「1泊2日」キム・スンウ&キム・ナムジュ“おしどり夫婦”が羨ましいです ― コラムニスト チョン・ソクヒからの手紙

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KBS「ハッピーサンデー-1泊2日」のキム・ナムジュさんへ

KBS「ハッピーサンデー-1泊2日」の“江原道(カンウォンド)鉄原(チョルウォン)第2弾”で、最後の10分はどんでん返しそのものでしたね?「会いたい、友よ」というテーマが一瞬で「夫婦はなぜ一緒に暮らすのか」に変わったからです。“自給自足キャンプ”や“料理大会”まで行って制作陣に晩ご飯を作るなど、前日の苦労に対する恩返しの意味だったのか、この日の朝、「保護者同伴という条件の下に早期帰宅しなさい」という意外な“起床ミッション”が与えられました。メンバーたちは大喜びでそれぞれ友達や兄弟、同僚、後輩を呼び、一人ずつ帰り始めました。午前中に帰るのは滅多にないことなので、おそらくスタッフたちも喜んだでしょう。朝早くから遠い鉄原まで来てくれた知り合いの皆さんは、ロンドン五輪男子サッカー準決勝の日韓戦が終わる頃に連絡が取れたようです。もし私だったら、誰が文句を言わずに遠くまで来てくれるのか、そして逆に誰かに呼ばれたらためらわずに行くのかを少しの間考えてみました。しかし、どちらも簡単なことではありませんでした。ボサボサの髪にカサカサの顔で、日韓戦で体力を使い果たした状態のはずですから、長距離運転が負担になったと思います。頼む人も頼まれる人も、本当に信頼し合っている仲でなければ不可能なことです。

キム・スンウさんの幸せいっぱいの笑顔が忘れられません。

しかし、前日のスケジュールがあまりにもハードで、喉まで枯れてしまったキム・スンウさんの保護者だけ、ずいぶん長い間待っても来なかったのです。後片付けまで終えたスタッフたちが、キム・スンウさんをきょとんと見つめていたその視線が気まずかったのか、キム・スンウさんは「期待しても良いですよ。品格のある方が来ますから」と自信を持って言いました。しかし、蒸し暑い夏の日、外で誰かを待つことほどイライラすることはありません。そのため、スタッフたちは“品格”という単語で予想できる何人かが本当に来るとしても、あまり嬉しくないと思えるほど気に掛けていないように見えました。私も退屈さに耐えられなくなった視聴者の一人でしたので、チャンネルを変えようかと迷っていたその時でした。ついにキム・スンウさんの妻キム・ナムジュさんが登場しました。そして、キム・スンウさんがプレゼントとして用意したスケッチブックを一枚ずつめくるイベントが行われると、いつ退屈だったのかと思うほど感動が波のように押し寄せてきました。キム・スンウさんが今、韓国で一番忙しいだろう自分の妻を呼ぶなんて誰も考えていなかったのです。しかも、まさかキム・ナムジュさんが本当に駆けつけてくれるなんて!新プロデューサーの顔に浮かぶ微笑みをご覧になりましたか?

もちろん、誰にとっても一番気楽に助けを求められる人は配偶者です。しかし、皆さんが知っている通り、キム・ナムジュさんは視聴率1位を記録したKBS「棚ぼたのあなた」に出演中です。韓国のドラマ撮影は、1分1秒を争うほど厳しいスケジュールであることは、韓国の国民なら誰もが知っていることです。それに、前日、キム・スンウさんが自給自足キャンプの支援をお願いするために電話をした時、寝ぼけて答えすらまともにできなかったキム・ナムジュさんだったので、彼女の登場は誰も予想できませんでした。スケッチブックに書いてあった文章は極めて平凡だったと思います。美辞麗句でもなく、ロボットの絵が描かれた小学生用のスケッチブックに書かれた文章だったけれど、そこから伝わってくる感情の重さは相当なものでした。「来てくれてありがとう~そして……君は……僕の……棚ぼたの人!!愛してます」という、たった6枚。映画「ラブ・アクチュアリー」以来、色々なところで頻繁に再現されたシーンではありますが、感動だけは映画に負けてませんね?おそらく、真心という必殺技が入っていたからだと思います。妻が誇らしく、ずっと幸せいっぱいに微笑んでいたキム・スンウさんが今も忘れられません。

この愛くるしいおしどり夫婦に誰が文句を言えるでしょうか?

キム・スンウさんはミッションを受けてからすぐ、悩むこともなく妻を頭に思い浮かべたそうです。一番身近で、どんな頼み事でも聞いてくれる友人として、妻ほど良い人はいないということです。それは、扱いやすい相手というわけではなく、自分のためならためらわずに何でもやってくれるという確実な信頼があったからです。私も同感です。危機に陥った時、誰もが自分から目を逸らしても、最後まで自分を支え、道を開き、整えてくれる人だと信じてやまない存在、それがお互いにとって最良の配偶者だと思います。スピードよりも完走することが重要な人生というマラソン。私たちはその孤独で険しい道を一緒に走ってくれるパートナーを探して、結婚というものをするのです。しかし、スタートの合図が鳴った時の気持ちとは違い、まだあまり走ってもいないのに、お互いに対する信頼を失ったまま不満ばかり言っていますね。

二人を見ていたら、冗談とはいえ「結婚20周年を過ぎたら、国が自動的に離婚させるべき」とつまらないことを言ってきた自分自身が恥ずかしくなりました。果たして、私は自分の配偶者と目を合わせ、呼吸を合わせながら、並んで走っているのだろうか?相手が疲れたら喜んで助け、私が疲れ果てた時は気軽に手を差し伸べてくれる関係だろうか?もしかしたら、ただ引っ張られているのではないだろうか?そう自分を顧みるようになりました。何より、一緒に道を走る途中でふと美しいものを見つけた時、立ち止まって一緒に眺めることができたらいいなと思いました。単なるバラエティ番組を見て、「夫婦はなぜ一緒に暮らすのか」ということを考えるようになるなんて、誰が想像したでしょうか。感謝の気持ちでキム・ナムジュさんが頼んだように、KBSドラマ「棚ぼたのあなた」の放送を見ました。でも、キム・スンウさんの鳥肌が立つような最後のコメント「何でそんなに可愛いの?」のせいか、ドラマを見ている間中ずっと羨ましくて腹が立ちました。

コラムニスト チョン・ソクヒより

記者 : チョン・ソクヒ(コラムニスト)、編集 : イ・ジヘ、翻訳 : ナ・ウンジョン