“スター”コ・ソヨンと“女優”キム・ナムジュの違い

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スターとして基盤を固めたコ・ソヨンに、女優コ・ソヨンを期待したい

女優コ・ソヨンがSBS「ヒーリングキャンプ~楽しいじゃないか~」(以下「ヒーリングキャンプ」)に出演した。彼女はチャン・ドンゴンとの結婚、出産、育児など、これまで公開しなかった様々な話を赤裸々に話して注目を集め、衰えを知らない姿を見せた。

写真=SBS

“スター”コ・ソヨンと“女優”コ・ソヨンの差

「ヒーリングキャンプ」の視聴率が物語るように、スターとしてのコ・ソヨンは依然として健在であった。彼女は芸能人としての生命力が枯渇していた頃、当代随一のスター、チャン・ドンゴンと結婚をする。“今世紀最高のトップスターカップル”という賛辞を受け、コ・ソヨンは衰えていた人気を一気に取り戻した。コ・ソヨンとしては人生最高の選択をしたのである。

彼女はチャン・ドンゴンとの結婚以来、話題を集め、これ見よがしに人々の関心の的となった。しばらく活動のなかったCMモデルとしても、大いに活躍した。20年を超える期間、トップスターとしての地位を守っているコ・ソヨンは、人々をどう扱えばいいかを知っている賢いスターである。

しかし、スターのコ・ソヨンとは裏腹に、“女優コ・ソヨン”としてのキャリアは衰退していた。

新人女優として人気を得ていた時代の映画「ビート」やドラマ「母の海」ではつらつとした魅力をアピールした彼女は、2000年代に入ってからは活躍が目立たなくなった。ドラマ「ブルー・フィッシュ」や映画「一日」「二重スパイ」「アパート」「お姉さんが行く」などではこれといった成果を出していない。

2007年以降は出演した作品が皆無である。女優であるにもかかわらず、5年もの期間、演技する姿を見せていない。そのため、スターのコ・ソヨンと女優としてのコ・ソヨンの隔たりは、日増しに大きくなっている。

今コ・ソヨンが悩むべきことは、この隔たりをどうやって埋めていくのかということである。“チャン・ドンゴンの妻”として輝いたのは一時的な現象にすぎない。作品を通じて人々に認められないと、コ・ソヨンが誇るスター性も次第に衰えることになる。自らのアイデンティティについて悩むべき時期が来たのである。

写真=KBS

キム・ナムジュをロールモデルに

コ・ソヨンの悩みが深くなる中、彼女にとって“見本”となるような人物がいる。それは、女優キム・ナムジュである。

キム・ナムジュもコ・ソヨンと同じように、スターと女優との間で悩んでいた時期があった。90年代にキム・ナムジュは、しっかりとしたキャリアウーマン、自己主張の強い堂々とした女性役を演じることが多かった。このようなイメージを元に彼女はCMモデルとして人気を得た。「ラクベル(Lacvert)と相談してください」というCMのキャッチコピーは、キム・ナムジュを象徴する代表的なフレーズであった。

しかし、これとは反対に女優キム・ナムジュはあまり高い評価を得られなかった。似たり寄ったりの役柄の選択と、変わらない演技パターンのためであった。少なくないヒット作を持っていたが、演技が上手い女優という評価は、残念ながらキム・ナムジュには程遠かった。結局彼女は、2001年映画「アイ・ラブ・ユー」の出演を最後に無期限の活動休止期間に入った。コ・ソヨンと同じ道を先に歩いたのである。

引退説が出るほど引きこもっていたキム・ナムジュは、キム・スンウと結婚して話題を集め、2009年にはドラマ「僕の妻はスーパーウーマン」で活動を再開し、異例の変身を試みた。過去のキム・ナムジュとは全く異なるスタイルの演技を披露した彼女は、一気に演技力と興行力を認められ、華やかに復活した。彼女自ら“キム・ナムジュ”という型を破って一段と成長した姿を見せたのである。

「僕の妻はスーパーウーマン」の成功とともに、キム・ナムジュはスターとしてだけではなく、女優としても認められるようになった。2010年「逆転の女王」でMBC演技大賞を受賞した彼女は、2012年KBS週末ドラマ「棚ぼたのあなた」で興行に大きく成功し、今年の年末KBS演技大賞の有力な候補としてあがっている。

キム・ナムジュの成功は、年齢に合う役柄を選択し、演技パターンと既存のカラーに確実な革新を図った結果であった。いつまでもキャリアウーマンだと思っていた彼女は、一連の過程を通じて親しみ易いながらも洗練された主婦の姿に変わり、人気を得た。女優として積み上げてきたキャリアとスターとして持っていた人気が有機的に絡み合い、30~40代女性が憧れるスターになった。

写真=SBS

コ・ソヨンに残された課題は?

キム・ナムジュが歩んだ道は、コ・ソヨンにとって重要な、様々なことを示唆している。人々はキム・ナムジュがそうであったように、コ・ソヨンも彼女なりの変身とチャレンジを通じて新しい姿を披露してくれることを期待している。スターと女優の隔たりを埋められる唯一の方法は、作品に地道に出演し、キャリアを積み上げていくしかない。

女優として、少なくともスタートして人々からの厚い支持基盤を作らないと、さすがのコ・ソヨンもその限界は明らかである。怖くても面と向かって人々から評価を受けることを躊躇してはならない。全ては自分自身にかかっている。果たしてコ・ソヨンは、女優として自らの名誉を高めることができるだろうか。これからに注目したい。

記者 : チョン・ヘオク