反抗的なパク・ギウンとは異なる魅力で女性観客を魅了した。わざとではないだろうが、イ・ヒョヌには見るだけで微笑んでしまう彼ならではの初々しさがある。そして、そのような魅力に女性観客は自身の初恋を、可愛い弟を思い浮かべなから熱狂する。6月中旬、合井(ハプチョン)洞にあるOSENのオフィスで会ったイ・ヒョヌは、自身と映画に向けられるファンの熱い関心に感謝の気持ちを伝えた。

「(映画人気を)自ら感じられるのは、試写会の舞台挨拶です。先輩たちと一緒にいるときに本当にたくさんの方々が応援して下さいました。そこから来るエネルギーがすごいということを感じました。本当に感謝しています」

イ・ヒョヌは、北朝鮮の南派特殊工作5446部隊の3人の最高エリートエージェントが、ソウルのとあるスラムに1ヶ月間派遣され展開される話を描いた「シークレット・ミッション」で、韓国の高校生を装った最年少スパイであるリ・ヘジン役を演じた。映画でリ・ヘジンは、純粋な顔をしているが何度も死にかけ、最年少の組長というタイトルを手にした、それなりの度胸と毒を抱いている人物だ。原作のウェブ漫画と映画「シークレット・ミッション」のキャラクター同士の高いシンクロ率は承知の事実だ。イ・ヒョヌもチャン・チョルス監督の積極的なオファーで、オーディションを経て映画に出演することになった。

「日頃からウェブ漫画の原作を4回も読むほどファンでした。シナリオを頂いてから、とりあえず頑張りますと言うほど嬉しかったです。監督、ありがとうございます」

映画を観て自身の姿に満足するかという質問に彼は、「僕の長所より短所のほうが目に入り、思い残すところがある」と答えた。それでも、今までのイメージとは若干違う姿を見せようという目標は達成したようで良かったとのことだ。

「僕が出演した映画なので、なかなか客観的に見ることができません。リ・ヘジンが出る部分を集中して観てしまい、長所よりは短所のほうを探してしまいます。そこで、満足感よりも残念な気持ちが大きいです。しかし、一つ満足していることは特定のシーンではなく、今回僕が目標にしたことは『従来のイメージとは違う面を見せよう』でしたが、(観客の方々が)もっと男らしくカリスマ性のある姿だと評価して理解してくださったことで、その一つが嬉しいです」

イメージチェンジを狙ったのかと尋ねると、「チェンジといえばチェンジだと思うが、既存のイメージを排除したわけではない」と答えた。ただ、今までの純粋に見えるイメージにカリスマ性を加えることができてよかったとのことだ。映画でキム・スヒョンと披露する、いわゆる“ブロマンス”(ブラザーとロマンスを組み合わせた造語)のシーンについては「誤解されるのではと心配したが、面白いと評価してくださった」と言いながら笑った。

「そのような感じを意図したことは事実です。実は原作ではもっとたくさん表現されています。誤解される読者も多くいましたし。映画では誤解するほどではなく、どの程度なのか適切な線を探してみようと、監督、スタッフとたくさん話し合いながら作られたシーンです。面白いと評価して頂いて嬉しいです。ここまで反応が良いとは思いませんでしたが、そこで驚きました」

キム・スヒョン、パク・ギウンの2人の兄貴ともかなり親しくなった。一緒に舞台挨拶に回る時は、輪ゴムで悪戯したりするほどだったという。

「ギウン先輩もスヒョン先輩も映画で初めてお会いしましたが、最初はよそよそしい部分がありました。それでも一緒に映画を撮り、今は一緒に舞台挨拶に回りながらとても親しくなりました。3人で冗談を言ったりもします。3人が一緒にいるといつも笑いが絶えず落ち着きません。それがむしろエネルギーとなっているとも思います。現場ではソン・ヒョンジュ先輩の北朝鮮の訛りにはまり、3人でその真似に夢中になってそればかりしていました。話もたくさんします。最近は舞台挨拶に回りながら、ありふれた悪戯ではありますが、輪ゴムで遊びます。子供の頃のそういった遊び、ご存知ですよね?」

イ・ヒョヌが初めて俳優の道に足を踏み入れたのは、偶然なきっかけからだ。いわゆる“街頭キャスティング”をされたこと。彼は「運よくここまで来た」と謙遜した姿を見せた。

「12歳の頃、街で名刺を貰いました。それを親に見せたら、その時僕がこの仕事をしたかったわけでもなく、親に勧められたわけでもなく、『そう?それじゃ一度やってみたら?』程度でした。しかし、作品に出演し好評して頂いて演技を始めるようになり、運よくここまで来ました」

その時子役を演じながら、年頃の子役俳優とも親しくなった。現在は同じ事務所の俳優パク・チビンを始め、ノ・ヨンハク、ナム・ジヒョン、パク・ゴンテとは子供の頃から一緒に撮影した経験が多く、今でも仲が良いという。幼少の頃に演技を始め、大人と一緒に仕事をしながら大変だったことはなかったのかと聞くと「むしろ得ることの方が多かった」と大人びた答えが返ってきた。

「実は大変だった部分はとても多かったです。若い歳で一つの職業を担い、責任感と義務感を負い、徹夜しながら夜眠れずスケジュール通りに仕事をする時もありました。確かに厳しい部分は多いです。しかし、得られることと感じられることもたくさんありました。そっちのほうがむしろ大きかったです。ある意味これも一種の社会生活ですが、年頃の人より早く社会に足を踏み入れ、他の友達にできない経験をするわけでしょう?その中で、僕はもちろん何も知らずに始めましたが、どんどん色々なことを感じながら向上心が強くなり、成し遂げることもあり、自然に何かが変わってきたようです」

イ・ヒョヌは記者会見で「生まれ変るのであれば?」という質問に対し「今生まれた家庭で再びイ・ヒョヌとして生まれたい」と答えたことがある。若い俳優にしてはずいぶんと家庭的な答えで、家族への愛情が感じられる部分だった。若い歳にもかかわらず年頃より大人びて逞しい姿が、自ずと生成されたものではないような気がして、どのような家族と一緒に過ごしているかについて尋ねた。

「家族は姉と母、父、そして祖父と僕の5人が一緒に暮らしています。今は亡くなりましたが、祖母と祖父に子供の頃からたくさん可愛がられました。親とも子供の頃から時間があるたびに一緒に旅行にも行ったりしました。僕の両親は友達のような両親で、常に傍にいてくれました。子供の頃を思い返してみると、祖母と僕と姉で手を繋いで遊び場で遊んだことを思い出します」

現在イ・ヒョヌは東国(ドングク)大学演劇映画科を1年1学期まで通い休学している状態だ。学校に通い始めてから演技活動も更に増えたおかげで、大学の友達との思い出をたくさん作れず残念だとしながら「復学したら更に頑張る」と覚悟も伝えた。最後に俳優として自身の抱く夢について質問すると「良い俳優」という素朴な答えが返ってきた。

「イ・ヒョヌという俳優を思い浮かべた時、人々が良い俳優、良い人と感じて欲しい。馴染み深く、誰かにとっては良い兄貴で、弟にもなれる、そういう良い人間になりたいです」

記者 : チョン・ユジン