今勢いに乗っているハ・ジョンウ“全盛期ですね?”

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「今勢いに乗っているハ・ジョンウがコーヒーを作ってるよ~」という俳優コン・ヒョンジンの言葉に、もう何の違和感も感じない。“農薬”のような男ハ・ジョンウ(34)の2012年の活躍が輝かしい。

ハ・ジョンウはすでに上半期だけで6作品に出演した。この中で新概念コンテンツ映画「シネノート」とドキュメンタリー映画「577プロジェクト」は除くとしても、公開済みの映画「悪いやつら」(監督:ユン・ジョンビン)や「ラブフィクション」(監督:チョン・ケス)、現在撮影中の「ベルリンファイル」(監督:リュ・スンワン)、そして撮影予定の「アンドレ・キム」まで、彼にとって今年はものすごく“走り回った”一年だった。

ハ・ジョンウは一体どんな魔性の魅力で映画業界のラブコールを受け続けているのだろうか。

彼は2008年に映画「チェイサー」(監督:ナ・ホンジン)の連続殺人犯、ヨンミン役で観客に特別深い印象を与えた。特に刑事のジュンホ(キム・ユンソク)と道路を疾走するシーンは現在も話題になる名シーンの一つだ。実際にハ・ジョンウはそのシーンを撮影する際にセメントの道路で足を滑らせ、膝を怪我しながらも撮影を中止せず演技を続け、珠玉のような名シーンを誕生させた。

その後、ハ・ジョンウは映画「ビースティー・ボーイズ」(2008)「素晴らしい一日」(2008) 「ティファニーで朝食を」(2009)「よく知らないくせに」(2009)「ノーボーイズ、ノークライ」(2009)「国家代表!?」(2009)「パラレルライフ」(2010)「哀しき獣」(2010)「依頼人」(2011)などで、様々な役にたて続けに挑戦してきた。

目が合っただけでゾッとするようなサイコパス(精神異常)の殺人犯から、外国人の養親と養子縁組をした図々しい韓国出身の青年、時には馴れ馴れしい清潭洞(チョンダムドン)のホストクラブのリーダー、そして口達者な弁護士にも変身した。それだけではない。マフィア組織のNo.1にもなり、情けない漫画家に変身しては脇の毛を褒め称えた。

ある映画業界の関係者は「ハ・ジョンウという人は、本当に欲張りな役者だ。シナリオが手に入ってから撮影が開始される間に、そのキャラクターに完璧に溶け込んでから撮影現場に登場する。どんなキャラクターであれ、ハ・ジョンウだけのものにするので、映画業界の関係者から高い評価が続いている」と伝えた。

定期預金のように自身の演技歴を着実に積み重ねているハ・ジョンウは、多くの作品に出演しているだけに興行の成績も素晴らしい、“限度なし”のプラチナカードだ。

彼の主演作「チェイサー」は韓国で507万1619人の観客を動員する成果を上げ、「国家代表!?」(監督:キム・ヨンファ)は848万7894人を動員。ハ・ジョンウは名実共にヒットメーカーとして浮上した。

それだけではない。「哀しき獣」(監督:ナ・ホンジン)で216万7426人、「依頼人」(監督:ソン・ヨンソン)で239万3086人、「悪いやつら」で468万4327人、「ラブフィクション」で171万1369人の観客を虜にした抜群の興行成績を誇っている。

これなら、ハ・ジョンウがなぜ多くの作品に出演するしかないのかも説明できるだろう。実際、映画業界の関係者としては演技が上手く作品性を高めてくれる俳優を好むが、投資資本を考えると何よりも興行をリードできるような俳優も重要だ。作品性と興行成績という二つの目標を達成したい映画業界としては、ハ・ジョンウを選択するのが必然であろう。これにハ・ジョンウの果てしない演技への情熱が加わると、これ以上良いことはないだろう。

現在ハ・ジョンウはハン・ソッキュ、リュ・スンボム、チョン・ジヒョンとともにドイツのベルリンを舞台とする大作映画「ベルリンファイル」を撮影中だ。彼は最近ドイツでの撮影を終え、韓国に帰国した。現在は韓国内での撮影開始を待っている。8月に「ベルリンファイル」の撮影を終え、韓国一周の長い旅程を盛り込むドキュメンタリー映画「577プロジェクト」の公開を控え、当分は映画の広報活動に専念する予定だ。

年末には「ベルリンファイル」が公開され、来年の頭にはデザイナー、アンドレ・キムの人生を描いた映画「アンドレ・キム」を撮影する。2012年の下半期と2013年まで、“ハ・ジョンウの年”は続きそうだ。
彼の多作が待ち遠しい理由は、単発的に映画の出演を決める一部の俳優たちの生かじりな作品より、彼が情熱を燃やし、すべてをかけて撮影する映画のほうが目の保養になるためだ。今最も勢いに乗っている俳優、ハ・ジョンウ。本当に欲張りな役者だ。

記者 : チョ・ジヨン