「殺人漫画」イ・シヨン、感覚的映像の中で輝く“ホラークイーン”

OSEN |

ホラー・スリラーに新鮮な風が吹いた。イ・シヨン、オム・ギジュン主演の「殺人漫画」が感覚的な映像でスクリーンを満たし、従来のホラー映画やスリラージャンルと差別化を図った。

「殺人漫画」が17日午後、ソウル城東(ソンドン)区CGV往十里(ワンシムニ)店で行われたマスコミ向け試写会でついにベールを脱いだ。最近、ウェブトゥーン(ウェブ連載の漫画)を原作にした映画が次々と出てきている中で、同映画は原作の代わりに“ウェブ漫画”というコンテンツそのものを題材にしたことで、制作段階から注目を浴びた。さらに、“国家代表のボクサー”という新しい肩書きまで得たイ・シヨンが久しぶりに出演し、演技派俳優オム・ギジュンが初めてホラー・スリラーに挑戦することでも注目を集めた。

また、2005年に映画「赤い靴」で、すでにホラーに美的魅力を加えるという試みをしたキム・ヨンギュン監督が手掛ける2度目のホラー・スリラーということで、果たしてどんな雰囲気の作品になるのかと関心が高まっていた。

公開された「殺人漫画」は、やはりキム・ヨンギュン監督の感覚的な演出が際立つ作品だ。ウェブトゥーンが実写に、実写がウェブトゥーンにオーバーラップする新鮮さは、これまで他の映画では見たことのない「殺人漫画」だけの最大の強みである。ストーリーや俳優の演技力よりもスクリーンを圧倒する映像と演出、構成の調和に集中させて、観客に妙な興奮を与える。これまで漫画やアニメを映画に取り入れたことはあるが、3Dなど最新のCG技術までも動員し、立体感を生かしたウェブトゥーンが活用された例は今回が初めてのことだ。

制作陣は企画段階から動きのないカットで構成されたウェブトゥーンを、動きの連続である映画にどのように合わしていくかについて熱心に議論したという。結局、ウェブトゥーンの作家を招き、作家がシーンに合う下絵を描くと、そのイメージを絵コンテに起こしてから撮影し、再び作家が撮影した映像を見て最終的にウェブトゥーンのカットを完成させるという方法で制作が行われた。それだけでなくウェブトゥーンに動きを与えるための技術も総動員され、韓国最高のCGチームが投入された。その結果、スクリーンに血が飛び散り、木の葉が舞うようなシーンが演出されるなど、スクリーンの中でウェブトゥーンが生きて動くような感じに仕上った。映画全般に渡り、ウェブトゥーンと実写がオーバーラップするシーンをよく活用しているが、これは「殺人漫画」の恐怖感を高め、映像美を最大化する効果的な装置となった。

このような感覚的な映像の中でイ・シヨンのホラークイーンへの挑戦は成功したと見られる。女優から国家代表のボクサーまで、かなりユニークな変身を図っている彼女は、デビュー後初めての主演作となるスリラー映画で見事な演技を披露する。劇中で、人気ウェブトゥーン作家として連続殺人事件を巡るミステリーの中心にいるカン・ジユンに扮したイ・シヨンは、うまく感情演技をコントロールしてみせた。

信頼できる俳優オム・ギジュンは、謎の連続殺人事件を追跡する捜査1課の刑事イ・ギチョルに扮し、作品全般にかけて緊張感の緩急を調整する老練な姿を見せた。

「殺人漫画」は、人気ウェブトゥーン作家の未公開ウェブ漫画と同じ連続殺人が実際に起きる過程で暴かれる秘密を描いたホラー・スリラー映画で、イ・シヨン、オム・ギジュン、ヒョヌなどが出演する。27日に韓国で封切りとなる。

記者 : ユン・ガイ