誰が「無限に挑戦」と「SUPER7コンサート」を台無しにしたのか?

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「SUPER7コンサート」、写真提供=Leessangカンパニー

◆「無限に挑戦」は果たして「SUPER7コンサート」で稼ごうとしたのか?

多くの視聴者から批判の声が寄せられ、「SUPER7コンサート」とMBCバラエティ番組「無限に挑戦」が揺らいでいる。コンサートの予告映像が公開された当時は期待が高まった。しかしチケットの値段が公開されると、コンサートはキャンセルになり男性デュオLeessang(リッサン)は出演中のバラエティ番組を降板すると発表し、視聴者に衝撃を与えた。これは「SUPER7コンサート」の企画からLeessangの降板まで、小さな綻びが大きな亀裂になってしまった残念なことであった。

◆果たしてチケットは高いだろうか?

「SUPER7コンサート」のチケットはそもそもスタンディング席であるVIP席が13万2000ウォン(約9,212円)であった。これは基準に基づいて高価とも、適当な価格とも言える。他のアーティストの公演と比較しながら「SUPER7コンサート」のチケット価格が高いまたは適当だと主張する人が多いが、単にアーティストの“ネームバリュー”だけでチケット価格の基準を決めるのは単純なアプローチである。

特に一部では海外の有名なアーティストの公演チケットは10万ウォン台(約6,000円台)を超えると主張しているが、これは文化事大主義の考え方である。海外のアーティストの出演料が韓国のアーティストより高いかもしれない。しかしそれより公演の“クオリティ”でチケット価格を議論するのが正しいと言える。

海外の有名なアーティストの公演だからといって、必ずしも最高の公演システムを備えているわけではない。むしろ海外の有名なアーティストの公演が、自国の公演の水準に満たさないシステムで行われる場合もある。韓国のアーティストもどうやって準備し、どの装備を備えるかなどによって、海外のアーティストより“クオリティ”の高い公演が開催できる。単に“ネームバリュー”による出演料だけで海外のアーティストより韓国のアーティストの公演のチケットが高いのは許されないと主張するのは、韓国の文化水準を引き下げるような考え方である。

また「SUPER7コンサート」は既存の公演では見られない形式であるため、他のアーティストの公演と比較するのも無理がある。つまり「SUPER7コンサート」のチケット価格の妥当性は公演の“クオリティ”という観点で議論されるべきであった。さらに公演が開催された後、チケット価格に比べて公演の内容が良くなかったときに批判すべきであった。

Leessangカンパニーの判断ミスも問題だった。チケット価格に批判の声が高まると、VIP席を無くし、チケット価格を最大9万9000ウォン(約6,909円)に調整したものの、一日で同じ席のチケット価格があまりにも安くなったために多くの人は「もっとチケット価格が安かったのではないか」という疑問を抱くようになったのである。ファンのために決定したことだが、結果的にはさらに批判されることになってしまったのである。

そしてLeessangのメンバーであるキルが述べたように「SUPER7コンサート」はその収益金を社会に還元する計画だったという。だったら、チケット価格が議論された当時にこのことを大衆に明確に明かす必要があった。「無限に挑戦」のメンバーたちがこれまで秘密裏に善行に参加したように、今回も秘密裏に行い、後になって人々に明かそうとしたと見られるが、誤解を解く唯一の方法でもあった。多くの人は「無限に挑戦」がこれまでとは異なり、チケットを売ることを批判した。だが、チケットを買うことで善行に参加できるということを知っていたなら、積極的にチケットを買おうとしたかもしれない。

◆なぜ「無限に挑戦」の放送時間と公演時間が重なるのか?

これはとんでもない主張である。平日でもなく土曜日と日曜日の午後6時に公演を開催すると決めたのは、観客の参加と帰宅時間などを考慮した場合、もっとも最適な時間帯であったからだ。これを「『無限に挑戦』殺しだ」と主張するのは説得力がない。仮に「無限に挑戦」のメンバーたちとLeessangカンパニーが「SUPER7コンサート」の収益を狙ったとしても、一過性イベントの収益のために自分たちが出演している「無限に挑戦」に害を及ぼすようなことをしたとはとても思えない。

MBC「無限に挑戦」写真提供=MBC

◆Leessangのキルとケリ、「無限に挑戦」「ランニングマン」の降板は?

Leessangのキルとケリのバラエティ番組の降板は「SUPER7コンサート」のキャンセルの責任を取るために決めたことだと見られる。MBC「無限に挑戦」とSBS「ランニングマン」のファンにとっては最悪の結果だが、Leessangにとってはベストな選択だったはずだ。「SUPER7コンサート」騒動の批判の矢がLeessangカンパニーに向けられている状況で、彼らも何気なく番組に出演するのは難しかったはず。「SUPER7コンサート」のキャンセルの責任は誰にあるのかをめぐって、ひっきりなしに議論される恐れがあるからである。

そのため番組の降板を決定したのだが、予想外の決定に多くの視聴者も驚いている。「無限に挑戦」と「ランニングマン」もレギュラー出演者の降板によるダメージも大きいと予想される。ただ「コンサートまでキャンセルしたのに、降板までする必要があるのか?」という擁護論とともに、降板を要求する声も高まっており、状況が変わる可能性もある。

◆期待の違い

結果的に今回の騒動は「SUPER7コンサート」への期待の違いから始まったことである。「無限に挑戦」のメンバーたちとLeessangカンパニーは放送とは違うクオリティの高い公演をファンに披露することを期待していた。しかし「無限に挑戦」のファンたちは公演のクオリティよりもこれまでのように誰もが楽しめる公演を期待していたのである。しかしこの期待の違いを察知できず、「無限に挑戦」のメンバーたち、Leessangカンパニー、ファンたち皆が傷つくようなことが起こってしまった。

記者 : イ・スンロク