「ミナ文房具店」チェ・ガンヒ、人を釣ることが嫌いな“気の狂ったコレクター”

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写真=マイデイリー
「私が一番嫌いなことは“人を釣ること”」

女優チェ・ガンヒは、インタビューの中で彼女の嫌いなことがいわゆる“釣り(ドラマや映画について面白く話して視聴者や観客を引き付けること)”だと明らかにした。そのためか、自分が出演した映画「ミナ文房具店」(監督:チョン・イクファン)について話す時も、何かを加えたり省いたりせず、自らが感じた率直な思いを伝えた。このような姿は、チェ・ガンヒという女優が持つ正直な魅力と相まって、映画に対する信頼を高めた。

チェ・ガンヒは、「インタビューをすればするほど面白いように伝えられるが、期待を高めたくはない。それについて説明したいが、仮編集されたものだけ見て、まだ完成した映画を見れていない」と残念そうに語った。

しかし公開された予告編だけを見ると、笑いがいっぱいで心温まる映画になっているようだ。映画関係者たちの話によれば、20~30代の女性客が共感するに値する内容もたくさん詰まっているという。

チェ・ガンヒは、「シナリオを読んだ時は感じることができなかったが、仮編集を見たら子供たちの役割が大きかった。内容で満たされることができない部分が見えた」と明らかにした。

また、子供たちと一緒に過ごさなければならなかった小学校教師チェ・ガンホ役のポン・テギュに対する思いも伝えた。数人の子供たちと一日中一緒に過ごすことも容易いことではないのに、基本的に数十人の子供たちと一緒に演技する時が多かったからだ。「私のキャラクターはまだ大丈夫だったが、テギュさんが大変だったはず」と言いながら、子供たちを頭ごなしに叱りつける役柄だった彼女とは異なり、子供たちと仲良く過ごさなければならなかったポン・テギュに対して心配する気持ちを仄めかした。

しかし、ポン・テギュが子供たちとシルム(韓国相撲)をしている時、チェ・ガンヒも孤軍奮闘しなければならなかった。カッとなるのが日常茶飯事のミナは、実際の自分とは全く正反対のキャラクターであったためだ。

チェ・ガンヒは、「私が持っているキャラクターではなかったから、それがちょっと大変だった。インタビューをして、ミナが比較的よく怒るキャラクターだと説明しているのに、実際の私はあまり怒らない。腹を立てるには、基本的に80%くらいまで胸に納めておいて、残り20%に達していくにつれて“カッ”と腹を立てなければならない。でも、それを掴むのが大変だった。だから、混雑する地下鉄の中をずっと思い浮かべていたんだと思う。ソウル市内とか。私は暑いと頭にくるから、人がとても多い状況などを思い浮かべた。ずっと腹を立てようとするのがとても大変だった」と振り返った。

またチェ・ガンヒは自身の大きな長所の一つである、どんなキャラクターでも“チェ・ガンヒ式の演技”に見えるようにする、典型的ではなくチェ・ガンヒだけが見せられる演技をする能力についても照れくさがる姿を見せた。彼女ならではの特別な能力について述べると、チェ・ガンヒは「長続きしたら嬉しい」と謙遜した。

チェ・ガンヒは、「私が見えるように演技すること」と言いながら、「特別に何かをしたことはないと思うが、そう演じたらそのように見える作品を上手く選んだのではないか」と説明した。

続けて「観客が信頼してくれたから、彼らをがっかりさせてはいけないというプレッシャーがある。だがそれは負担ではない。『チェ・ガンヒのような人が好きな作品』を選択すると、観客たちは釣られないだろうなと思う」と付け加えた。

このようにチェ・ガンヒならではの演技を披露するには、彼女を取り囲む特別な人々が大きな役割を果たしている。“気の狂ったコレクター”というニックネームを持っているチェ・ガンヒの周辺に個性が強い人々がいるからだ。チェ・ガンヒ一個人ではなく、女優チェ・ガンヒの姿のみを知っていても、“チェ・ガンヒの友達=独特な人”だということは、納得できる。

チェ・ガンヒは、「友達がみんな個性的だ。私は個性的な人が好きみたいだ。他人が変わっているからと嫌がる人も、長所があればその人に完全にハマる。夢も想像できることだけ夢見るというが、演技をする時や解釈する時、私の周辺にいる人々を入れ込むから、私が演じるキャラクターが少し変わっているようだ。初めにそんな人々を愛しく思い、またそうやって真似してしまうようだ」と語った。

観客たちを釣ることが嫌いだと語ったチェ・ガンヒは、自分が感じたとおりに率直な思いを込めて「ミナ文房具店」を広報することも忘れなかった。

彼女は、「心の余裕が必要な方々、自分自身に対して今あまり良くないと思っている方々も多いのではないだろうか。子供たちを見ながら、真似したいとよく思った。先入観がなくて、機嫌を伺うこともない。素直だ。真似したいと思って、たくさん観察した。子供のように暮らすと幸せだろうと思う。少し無垢の心に戻った気持ちを感じたい観客がいたら、程よく感じて程よく好んでくれたら嬉しい」という願いを伝えた。

チェ・ガンヒが出演した映画「ミナ文房具店」は、やり手の公務員ミナ(チェ・ガンヒ)が、強制的に引き取るようになった悩みの種である文房具店を処分しようとしたが、小学生の常連客から思いもよらなかった激しい抵抗を受けながら起こるエピソードを盛り込んだ作品だ。韓国で5月16日に封切られる。

記者 : キム・ミリ