「隣人」原作にも劣らぬ強烈な作品…俳優たちが生きている

OSEN |

映画「隣人」(キム・フィ監督)が、漫画家カン・プルの原作に劣らない実写映画の強烈さで見る人を引き付けている。

キム・ユンジン、キム・セロン、マ・ドンソク、キム・ソンギュン、チャン・ヨンナム、イム・ハリョン、チョン・ホジンが出演を引き受けた「隣人」が14日午後、ソウルロッテシネマ建大入口(コンデイック)店にて行われたマスコミ関係者向けの試写会で初公開された。“殺人犯も、殺人犯が殺した少女も、殺人犯から少女を守る人も皆が隣人”というキャッチコピーのように、もっとも近くて遠い関係にある隣人の間で起こる殺人事件を描き出した、息が詰まるような作品だ。

同じマンションに一人の少女と連続殺人犯が住んでいた。ある日その殺人犯によって凄惨に殺害された少女。しかし死んだはずの少女は、殺害された日に家を出たときと同じ格好で毎日家に帰り、母親を恐怖に陥れる。そして、近所の人々が徐々に連続殺人犯の存在に気づいていく中で、連続殺人犯は、また別の殺人を計画する。

「隣人」は原作をもとにした映画であるだけに、しっかりとしたストーリーを持っているということが最大の利点である。通常、多数の俳優が主演を務める映画は、ストーリーが陳腐になってしまうことがしばしばあるが、「隣人」はキャラクター一人一人がドラマの展開に絶妙に配置され、一つの大きな道を進む。専門的映画やドラマのように、同じ職業に属しておらず、災害をテーマにした映画のように、同じ災害の被害に遭うこともないが、マンションという空間を中心にもっとも近くて遠い関係にあるキャラクターたちの間の構成がとても新鮮だ。

また、俳優たちの好演が映画を十分に生かしている。もっとも顕著な人物は、マ・ドンソクとキム・ソンギュンだ。悪質サラ金業者ヒョクモ役を引き受けたマ・ドンソクは、“信じて見ることのできる”俳優になった。韓国国内新スチルインムービーの代表というように親近感と威厳を持った彼は、登場するたびに観客を物語へと引き込む。後半に行くほど、観客がもっとも強く感情移入して応援することになる人物であることは明らかである。

キム・ソンギュンにとって同映画は「悪いやつら」(以下「悪いやつら」)以後二番目の出演作品であり、彼のキャリアにおいて代表的なキャラクターとなったであろうと思われる。彼は劇中の遠洋漁船の船員スンヒョク役を演じ、鳥肌が立つような熱演を見せてくれる。「悪いやつら」のときとは、お互いの立場が変わったマ・ドンソクとキム・ソンギュンを見るのも、同映画を見る一つの楽しみだ。

ここでは殺人の犠牲になった少女と殺人鬼のターゲットとなる少女の一人二役を引き受けたキム・セロンはぞくっとするようで、また同情してしまうような幼い演技を披露し、“母親役専門女優”という修飾語を持っているほど深い母性演技を披露してきたキム・ユンジンは、繊細な震えと哀れな目つきで見る人の胸を締め付ける。殺人者にバッグを売るイム・ハリョンや好奇心旺盛のピザ屋の配達員、秘密の過去を持ったチョン・ホジンらも、それぞれ各自の役割を十分に果たしている。

「隣人」がアピールしているのは、ホラー映画でもメッセージ性を持たせ、感動できるストーリーがあるということだ。娘を失った母親、娘を失うかもしれない母親、やくざ、ピザ屋の配達員、バッグショップのオーナー、夜間警備員など、それぞれ事情のある人物たちが、悲惨な出来事に巻き込まれる可能性のある一人の少女を、自分らだけの方法で守っていく物語は、“無関心な世界”の中に住んでいる現代人の心に響くであろう。

原作が有名な作品だということは長所であり短所だが、「隣人」の場合は長所となる可能性が高いようだ。映画関係者は「映画で見ると原作よりも、より恐ろしい面があった。原作とはまた違う緊張感を感じることができる」と感想を伝えた。同映画は8月23日に韓国で公開される。

記者 : チェ・ナヨン