【アルバムレビュー】SHINee「Dream Girl」SM史上最高の作品

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写真=SMエンターテインメント

SHINeeのニューアルバム、サウンドとパフォーマンスを含めSM史上最高の作品

“少年から男性へ”という言葉ほど、お決まりの表現があるだろうか。それでもこればかりは言わないわけにはいかない。サウンドはよりたくましくなり、パフォーマンスはさらに鋭くなった。SHINeeは依然として軽快だが、明らかにそのたくましさと鋭さを持って自分たちの男らしさを迂回的に証明している。

SHINeeのどこが男らしいかと聞き返す男性読者がいるかも知れない。男性性は、単純に筋肉と腕力で縮約できないほど複合的だ。的確に話すと、男性性そのものが複雑と言うよりは、男らしさを解釈する女性の心理が、男性性を複雑にしている。女性が再解釈した男性性の視覚から見れば、SHINeeの男らしさは少年の微妙な成長と成熟から出てくる。

これは、自分がすでに大人になったと信じている少女が、肉体的に次第にたくましくなっていく少年を見る時に感じる妙な男性性と通じるところがある。同時にSHINeeには、少女の同年代の男子からは醸し出せない、非現実的な上品さが伴っている。その複雑な男性性が、曲が流れている間ずっとニューアルバムを支配している。少年の鋭さが、どっしりとした筋肉質のイメージを制圧しているのだ。鋭利で繊細なコンセプトの勝利とも言える。

前作より強くなったニューアルバムのサウンドは、こういった男性性の柱となっている。ビートは重くなり、その上にのったシンセイザーが破壊力を加えている。シーケンシングされた音源とメロディーはトレンドに従っているが、その中に含まれているビートとシンセイザーの展開は、ニューウェーブとファンキーの方程式に従っている。しかし、編曲は「Sherlock」よりもはるかにドラマチックだ。

ジャスティン・ビーバーのヒット曲「One Less Lonely Girl」で名声を得たシン・ヒョクが作曲したタイトル曲は、特に際立っている。導入部を圧倒するスラップ奏法のベースと、耳を満たす細かく割ったギターのストロークは、導入部から聞き手を制する。「Spoiler」と「Dynamite」でのストレートなビートでは、Roller Coaster出身の作曲家ヒッチハイカーのスタイルが垣間見える。強いビートにシンセイザーだけで作り出したファンキーなサウンドは、彼のジャズバンドの経歴が事新しいほど爆発的だ。

それより嬉しいのは、多数の作曲家がアルバム製作に参加しているにもかかわらず、感性の乖離がまったく感じられないところにある。シン・ヒョクとThomas Troelsenの曲が、一つの脈拍の中でまったくぶつからない。韓国の作曲家と海外の作曲家の曲が不協和音を奏でていたアルバム「Sherlock」を思い浮かべてみれば、今回のアルバムは浮いた曲は一つもなく、シームレスで堅固だ。

このアルバムで唯一惜しいところは、極端に大きくなったマスターボリュームだ。ビートの重い質感を活かすための意図のように受け取れるが、短時間に曲への集中力を上げるには有効的でも、9曲が収録されているアルバム1枚を通して聞くには耳が疲れる。曲の途中で耳が休まるように、ブリッジトラックを挿入するセンスがあったらと惜しい気がする。もちろん、アルバムの価値を損なわせるほどの欠点ではない。

あれこれ言っても、SHINeeのニューアルバムはサウンドとパフォーマンスを含め、SM史上最高の作品として評価するに値する。単純にアルバムの完成度と構成の緻密さを超え、冷やかしの対象だった“SM風の音楽”から完全に脱したと言えるほど、このアルバムはこれまでの常套的な方程式から完全に離れている。

看板作曲家のユ・ヨンジンとケンジの一方的な影響力から逃れ、多作体制構築という新しい革新が生み出した結果だ。これにより、「Sherlock」をSHINeeの完成形と規定していたこれまでの評価も、ある程度修正が避けられないだろう。完成型の「Sherlock」を出しておきながら、それよりもさらに完成度の高い「Dream Girl」を出したことで、それ以降の完成形を改めて期待してみるのは、楽曲を消費する立場からは行き過ぎた欲なのだろうか。

記者 : パク・ジョンウォン