Vol.2 ― ペク・ソンヒョン「コン・ユから十年後の未来を見た」

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不安を解消してくれたファン・ジョンミンの一言とは?

KBS 2TV月火ドラマ「ビッグ~愛は奇跡~」は、ペク・ソンヒョンに違うキャラクターに挑戦する可能性のみを与えたドラマではなかった。彼は、30代のソ・ユンジェと10代のカン・キョンジュンを行き来するコン・ユから自身の未来を見た。30代への一種のロマンともいえる。

「コン・ユ兄さんに出会ってから『僕もそういう方向に行かなければならないのではないか』と思いました。演技も、ビジュアルも男が見ても素敵ですから。それは、ただ外見から出るものではなく、徹底した自己管理から来るものだと思います。俳優としてのオーラもすごいし。僕は、今20代から30代に向かっています。これからの10年を(コン・ユ兄さんが)見せてくれたのだと思います」


ファン・ジョンミン「僕は今も学んでいるが、あなたは?」

ペク・ソンヒョンには、もう一人のアドバイザーがいる。ドラマ「アクシデント・カップル」や映画「雲から抜けた月のように」で共演した俳優のファン・ジョンミンだった。ペク・ソンヒョンは自分を“ファン・ジョンミンバラキ(ファン・ジョンミンだけを見るという意味) ”と称した。「この道が僕の道なのか」と俳優としての本質的な悩みを抱えていたとき出会ったファン・ジョンミンは、彼にとって、目標でもあり未来でもあった。

「『雲から抜けた月のように』の前から演技が上手いということの意味が分かりませんでした。僕が上手くやっているのかも分からなかったし、もやもやしていました。演技して間もない同じ年頃の俳優を見ると、本当に上手だったんです。果たして僕に才能はあるのかと思いました。意欲はありましたが、演技そのものを好きだと思っていたわけではありませんでした」

かなり悩んでいた時期に「アクシデント・カップル」で出会ったファン・ジョンミンは「俳優は自身の仕事を楽しむべきだ」と教えてくれた。作品選びに時間を費やすよりは、演劇、ミュージカルはもちろん、セミナーなどにも参加し、勉強して体験しろというアドバイスをもらったという。「僕は今も学んでいるのに、君は何をしているのか」という一言が胸に響いた。


もう一度初心に……“信頼される俳優になりたい”

18年も同じ仕事をしてきたが、ペク・ソンヒョンは初心に戻った。様々な作品で演技をしながら身についた悪い癖をなくすために演技指導を受け、キャラクターと一つになる方法を学んだ。そして、JTBCドラマ「仁粋大妃」でそれまで築いてきた経験を十分活用した。彼は一人ニ役を演じながら視聴率を気にせず、短所を直すこともできた「仁粋大妃」に対し「“ヒーリングキャンプ”だった」と語った。

「タイガーウッズにもまだインストラクターがいるそうです。人は、自身には限りなく寛大で少し苦しんでも正しいものを選ぶよりは、楽なものばかり求めますよね。誰かが『芸術は技術ではない』と言ったけど、呼吸など悪い癖は地道に直さなければならないと思います」

信頼される俳優になりたいと言うペク・ソンヒョン。彼は「まだ道のりは遠い」と繰り返し謙遜した。ただ“演技だけ上手い俳優”だけではなく、“あらゆるものが上手い俳優”になるということが彼の目標だ。

留まる水は腐る。絶えず流れてこそきれいな水になれる。一箇所に留まるよりは、絶えず自身を磨いていく道を選んだペク・ソンヒョン。これまで努力してきた分だけ、人々はこれから彼がどのような姿を見せてくれるのか期待している。

記者 : イ・ジョンミン、イ・オンヒョク