「私は王である!」チュ・ジフン“コミカルな演技にプレッシャーはなかった”

OSEN |

私たちの“イケメン皇太子、イ・シン”は、どこに行ってしまったのだろうか。映画「私は王である!」で3年ぶりに映画に出演するチュ・ジフンは、公開された予告映像ですごいボケをかます。服が謹厳で派手な王であるだけで、表情や行動は一言で言うと“バカ”そのものだ。

チュ・ジフンがコメディで復帰するということは予想外だった。ドラマ「宮~Love in Palace」(以下「宮」)や映画「アンティーク~西洋骨董洋菓子店~」など、これまで出演してきた作品ではイケメンのイメージを築いてきたためだ。

しかもコメディのみならず、今回の映画では“時代劇”というジャンルと“一人二役”への挑戦で新たな変身を見せる予定だ。

このように復帰作で3つのことに挑戦するチュ・ジフンは、18日、OSENに対し「そこまで大きなプレッシャーはない」と語った。作品や監督、そして共演する俳優たちへの信頼があったためだ。

「そこまで大きなプレッシャーはなかったです。監督も有名だし、出演する先輩たちの話も聞きました。それで、信頼ができました。脚本もよかったけど、演出チームと出演陣が本当に良くて信頼できました」

負担はなかったと言うものの、初の時代劇出演であるだけに色々と感じることが多かったはずだ。時代劇に出演した感想を聞くと、「思ったよりトーンが合わなくて難しかった」と語った。そして、「監督と話しながら合わせていった」と話した。

「私たちの映画は、正統派の時代劇ではありません。でも、監督も大丈夫だと思ったシーンがいざ朝鮮時代の背景に朝鮮時代の衣装を着てすると、なんだかおかしい部分が目に付き、トーンが合わないようなところがありました。そのような部分は、現場で修正していきました。監督に『このような状況だから大丈夫そうです』というように話しながら」

チュ・ジフンといえば、「宮」を思い浮かべる人が多いだろう。それほど彼は初主演作だった「宮」で、派手な宮殿で寂しく育った皇太子のイ・シン役を立派にこなし、多くの女性ファンをときめかせた。守ってあげたいという母性本能をくすぐるような行動や、9頭身のすらりとしたボディを持ちイケメンであるためだ。その彼が「私は王である!」では、コミカルな表情で見る人に笑いを与える。“イケメン”のチュ・ジフンに、迷いはなかったのか。彼は「もともと“ボケ役”を目指す映画ではなかったため、それは心配しなかった」と話した。

「私たちの映画はコントではありません。ボケ役を目指して、笑いを目指して演技したわけではありません。面白い状況を描いた映画で、キャラクターをそのまま生かして演じればいい映画になると思ったのでそれほど心配しませんでした。また、撮影のときはずっとコメディの大御所である先輩たちと一緒にいられて本当に面白かったです。色々と学びました。年齢を感じさせないほど情熱がすごいです。エネルギーも溢れていますし」

「私は王である!」を演出したチャン・ギュソン監督は、映画「里長と郡守」「ぼくらの落第先生」などの作品で演出力を認められた有名な監督だ。撮影をしながらチャン・ギュソン監督と友達のような関係になったというチュ・ジフンは、「またチャン・ギュソン監督から再びオファーがくれば喜んで応じるのか」という質問に対し、「作品を見てみないと」と俳優として真摯に応じた。

「監督とは友達のような関係になりました。権威的でもなく、長い間撮影をしながら気楽な関係になったということもあります。監督からまたオファーがきたら、『やらない』と答えます(笑) それは、マルチプレイが可能な方だけにできる答えだと思います。20年以上演技をしてきた方々がいますよね。ドラマというジャンルで出てきそうなキャラクターをすべて、少なくとも一度は経験した方々のことです。僕が台本を見なければならない理由は、僕がキャラクターの設定を理解していないまま演技をすると、観客に迷惑をかけることになるからです。観客にも良くないし、作品にとってもよくないことです」

キャラクターへの共感が重要だと言うチュ・ジフンに、今回のキャラクターのどの部分に共感したのかを聞いた。「私は王である!」で気の小さい皇太子忠寧(チュンニョン)と、いきなり王になりすまさなければならなくなった奴婢(奴隷階級の男女)のトクチルの一人ニ役を演じることになったチュ・ジフンは、人間の本能を見せるキャラクターに共感したと明かした。

「人間の姿を最大限に表現しているため共感しました。人には色々な姿がありますよね。例えば僕。インタビューを受けるときは真剣になりますよね。そのため、そういった真剣なイメージができるけど、僕にはそうでない面もあります。皇太子が宮殿を離れて本能的に忠実な姿を見せることに共感しました」

映画が終わった後、チュ・ジフンはドラマでもう一度姿を現す予定だ。SBSの新ドラマ「蒼のピアニスト」への出演が決まったのだ。共演するガールズグループT-ARAのウンジョンについて尋ねると彼は、「実はガールズグループはよく知らない」と語った。だが、「T-ARAのメンバーということは知っていた」とし、「女優の感じがした」と称賛した。

「よかったです。でも、僕はT-ARAも、T-ARAの歌も知っているけど、テレビはあまり見ません。だから、ウンジョンさんの活動をよく知らなくて(笑) それでも、歌手だという話を聞いていましたが、綺麗な顔立ちをしているし、女優の雰囲気を漂わせている感じがします」

これまで俳優として活動をしながら多様な作品に出演してきたチュ・ジフンは、いかなる監督であれ、目さえ合わせればお互いの気持ちが分かる仲になりたいという小さな希望を覗かせた。監督の“ペルソナ”になりたいというわけだ。

「監督と俳優の関係が長く続いたり、監督と俳優の息がぴったりで多くの作品に出演したりする関係が羨ましいです。監督のペルソナっていますよね。そういう関係が羨ましいです。現場での仕事や思いが違うから、それを合わせるために多くの時間をかけるけど、目を合わせるだけでお互いの気持ちが分かる仲になれればと思います」

8月にコメディでその姿を現すチュ・ジフンは、「決して虚脱状態にはならないだろう」という覚悟を語った。「暑い夏、暑さを吹き飛ばしてくれるコメディになるはず」と意欲を見せた。

「楽しんで見ていただければと思います。暑くてうんざりしたときに楽しく見られる映画で、この映画でいう面白さはコメディに近いと思います。決して虚脱状態になる映画ではありません。演じたことで虚脱はしないはずです。8月にすっきりした気持ちになれると思います」

記者 : キム・ギョンジュ