私の耳に盗聴装置のファンタジーロック…「若者はぜひ聞いて!」

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“私の耳に盗聴装置”音楽人生10年、彼らはまだ純粋

ロックフェスティバルに匹敵するラインナップで、鳴り物入りでスタートしたKBSバンドサバイバル番組「TOPバンド2」が紆余曲折の末、ベスト16選抜戦を行なっている。多くのバンドの中に、視聴者から再認識されている“私の耳に盗聴装置”がいた。

有名バンドとして様々なフェスティバルや公演で人気を集めているバンド私の耳に盗聴装置(ボーカル:イ・ヒョク、ギター:キム・テジン、ベース:ファン・ウィジュン、ドラム:チョン・ジェフン)はなぜ「TOPバンド」に出場したのだろうか。

私の耳に盗聴装置(以下、私の耳):「僕たちの何が有名ですか?弘益(ホンデ)大学で有名なだけです。単純に僕たちをみんなに知ってもらいたかったのが「TOPバンド」に出場した理由です。正直、サバイバル番組はあまりいいとは思っていません。これも流行の一つじゃないかとも思いますが、視聴者とロックの間の溝を埋める上で、地上波放送への出演が役に立つんじゃないかと判断しました。

―しかし、“私の耳に盗聴装置”は、すでに地上波放送にも出演しており、ロックフェスティバルにも欠かさず出ていると聞きましたが。

私の耳:「TOPバンド」に出る前、最後に地上波放送に出演したのが、「ユン・ドヒョンのラブレター」でしたっけ…。だから4~5年ほど前です。ロックフェスティバルも、「芝山(チサン)バレー・ロック・フェスティバル」には一回も出られませんでした。もちろん、僕たちのように比較的安定した環境のバンドでもこの程度なので、韓国ではバンド活動はまだ難しいということだと思います。

―中堅バンドとして、地上波のサバイバル番組で、大勢が見ている前で評価されるのは悔しいとは思いませんか?

私の耳:これまでの10年以上の音楽人生の中で、常に評価されてきました。アルバムが出ると、評論家やリスナーから評価を受け、公演をすれば、観客の評価を受けました。反応する人々がいなくては音楽はできません。そのような評価に対し自由に、オープンであってこそ成長することができます。


「僕たちは多重人格だ」……若者は必ず聞け!

―私の耳に盗聴装置を説明するのは難しいですが、自分たちをどのように説明しますか?

私の耳:個性的なバンドです。多重人格的でもありますし(笑) 以前、9時のニュースで、ある人が「私の耳に盗聴装置がある」と叫んだ放送事故を見て、面白かったので名前にしました。意味を与えるとすれば、自分自身を監視すること、人格を監視すること、観察することだと言えますね。ただ音楽が好きで始めました。僕たちが表現したいものを身近な形で表したいという思いで音楽をやっています。

―ジャンルで言えば?

私の耳:そうですね、僕たちが決めた方向性はファンタジーロックです。ヘビーなサウンドにグロテスクな雰囲気のあるような。あやふやさだったり。もう少し簡単に言えば、汚いものを美しく表現しようとするもの?(笑) 僕たちの音楽はマニアックとも言われます。それはある程度は認めます。

だからといって大衆的でないわけではありません。有名になるために僕たちのカラーを捨てるのは嫌なだけです。一般的にはおとなしいロックが親しみやすいので、僕たちのように悪いロックのイメージがあるバンドは難しいところがあります。実際には悪くありませんが(笑) 反抗しよう、壊そうというイメージがあるようです。不満分子にも見えますし。

―“悪いロック”ということで、若者に勧めづらいという話も聞きました。

私の耳:正直、若者はロックを絶対に聞くべきだと思います。社会でやってはいけないと言われることがたくさんあるじゃないですか。彼らが現実で問題を起こす最大の理由は、そのように制限するからじゃないですか?若者には文化的なはけ口が絶対に必要で、定型化されていない、魅力あるロックはその中心的な役割を果たすことができると思います。
―ロックをする方にとって、ビジュアルにはどんな意味がありますか?

私の耳:ビジュアルですか。とても大事な部分です。ハンサムだったり、かわいい外見はむしろこの分野では魅力がありませんが。作品やバンドのイメージに合うかっこいいビジュアルは必須だと思います。僕たちもその点は気を使います。例えば、メタリカがかわいい美少年のイメージでヘビーな演奏をしたら、たぶん今よりは魅力が落ちるのではないでしょうか。


反応がなくてもいい!……「いつまでも音楽がやりたい」

―どんなステージが大変ですか?反応のないステージ?

私の耳:いえ、反応のないステージはかえって楽しいです。前に、お年寄り向けのイベントがありましたが、びっくりさせるのも楽しかったです。むしろ大変なのは、ステージでマイクや音響モニターが使えないときです。途中で公演を中止するわけにもいかないので、続けてやらなければならない。そのような技術的な問題があるときは大変です。

―「TOPバンド」の現場では、どのバンドをかっこいいと思いましたか?

私の耳:多くの方が共感してくれると思いますが、HarryBigButtonが本当にかっこいいです。個人的にはPiaが出られなくて残念でした。現場は本当に最高ですよ。その魅力がテレビにちゃんと映らず残念でした。THE KOXXやRomantic Punchもすばらしいです。

―私の耳に盗聴装置のこれからの夢は何ですか?

私の耳:たぶん、どの分野も同じだと思いますが、有名になればお金ももっと稼げるし、人気も上がるでしょう。そういうものも夢を育てていく上では役に立つと思いますが、本質的に、僕たちはいつまでも楽しく音楽をやりたいと思っています。

実際に会った私の耳に盗聴装置は、メンバーそれぞれが異なった雰囲気と個性を持っていた。だから、彼らはステージの上で、神秘的で幻想的なカリスマ性があるように見えるのかもしれない。10年以上のバンド生活の中で、それなりのこだわりがあってもおかしくないが、彼らはまだまだ純粋なように見えた。そのため「TOPバンド」にも躊躇せず出場したのではないだろうか。彼らのこれからに注目したい。

記者 : ユン・ソルジ