「野王」「百年の遺産」「会いたい」など…ドラマのヒロインはいじめられるべきなのか?

OSEN |

最近の本、テレビ番組、映画などを問わず、“ヒーリング”をテーマにしたコンテンツがたくさんの人の心を引き付けている。だが、テレビドラマだけはそのような文化的流れから外されているように思う。ドラマのヒロインは“ヒーリング”とは程遠い状況に置かれているからだ。

放送前からたくさんの人々の関心を受けたSBS新月火ドラマ「野王」が、14日に韓国で放送をスタートさせた。R-19の漫画を原作とする同ドラマは、原作よりは刺激的な部分を和らげたとはいえ、依然として刺激的だ。第1話から視聴者の視線を引き付けるため、同ドラマは義父に虐待されるヒロイン、チュ・ダヘ(スエ)を登場させる。

チュ・ダヘは幼い頃から義父のセクハラと暴力に苦しめられてきた。義父から逃げるために家を出なければならなかった彼女は、生活費を稼ぐため自らキャバクラに足を運んだ。その後チュ・ダヘはハリュ(クォン・サンウ)によって救われるが、ハリュがいない間に自分を追いかけてきた義父と出会ってしまう。チュ・ダヘは突然の登場した義父から逃げたが、結局はナイフで彼を殺してしまう。

厳しい人生を強いられたヒロインは週末ドラマにも存在する。5日に放送を開始したMBC「百年の遺産」のミン・チェウォン(ユジン)がその主人公だ。昨年放送されたKBS 2TVの週末ドラマ「棚ぼたのあなた」がシーワールド(夫の実家)という可愛い新造語を作ったことに対し、「百年の遺産」はシーワールドをホラー映画に登場する凄まじい場所に変えた。また、ミン・チェウォンは韓国のドラマ史上最悪の姑に出会ったと言われている。

パン・ヨンジャ(パク・ウォンスク)は、嫁に息子を奪われたと思っている姑だ。彼女は嫁を虐待することにとどまらず精神病院に入院させ、その結果嫁は記憶を失うことになる。また、パン・ヨンジャはキウイフルーツアレルギーのあるミン・チェウォンにキウイフルーツジュースを飲ませたり、偶然ミン・チェウォンを助けることになったイ・セユン(イ・ジョンジン)と不倫関係に仕立てるため、あらゆる計略を企てる。

最終回に向かって盛り上がっているMBC水木ドラマ「会いたい」は、ヒロインを性暴力の被害者に設定したことで議論になった。特に話題になったのは、ヒロインのイ・スヨン(ユン・ウネ)の幼い頃を演じた子役のキム・ソヒョンが登場し、地上波ドラマとしてはわりと苛虐なシーンが演出されたことだ。

劇中で幼いイ・スヨンは、父親が殺人犯だという理由で大人たちから後ろ指を指され、同じクラスの友達にはいじめられる。母親は彼女を愛しているが、優しい人ではない。イ・スヨンが頼るところはどこにもない。さらに、唯一の友達であるハン・ジョンウ(子役:ヨ・ジング/成人役:JYJ ユチョン)と関わることで拉致と性暴力を受けることになり、チョン・へミ(キム・ソンギョン)は辛うじて裸足で逃げた彼女を車ではねようとする。

このようにヒロインを巡る刺激的な内容で構成されたドラマを懸念する声が強い。ネットユーザーの間では「そこまでしなければならなかったのだろうか?」という意見が大半を占めている。視聴者の興味をそそることと、行き過ぎた刺激の中でバランスを崩さないよう努力すべき時だ。

記者 : パク・ジョンソン