「オフィスの女王」桜の木の下で描かれる“安定感のあるストーリー”

10asia |


ストーリー

KBS 2TV「オフィスの女王」第4話 夜10時放送
カンジャンケジャン(カニを醤油につけた韓国料理)ショーを手伝ってくれたミス・キム(キム・ヘス)に感謝の気持ちを伝えに行ったチャン・ギュジク(オ・ジホ)は、本当の気持ちを誤解され、殴らる事態にまでなり、彼女への怒りの感情が大きくなった。一方、徹夜で作業した企画案を正社員の上司に奪われたことで悔しいにもかかわらず、チャン・ギュジクから怒られたチョン・ジュリ(チョン・ユミ)。その時、チョン・ジュリの味方になったミス・キムはチャン・ギュジクと再び喧嘩し始め、派遣社員と正社員の対決にまで発展する。結局、チャン・ギュジクが勝つが、ミス・キムがわざと負けてくれたことをチャン・ギュジクは気付いていた。

レビュー

本格的に恋愛に始動がかかった。ミス・キムへの微妙な気持ちに気付き始めたム・ジョンハン(イ・ヒジュン)チーム長から始まったこのドラマは、毎日喧嘩の絶えなかったミス・キムから突然“女性”を感じたチャン・ギュジクが、彼女の唇を奪うシーンで第9話を締めくくった。優しい男性は、常に一歩遅れるという、お馴染みの恋物語の役割も果たしている。(ム・ジョンハンチーム長がその瞬間を目撃してしまう) しかし、彼らにどんな感情の過程があったのか、振り返って考えてみると、疑問を感じる。視聴者に内緒でキャラクター同士愛を育ませてきたようだ。ある日突然、湧き出た感情を私たちは茫然と見守るしかない。あの人はいつからヒロインのことが好きになったんだろうと。

前回、ム・ジョンハンチーム長がミス・キムの手を握って「僕たちの関係って、何でしょう」と話した時、私は「これはどういうことだろう?」と驚くしかなかった。ム・ジョンハンチーム長がミス・キムに恋愛感情を抱いた、前後の事情がさっぱり分からなかった。同じく今日チャン・ギュジクがミス・キムの唇に近寄った時も、一体この状況をどのようにして恋愛感情として理解すればいいのかと考えたら、ドラマに集中することができなかった。どうも桜のロマンチック攻撃と目の前の美貌が瞬間的に化学作用を起こして、血気盛んな独身男性をこれ以上我慢できないようにさせたのではないのだろうかと思ったが、今日このシーンでの演出は、そういう感じよりは真面目に気持ちを準備した男性が愛する女性に慎重に近づいていく絵で描かれていた。これまで展開されたチャン・ギュジクの物語と桜のシーンでの感情を繋いでみると、突飛な感情はさらに明らかである。

ドラマとは様々な感情が詰め込まれた物語である。一度スタートを切ると、ある瞬間、見慣れた人物と感情がドラマを引っ張って行くこともあるが、最初から理解できない感情は、結局砂上の楼閣となりドラマを危うくする。今後「オフィスの女王」独自の安定感のあるストーリーで、素晴らしい一面を見せてほしい。久しぶりに見る、明るく温かい気持ちにさせてくれるラブコメディ特有の味が染み出るように。

仲間たちとおしゃべりするポイント

―万能ミス・キム!その熟練した手つきでお肉の手入れをして、冷たいタンバリンに熱い魂と情熱を吹き込んだミス・キム。歴代級のタンバリンダンスは、マチュピチュで覚えたんですか。そこにはインターネット講義はないのですか。
―お肉の手入れの手当が20で、タンバリンダンスの手当が40なのに……昨日カンジャンケジャンショーで最後までパニック状態になっていた人たちが、どうやってこのような豪華な飲み会ができたのでしょうか(但し、キムさんのダンスは立派な芸術だったので、その価値に対しては100%認める!)
―ム・ジョンハンチーム長、徹夜して作った企画案を不良正社員に奪われ落胆したチョン・ジュリに遅くなったけど一緒に行っていいと提案しますが、それはチョン・ジュリさんにとって拷問です。不条理な現実の前で、なんの力もない彼らにはフェアプレーが法律である世界だけが解決策です。
―会社は休むために来るところではないときっぱり言うミス・キムお姉さん。一体何の事情があって、こんな残酷なセリフを言うのでしょうか。仕事だけして、まったく休まない“スーパー派遣社員”であるミス・キムお姉さんが、業界の良いお手本になったら、この国の労働者の人権と福祉はどこに訴えればいいのでしょうか。あ、だから雇い主がミス・キムのことをこんなに気に入ってるんですね。
―桜エンディングはこのように時代を超えて認められる名作になっていくんですね。

記者 : ミツバチ(テレビレビューアー)、翻訳 : チェ・ユンジョン