ごめん「カクシタル」…私の家のテレビは“2Dだ”

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漫画で見た「カクシタル」、TVで出会うアクション、見慣れない感動

年配の人であれは、漫画家ホ・ヨンマンと言われると、まず「カクシタル」という漫画を思い浮かべるだろう。しかし、時が流れたせいか、今やホ・ヨンマンと言われると「食客」を思い浮かべる時代となった。幼い頃、漫画喫茶で唾をつけながら一生懸命にページをめくっていた漫画「カクシタル」がドラマで再び帰って来た。

漫画「カクシタル」の表紙 (C)ホ・ヨンマン
「カクシタル」といえば何と言ってもイ・ガントとカクシタルの一人二役がもたらす緊迫感の溢れるストーリーだ。漫画でさえも、おっとりしていたイ・ガントがいきなりカクシタルとして現れるときや、窮地に追い込まれたカクシタルが一瞬にしておっとりしたバカになってしまうとき、手に汗を握り、急いでページをめくるようになる。

しかし、画面に移された「カクシタル」は、同じく2Dの平面的状況にも関わらず(ごめん、私んちのテレビはまだ古いやつだ)、まるで3Dの画面であるかのように、あちらこちらからカクシタルの蹴りが、まだ日本の手さきであるイ・ガントの鋭利な刀が突然飛んでくる。
役はシン・ヒョンジュンだが、思わずスタントの俳優に敬意を表したくなる。このドラマは走っている馬から自由自在に飛び降りたり、2階の手すりから差し支えなく落下したり、曲がったりの神出鬼没なカクシタルの技を、1話でたっぷり見せてくれる。これでも見ないのか?と言わんばかりに。

それだけでなく、1話で、ミュージカル俳優出身のチュウォンの特技を活かした、クラブでの群舞のシーンと、有名俳優の面々を見せるだけで、このドラマの規模を予測させる。特に、葬儀のシーン、そして続く市場シーン、法廷でのシーンまで、初回だけで、ストーリーと対決構図、そして確執の様相までを存分に提供した。なので、満足はできないものの、視聴率1位との結果が戻って来た。

京城スキャンダルの主人公4人 (C)kbs
しかし、漫画「カクシタル」を期待しドラマを見たが、面白いことに、ドラマから感じたのは、幼い頃読んでいた漫画ではなく、思わずプロデューサーと作家の名前を確認させられた。、2007年に同じ放送局で放送された「京城スキャンダル」の続編と感じたのだ。

暗鬱だった朝鮮総督府の鉄拳統治、そして何も考えていない、いわゆるモダンボーイたち、しかしその中に潜んでいる抗日独立運動の種。思わず既に分かってしまうカクシタルと独立軍以外、誰が「京城スキャンダル」のイ・スヒョンやチャ・ソンジュになるのかが気になり、集中していた。

視聴率では報われなかったが、名作として評価される「京城スキャンダル」のような伝統を継ぎ、また放送されること自体、嬉しいことだ。

しかし、「カクシタル」の順調なスタートにも懸念の要素はある。未だ放送局の前で、撮影現場への移動途中に死去した父を思いながらデモを続けるエキストラの補償金問題や、「カクシタル」での出演で、愛国と非愛国を分けようとしたり、一部の俳優を犠牲にするような度を越えたマスコミの報道など、ドラマ以外で、ドラマが担うしかない負担があるからだ。そしてドラマの順調なスタートがこのような問題を正当化するきっかけになってはならない。

記者 : イ・ジョンヒ