【ドラマレビュー】「ゆれながら咲く花」ラストシーン、オ・ジョンホは来なかったが“終礼は終わっていなかった”

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写真=KBS

KBS 2TV 「ゆれながら咲く花」スンリ高校2年2組が伝えたメッセージ

めまぐるしかった高校2年が終わった。担任の先生が2人でもカバーしきれないほど、トラブルが絶えなかったスンリ高校2年2組がいつの間にか最後の終礼を迎えた。

28日に韓国で放送されたKBS 2TVの「ゆれながら咲く花」最終回は冬休みが始まるシーンで幕を閉じた。空っぽの教室でチョン・インジェ(チャン・ナラ)とカン・セチャン(チェ・ダニエル)、二人の先生は「学校をやめる」と言って姿を消したオ・ジョンホ(クァク・ジョンウク)を待つ。この日の終礼が終わるまでに出席すると3年生になれるのに、結局教室に入ってくるオ・ジョンホを見ることはできなかった。しかし重要なのはまだ終礼が終わってないこと、そして彼を待つ先生たちがいることである。

当初「ゆれながら咲く花」の方向性はスンリ高校最大の問題児だったオ・ジョンホの更生でもなく、校内暴力の加害者でもある彼を処罰することでもなかった。他のドラマでよく見かけるような勧善懲悪の結末やハッピーエンドですべての問題を適当に片付けられない理由は、このドラマが“学校”を題材にしているためである。多くの人が経験してきて、経験しているこの小さな社会は世代を超えても解決しにくい難しい悩みを抱えている。ドラマ一作品で学校や世の中を変えることはできない。

だから「ゆれながら咲く花」はその代わりに「揺れずに咲く花がどこにあろうか」という詩で生徒たちの“成長痛”を理解し認める。生徒たちが自ら手を離すことがあっても、絶対その手を離さないというチョン・インジェとカン・セチャンの思いは、少なくともオ・ジョンホが学校に戻るだろうと期待させる。


「ゆれながら咲く花」になかった“アイドル”“主人公”“幻想”

生徒たちのストーリーがゴールデンタイムのお茶の間で話題になるとは誰も期待していなかった。「ゆれながら咲く花」が放送される前に、既に学園ドラマ「花ざかりの君たちへ」が夏休みシーズンで放送されたのにもかかわらず、まったく人気を集めず5%前後の視聴率の低迷に悩まされていた。しかし「ゆれながら咲く花」の生徒らは“時代劇の巨匠”イ・ビョンフン監督の「馬医」という強い裏番組を相手に15%前後の視聴率を獲得したのである。

このような人気の秘訣は「ゆれながら咲く花」が青少年ドラマの領域にとどまってなかったことにある。まず10代の視聴者にアピールするためのアイドルのキャスティングや、ありきたりな恋愛要素さえなかったことがかえって同作を目立たせた。ドラマにアイドルをキャスティングすることが頻繁になっている中、10代が主人公の作品であれば、なおさらアイドルだらけになりがちだったが、制作陣は最初から演技力にこだわった。

また一人だけを追うストーリーではないため、主人公もなかった。コ・ナムスン(イ・ジョンソク)とパク・フンス(キム・ウビン)の友情の話もあれば、成績に苦しみ、友達のことで悩む生徒一人一人のストーリーに耳を傾けた。様々な生徒たちの悩みを慰めていたお陰で、議論がより広がることになった。さらにクァク・ジョンウク、イ・イギョン、イ・ジフン、チェ・チャンヨプ、ナム・ギョンミン、チョン・スジンなど新人役者たちは、お茶の間に顔を知らせることができた。

ストーリーの焦点が生徒たちだけではなく先生たちにも当てられた。最初は学校を“生徒たちは隠して、大人たちは知らないところ”と定義してスタートしたが、お互いの立場になって悩んでその距離を縮めようと努力した点は、これまでの「学校」シリーズと異なるアプローチだった。さらにやっと自分の居場所を見つけたナムスンとフンスが揺れる他の生徒たちの手を握ってくれたのは感動的な変化だった。

チョン・インジェのような先生が、コ・ナムスンのような不良生徒がどこにいるか、と文句を言う人もいるだろう。しかし先生の負担や学校の限界を認めたことから「ゆれながら咲く花」は、十分幻想を取り除いた現実的なドラマだった。「少しでももっと関心を持てば、もっと良くなるはず」という“信念”は“ロマン”とは違う。ただ束縛するのではなく、「学校に来れなくても食事は抜かないでほしい」という先生の心配が2013年に学校が伝える教えである。

「ゆれながら咲く花」は学校内の様々な問題について議論できる場を設けたドラマであるだけに、29日には役者と視聴者間で話し合う特集放送「学校へ行こう」が組まれた。ドラマの領域を超え現実で学校の悩みを一緒に解決していきたいという、趣旨に最も相応しい“エンディング”である。

記者 : イ・ヒョンジン