“少女時代 スヨンの姉”チェ・スジン、ミュージカルの舞台で大活躍

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ミュージカル「プロポーズ」のチェ・スジン、チョン・ウクジンに聞く

ミュージカル「プロポーズ」でウンギョン(チェ・スジン)は、強いアイデンティティの持ち主でありながらも、母性愛のような愛を感じられるキャラクターだ。ミンホ(チョン・ウクジン)の顔が日焼けすることを心配して日焼け止めを塗ってあげるシーンがある。母性愛的な恋でなかったら、彼氏の顔が日焼けしようがしまいが、知ったことではない。だが彼女は母親のように、彼氏の世話をする。チェ・スジンはいつ母性愛的な愛を与えたくなるのだろうか。

「彼氏と付き合っていて、守ってもらった経験はあまりありません。なんとなく私が面倒を見てあげていました。私も女なので頼り、守られたいじゃないですか。でも生まれつき母性本能が人より多いようです。気になる男の人を見るとアドバイスもするし、あれこれ助けて『あの男を完璧にしたい』と感じていることを何度か経験しました。そのときに『私が持っている母性本能は大きいんだ』と思いました。

一見たくましそうで、私の世話を焼いてくれそうでも、意外と寂しがりやだったりとか、打たれ弱い男の人に優しくしてあげたくなります。外見はマッチョに見えても、“外剛内柔”的な、繊細な内面の男の人がいます。そういったときに母性愛を見せたいです」(チェ・スジン)

たくさん愛されたいが、一方では母性愛的な恋もしたいチェ・スジン。自己中心的な恋よりは、利他的な恋を夢見る、心まで美しい女優であった。


彼氏にプロポーズさせるには?ヤキモチを妬かせます

社会的スペックが彼女であるウンギョンより劣っているせいか、ミンホはウンギョンにプロポーズする勇気が出ない。実際の彼氏がミンホのようなら、チェ・スジンはどう対処するだろうか。反対に、チョン・ウクジンが彼氏のプロポーズをひたすら待つしかないウンギョンの立場ならどうだろうか。

「ウンギョンがひたすら待っているように見えるかも知れません。でも後半ではウンギョンがミンホに『いつ私を(お嫁に)もらってくれるの?』と直接聞きます。それだけではありません。ミンホが結婚資金の話を持ち出すと、ウンギョンは『私にプロポーズしようとしてるの?』と直接聞いたりもします。ウンギョンはプロポーズを誘導するものの、ミンホは気づいてくれないのです。

ウンギョンの立場なら、私が直接プロポーズしていたと思います。最後にウンギョンの友達のジニョンに『ミンホはなぜ私に結婚しようと言わないのかな?』と聞く台詞があります。私と共演する、ジニョン役のジナ姉さんはこういうふうに言います。『あなたから言えばいいのに、なぜ待っているの』と。このように考える女性の観客がきっといるはずです。

清渓川(チョンゲチョン)で彼氏にプロポーズし、結婚した女性の実話を読んだことがあります。私だったら、先に告白すると思いますが、ウンギョンは告白するチャンスを与えていると思います。『(ミンホ)あなたが告白しなきゃ、きっと後悔するはず』とチャンスを与えているだけで、プロポーズをしないキャラクターではないと思います。私もそうですし」(チェ・スジン)

「ミンホを愛し、ミンホも自分を愛していると確信している状況で、もし僕がウンギョンだったらヤキモチを妬かせると思います。距離を置くふりをしたり、他の男性に興味のあるふりをして、ミンホにヤキモチを妬かせた後、プロポーズに誘導すると思います」(チョン・ウクジン)

チョン・ウクジンは“駆け引きの法則”という、恋愛の必殺技を熟知していた。チェ・スジンは男の告白をひたすら待つわけには行かないという、若い女性の力強い姿を見せてくれた。チョン・ウクジンの言葉が終わるや否や、チェ・スジンは「駆け引きをして(相手を)失うかもしれない」と突っ込んだ。チョン・ウクジンは「それじゃ、泣くしかないですね」とセンスのある答えをし、周りを爆笑させた。


「昔は鼻水が心配で演技に集中できなかった…今はそれさえも情熱」

ミュージカル「プロポーズ」は中劇場ミュージカル(中間サイズの劇場で公演するミュージカル)だ。中劇場や小劇場での公演は、大劇場に比べ観客からのフィードバックが重要だ。観客とのフィードバックをどのように導き出すかが気になった。

「前作『冬のソナタ』は小劇場ミュージカルでした。にもかかわらず、今回の公演よりはるかに緊張しました。観客が囁く声も、小さく笑う声も全部感じられるくらいでした。恥ずかしい話ですが、泣く演技をしていて鼻水が出たこともあったんですが、一番前の観客に私の鼻水が見えるような気がしました。鼻水のことで役に集中できないときもありました。

中劇場ではありますが、今回も観客がすごく良く見えます。共演する人たちも、客席がこれだけ良く見える劇場は初めてだと言っています。でも不思議なことに、暗い劇場よりも、明るい今回の劇場の方が緊張しません。観客がたくさん笑い、反応が良くさらに楽になると『私の演技が観客にこれだけ伝わったんだ』と思います。だから、緊張よりは余裕が持てます。『私がもし今回も鼻水をたらせば、そのときは観客が情熱だと思ってくれるだろう』という余裕ができたようです」(チェ・スジン)

小劇場から中劇場に移ったせいか、前の舞台で「観客はどう思うのだろう」と悩んでいたというチェ・スジンは、余裕を取り戻したようだ。チェ・スジンと少女時代のスヨン姉妹は、ミュージカルとテレビ番組で活躍するエンターテイナーだ。“舞台のDNA”は誰から譲り受けたのだろうか。

「母親が声楽を専攻していました。叔父も歌手を夢見ていました。母親の親戚でタレントをしていた人もいます。母方の親戚だけではありません。父方の親戚もそういった職業と関わりがあります。小さなときからクラシック音楽を聴きながら人形で遊んだりしたくらいです。子供のころから様々な音楽と接してきました。勉強をする方向に進むこともできましたが、興味を持てる分野は舞台でした」(チェ・スジン)


「6年前にミュージカル俳優を夢見るようになった…そしてこの場に立った」

最後に二人の俳優にミュージカル「プロポーズ」を紹介してもらった。

「私は今回の作品を通じて演技への余裕を学びました。演出家、作家、音楽監督など皆さんが私を信じてくださったので、他の事を考えず、ウンギョンという役に集中できました。それだけ、ウンギョンに愛情を持ち、キャラクターを作って『こういうふうに見せる』という主観をはっきりと持つことができました。ファンだけでなく、私のことを知らずにミュージカルをご覧になる方々にも“女優チェ・スジン”を発見していただければと思います。そのためには最高の舞台を見せる必要がありますね。楽しく、気楽に楽しめる作品なので、応援をお願いします」(チェ・スジン)

「2006年に『プロポーズ』の初演を観ました。当時僕は演劇映画科を目指している学生で、塾の先生が、現在僕が演じているミンホ役を演じていました。作品を観ながら、『あ、ミュージカルとはこのようなものなんだ』と思い、ミュージカル俳優を夢見てきましたが、それから6年後、僕が同じ役を演じることになりました。この作品は僕にとって大きな意味を持っています。一生懸命準備した作品なので、たくさん応援してください」(チョン・ウクジン)

記者 : パク・ジョンファン