BEAST“変化のタイミングを知る賢明なグループ”

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1年2ヶ月ぶりに帰ってきたBEASTは、カムバックステージでパワフルな歌唱力を披露した。長い間準備してきただけに、彼らの息の合ったパフォーマンスと新しく変身した姿はステージを支配した。

変化のタイミングを知る賢明なアイドル

男性美あふれるパフォーマンスと感性的なボーカルが魅力的だったBEASTが、1年2ヶ月ぶりに活動を再開した。スタイルはよりカラフルになり、ステージを楽しむ姿はより自由に見えた。しかし抜群の歌唱力だけは変わっていなかった。

「正直、変化への恐れがなかったわけではない。また、前よりも悪い成績になる可能性もあると思った。でも、変化は必要だった。僕たちの変化への満足度は300%程度だと思う。変わるということに対して恐怖より楽しさを感じた。僕たちの変化に後悔はない」(ユン・ドゥジュン)と自信を示した。

ヨン・ジュンヒョンも「高い関心が寄せられていたのでプレッシャーがなかったわけではないが、準備期間中ずっと楽しかった。ファンに会うというときめき感、期待、そして待ち続けてきただけにステージで感じられる反応も良くて、楽しく活動している」と付け加えた。それ以外にもBEASTは、今回のアルバムでそれぞれのポジションを変えながら既存の領域を破壊する姿を見せた。

「もちろん、メンバーそれぞれのポジショニングは明確になっているが、他のことが出来ないわけではない。ヤン・ヨソプが本当にダンスが駄目だったら今回のアルバムでソロダンスも出来なかったはずだし、僕が本当に音痴だったらステージで『PARADISE』を歌うこともなかったと思う。それぞれ違うポジションを担当しているが、誰でも別のポジションに挑戦できると思う」(ヨン・ジュンヒョン)

「自分の領域を超えて音楽的に成長したというよりは、もともと出来ることにトライしただけだ。だから僕たちの立場からすると、やっと人々に僕たちの全てを見せれたような気がする」(イ・ギグァン)

悪い男への変化

音楽のカラーが変わったことによって、歌のテーマも自然に変わった。今までが、女にフラれてすがりつく哀れな男の話を歌に込めてきたものだとするなら、今回のアルバムでは“遊び好きの悪い男”へと変身している。ヤン・ヨソプは「心境の変化というより音楽のカラーが変わって歌のテーマも多様になった」と説明した。

特に作詞、作曲までをこなし、シンガーソングライターとして活躍しているヨン・ジュンヒョンの「君が休む日」は、彼女が休む日に不安を感じる男の気持ちを盛り込んだ歌詞で、ポータルサイトのリアルタイム検索語にまでなり話題を集めた。これに対しヨン・ジュンヒョンは「女性に執着するタイプではない。ただ、そういった感じの内容が個人的には感情を伝えやすい。作曲する兄さんたちもそれぞれ作りやすいテーマがあると言ったが、僕もそうだと思う」と語った。

ソン・ドンウンも「今回のアルバムの歌詞は男たちが共感できる内容が多い。お互いに共感してこそ聴く人も楽しんで聴けるんじゃないか」と付け加えた。さらにメンバーは「ジュンヒョンは、絶対に女性に執着するタイプではない」と茶目っ気たっぷりの口調で話し笑いを誘った。

並外れたチームワーク

BEASTのチームワークは、他のチームに比べ別格だと言われている。チームワークの話をすると、ユン・ドゥジュンは「多分僕たちが一番良いと思う」と声を高めた。さらに「皆そう言うよ」と付け加え、「本当に僕たちが一番仲が良い」と強調した。ヤン・ヨソプも「僕たちは仲が良すぎて、それがいつも問題だ」と話した。

「美しい夜だ」MVのメイキングをはじめ、様々な映像を通じてメンバーに多少過激な愛情表現をするユン・ドゥジュンの姿が頭に浮かび、ユン・ドゥジュンについて聞いてみると、ヤン・ヨソプは「よく殴る。カメラの前では軽く殴るけど…」と暴露した。ヨン・ジュンヒョンは「よく見るとほとんど全ての映像にユン・ドゥジュンの行き過ぎた愛情表現と殴る姿が映っている」とユン・ドゥジュンを責めた。

ユン・ドゥジュンは「本当に好きだからする愛情表現だ。本物のいたずらだ。でももう止めなければならないと思う。なんだかお母さんたちに殴られそうだ」と笑ってみせた。

7年以上、感受性が一番敏感な時期に家族よりも長い時間を一緒に過ごしてきたことで、逆に親しすぎて互いに負担になったりして残念に思うところもあるはずだ。それにもかかわらず相変わらずのチームワークを維持する秘訣が気になった。

ヨン・ジュンヒョンは「実は、僕たちもなんだかんだ喧嘩をしたり、互いに気分を悪くすることもある。その度によく話しをして解決していく。いつも仲が良いわけにはいかない。でも、『雨降って地固まる』という言葉通り、お互いに意見の衝突を経験し、また和解することを繰り返す中で、全部を理解できるわけではないが、少しずつ理解できるようになった」と語った。

ユン・ドゥジュンも「喧嘩しないからといって、親しいとは言えない」と付け加えた。またヤン・ヨソプは「問題が生じたとき、それをどうやって解決し理解するかがより重要だと思う」と真剣に話した。


彼らのグループチャットが気になる

そんな彼らに欠かせない会話のツールがあった。それは、カカオトーク。
彼らの友情を継続するための「最高の手段、今世紀最高の発明品」とソン・ドンウンは言う。彼の言葉通りBEASTのメンバーにとってカカオトークは、お互いを理解し、誤解を解くための重要な会話のツールになっている。これほどまでだとBEASTはカカオトークでどのような会話を交わすのかが気になった。

ユン・ドゥジュンは「チャン・ヒョンスンは、本人がトークで笑わせられないから、度々インターネットで面白いことを見つけてきてメンバーに送ってくれる。インターネットに頼るタイプ」と言いメンバーを笑わせた。さらにソン・ドンウンは、「ギグァン兄は、5人がしばらく会話をして終了した後、1時間後くらいに入ってきて『これ、何だ』と質問するタイプ」と付け加えた。

もし彼らが交わしたチャットの内容が公開されればどうなるのだろうか。チャン・ヒョンスンは「全部消えるだろう」と簡単に言い、もう一度メンバーを笑わせた。ヤン・ヨソプは「メンバーを笑わせるために変な写真をたくさん送る方だが、それを見られると良い印象をもらえないと思う」と語った。ヨン・ジュンヒョンが「それじゃ近いうちにヨソプの写真だけを集めて写真展を開こう」と言い、またいたずらが始まった。

BEAST最大のピンチ

ワイワイとした雰囲気を少し落ち着かせ、少し真剣な質問をした。デビュー3年目のBEASTにとって個人的に、またはチームとして最大のピンチだと感じたのはいつだったのだろうか。

ソン・ドンウンは「今回のアルバムを準備しながら、最大の危機だと思った」と率直に告白した。彼は「もし本来のBEASTのスタイル通りに今回のアルバムが準備されたとすれば、先行公開された『Midnight』が僕たちのタイトル曲になるはずだった。準備しながら、これまでやってきた音楽と違っていて、正直これが正しいのかどうかかなり心配した。また、新たな挑戦を恐れたことも事実だ」と付け加えた。だが心配よりも満足のほうが大きかった。

ソン・ドンウンは「新しい姿を見せ、新しい歌を歌うこと自体に個人的に大きな意味を置いている。多様なジャンルをこなすグループというイメージを作れればいいと思う」と明かした。

ヤン・ヨソプとユン・ドゥジュンが挙げたピンチは「BAD GIRL」。「正直、個人的には自信満々だった。不思議と根拠のない自信を持っていた。やればできる、大ヒットになる、皆が僕らのことを好きになるだろうって、どこからそんな勇気と自信が出てきたのか分からない。でも結果は違った。生温い反応だった。ピンチだと思った」と語った。

このような真剣な会話が続いている中、ヨン・ジュンヒョンは難解な衣装コンセプトで放送業界でもイシューになった「Mystery」の初放送を最大の危機に挙げてメンバーを笑わせた。ユン・ドゥジュンも「ヒョンスンを除いて、本当に難解なコンセプトでミステリーそのものだった。本当に何もかもミステリーだった。今考えてもミステリーだ」と付け加えた。

メンバーが別々に、または一緒に

アイドルグループの個人的な活動が活発になっている今日、BEASTも例外ではない。イ・ギグァンはバラエティで、チャン・ヒョンスンはユニット活動とミュージカルで、ヨン・ジュンヒョンは他の歌手とのフィーチャリング作業などで忙しいスケジュールをこなしている。

KBS 2TV「キム・スンウの乗勝長駆(スンスンチャング)」で活躍しているイ・ギグァンは、ワールドツアーで世界中を回りながらもバラエティ番組への出演を続けてきた。彼は「僕も人間だから疲れるし大変なときもある。でも、バラエティ番組で笑うこと自体が面白くてストレス解消の手段にもなる。『乗勝長駆』のお兄さんたちが可愛がってくれるから楽しみながらやっている。タク・ジェフン兄の意地の悪い冗談もいたずらだって知っているから大丈夫だ。僕のことが好きでそんなふうにしていると思う」と笑った。

最近ミュージカル「モーツァルト!」で狂気を見せる若いモーツァルト役としてミュージカルに初挑戦したチャン・ヒョンスンは「実は狂った演技より繊細なディティール演技の方が難しかった。ドラマチックなものより日常会話が難しかったと思う」と話した。

また、チャン・ヒョンスンは4Minuteのキム・ヒョナと共にCUBEエンターテインメント初のユニット「Trouble Maker」を結成し、大成功した。もし他のメンバーが「Trouble Maker」を結成したとすればどうなったのだろうか。ヤン・ヨソプは「僕だったら本当に似合わなかったと思う。非難されて胃もたれして消化不良になっただろう」と話した。

この話を聞いたユン・ドゥジュンは、突然以前のことを思い出したように「ヨソプは誰がなんと言ってもMario兄さんとよく似合う」と笑ってみせた。これに対しヤン・ヨソプは「デビューする前にMario兄さんとプロモーションで『スーパーマン』という楽曲を歌った。一回だけだったが『Trouble Maker』が結成される前だったので、CUBEエンターテインメントで初めて作ったユニットだった。しかもCUBEエンターテインメントの最長身と最短身が一緒になった話題のユニット」と付け加え笑いを誘った。

ワールドツアー

1年2ヶ月の空白期間中、彼らが選択したのはワールドツアーだった。日本、台湾、タイなどアジアはもちろん、アメリカ、南米、ヨーロッパまで、彼らは休まずK-POPファンと出会いにいった。だが長い間韓国での活動を休止していたという点でファンたちは残念に思っていたし、海外進出は時期尚早ではなかったのかとの指摘があったのも事実だ。

ソン・ドンウンは「ワールドツアーは、確かに僕たちにとって良いチャンスだった。でも、韓国での活動を1年2ヶ月も休んだことは残念だと思っている。韓国での活動を長く休んだことに対してはファンの皆さんに申し訳ないと思っている」と語った。

ヨン・ジュンヒョンは「ワールドツアーの前に僕たちも話し合った。時期尚早で無謀な感じはしたが、一回やってみようという考えで全てを受け入れた。色々あったが、たくさんのことを経験できたことがメンバーにとって一番重要だ」と話した。

それなら、休まず海外を回りながらワールドツアーを行った彼らのマイレージはどれくらいになったのだろうか。「実は思ったより多くはない。両航空会社に10万程度があるが、マイレージが貯まらないところも多かったし割引で行ったところもある。もちろん国内旅行ならマイレージでいつでも悩まず行ける」と気さくに説明して笑いを誘った。

BEASTの現在、未来への自信

インタビューの途中、BEASTのデビュー過程を描いたドキュメンタリーの話が出た。BEASTは今でもデビュー前のドキュメンタリーを見ていると言った。「その時の映像を見ると本当にガキのような感じがする。でも、僕はその時の方がもっとハンサムだったと思う」(イ・ギグァン)「あの時は未成年者だったのに…あの時の方がもっと良かったような気もする」(ソン・ドンウン)など、それぞれがデビュー前を回想した。

それではBEASTが思う今の彼らのポストはどれくらいなのだろうか。

ユン・ドゥジュンは「本当に運良くそれなりの上位圏にいると思う。感謝するばかりだ。正直、僕たちは賞にはこだわらない。賞を貰えればもちろんいいが、それほどこだわりはない方だ。でも、周りではこだわっているようだけど。だから時にはプレッシャーを感じることもある」と打ち明けた。

そして、自分たちにまだ偏見を持っている人が多いようだと言い、そのような偏見を打ち破ることが最近のメンバーの悩みだと付け加えた。「どれだけできるか見てみよう」という目で自分たちを見ている人々に対し、彼らは「そう、見てみな!」という気持ちでいるという。

そしてもっと率直に言うと、そういった人々を一回ぐらいは自分たちのコンサートに招待したいと語った。「タダでもいいからステージをお見せしたい。僕たちがどれほど熱心なのか、僕たちがどれほど準備し努力するグループなのか、そして見せれるものが如何に多いグループなのか。僕たちの一面だけを見ようとする人たちに僕たちの多様な面をお見せしたい。まだお見せしたいことがたくさんある」という言葉で自信を示した。


【BEAST 今日のファッション】

ソン・ドンウン
チェック柄のシャツ:ZIOZIA、チェック柄のパンツとベスト:SIEG、ブラウンシューズ:SODA HOMME

ヨン・ジュンヒョン
タイがプリントされたホワイトシャツ:NEIL BARRETT、ダークグレーのジャケット:KELBURN、左の手首につけたバングル:クロムハーツ

ユン・ドゥジュン
ベーシックなホワイトシャツ:GIVENCHY、グレースーツ:ZIOZIA、ブラウンカラーがポイントのシューズ:バン・マリ

ヤン・ヨソプ
シャーリングディテールシャツ:COMME des GARCONS、ネイビーパンツ:ZIOZIA

チャン・ヒョンスン
レオパード柄のTシャツ:Christopher Kane、テーラードジャケットとブラックパンツ:KRISVANASSCHE、ウィングチップオックスフォードシューズ:CHURCH'S

イ・ギグァン
水色のブロッキングシャツ:NEIL BARRETT、ネイビースーツ:KELBURN、バングル:JKC by DARLING YOU

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記者 : @STYLE