私たちが知らなかったチャン・ユンジュ…見ないで聞こう「I'm Fine」

OhmyStar |


2ndフルアルバムを持って帰ってきたチャン・ユンジュ

無数のスポットライトを浴びてきた彼女でも照れていた。それもそのはずで、自分の本音を伝える場であるだけに特別だったのだ。このタイミングで覚えておこう。チャン・ユンジュといえば、私たちはファッションとウォーキングを思い浮かべるが、実は彼女はピアノを弾き、楽曲を作って自分を物語る“シンガーソングライター”でもあるということを。

三姉妹の末っ子として生まれた彼女が、モデルより親しんできたのが音楽だった。ピアノを専攻する実の姉の影響で小学校6年の頃から弾いてきたピアノは「いつか大きくなったら音楽をやるようになる」という小さな確信を持たせるきっかけになった。大統領、体操選手、警察、バレリーナなど、なりたいものが多かったこの幼い少女は、いつの間にか自分の感性を率直に伝えようとするモデル兼アーティストになっていた。

より自信がついた。ようやく一度聞いてみてと言えるようになった

ソウル清潭洞(チョンダムドン)のあるレストランでチャン・ユンジュに会った。ファッションショーでも、「挑戦!スーパーモデルKOREA」番組関連のイベントでもなかった。彼女は4年ぶりに新しいアルバムを、それもデジタルシングルではなくフルアルバムに自分が作詞、演奏した10曲をぎっしり詰め込んで帰ってきたのだ。

「最初のアルバムをリリースした時はシンガーソングライターと言われることになぜか恥ずかしさがありました。相手に偏見を持って見られているのではないかと、自分でも気が楽ではなかったんです。でも今は自信を持って堂々と話したいです。アルバムのリリースにどうして4年もかかったのかというと、2008年以降は様々な公演を行い、それと共にますます音楽を理解したいと思うようになりました。活動しながら傷ついたことも多かったですし、大変なこともありました。2枚目のアルバムを出せるだろうか、出すべきなのだろうか、と考えていましたが、2年前ある音楽フェスティバルのステージに立って、その時にアルバムを作ろうと思うようになりました。4年間いろんな仕事もしてきましたし、『挑戦!スーパーモデルKOREA』や『無限に挑戦』のような番組で新しい姿をお見せしましたが、自分の感性を率直に伝えたいという考えはずっと持っていました」

誰でも、音楽に関わる作業に骨を削るような苦痛を感じることがあるかも知れないが、チャン・ユンジュにとっては消耗した日常を満たし、感性を注ぐ良き受け皿だった。音楽に対するほんの少しの自信が付いた理由も、以前より自分に正直になり、それだけ準備も徹底できたからだ。プロデューサーがいなかった前作と違い、今回のアルバム「I'm Fine」はPUDDITORIUM(キム・ジョンボム)がプロデューサーを努め、シンガーのナオルが一部ディレクティングを手がけている。

「プロデューサーがいなかった前回のアルバムでは録音期間も長かったですし、それだけ難しかったんです。2枚目のアルバムを作る時は、是非プロデューサーに任せようと思っていました。一緒に作業しながら、任せる部分は徹底して任せたいと思いました。キム・ジョンボムさんは以前ラジオ番組で会ったことがあり、この人なら自分の感性をうまく導き出してくれそうな気がしました。昨年の冬に釜山(プサン)に行って音楽について話し合ったんです。アルバム制作の作業に入る前の8ヶ月間、本当に多くのことを話し合いました。それで今年7月から録音に入りました」


一人にだけは本音を知ってもらいたい気持ち。一人の女、チャン・ユンジュを込めた

チャン・ユンジュはアルバムにより率直な自分の内面を盛り込んだと話してくれた。そこには、全ての人に彼女の本当の姿を知ってもらいたいと言うよりは、一人にだけ分かってほしい気持ち、つまりその人にとっては女性であり、自然体の人間でありたいというチャン・ユンジュの願いが込められている。「古い歌」「The Field」「朝が来たら」などの曲には、静かながらも誰より切ない彼女の気持ちが溶け込んでいる。

彼女を特別扱いしないでおこう。もちろん彼女には容易には近づけないモデルとしてのオーラと女性としての魅力がある。しかし同時にチャン・ユンジュは、心を交わして日常を大切な人たちと分かち合いたいという普遍的な感性を持っている自然人でもあるのだ。

「私のことを平凡には見ていない視線がありますよね。皆にそう見られることはできなくても、あなたにだけはこんな風に見て欲しい、という気持ちです。平凡さを強いているわけではありません。でも、手紙を書く気持ちで歌を込めました。これで駄目ならどうすることもできませんが、真剣にこのアルバムを聞いてくださるなら、私の気持ちが伝えられるのではないでしょうか」

ステージとは違い、日常では誰よりも気さくなのがチャン・ユンジュだ。一人で公園を歩き、キムチの浅漬とテンジャンチゲが好きで、教会の友達とおしゃべりするのが好きな、自然人チャン・ユンジュなのだ。


本当に心から望んでいるならば挑戦しましょう

モデル、TV番組、ラジオパーソナリティー、そして作曲に歌まで。チャン・ユンジュが関わってきた分野を並べて見れば、多様であることがわかる。人によっては一つでも重荷に感じられるかもしれない仕事を、彼女は楽しみながらこなしている。「この全てが一つのことに通じて繋がっていると思う」と言うチャン・ユンジュの答えを思い浮かべてみよう。彼女にとっては自然な流れなのかも知れない。

「『あなたの次の挑戦は何ですか?』という質問を良く受けるんです。音楽もTVも全部一つの表現の手段だと思います。だから次の挑戦と聞かれれば、これといって決めていることはないと答えます。たぶん、遠い未来の挑戦は結婚になるのではないでしょうか(笑) 演技についての質問もありますが、『無限に挑戦』で少しお見せした演技、あれ私なりにはよくできたと思いましたが違うようです(笑) もちろん自分でなければできない役があったら、どうなるかは知りませんが」

新しいことを始めるということに関してはチャン・ユンジュは開かれた心を持っているが、同時に率直さを強調した。「本当にそれやりたい?」という問いは、自分にも投げかけ、モデルや芸能活動を夢見る後輩たちにも投げかけている。

「結局は精神力であり気持ちなんだと思います。モデルをしたい人にも本当にやりたいかを聞きます。自分が本当にやりたいのなら、やるのが正解だと思います。その中心軸が揺れてしまうと見る人もやる人も不幸です。何がやりたいのかを自分でも知らない人が多いですが、気持ちに確信があるのなら、どんなことでも始めるのが正解だと思います」

記者 : イ・ソンピル、写真 : ESTEEM