「赤道の男」が残したGOOD&BAD

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※この記事にはドラマ「赤道の男」の結末に関する内容が含まれています。
(上から)オム・テウン、イ・ボヨン、イ・ジュンヒョク、イム・ジョンウン、写真=KBS 2TV「赤道の男」放送画面キャプチャー
ドラマ「赤道の男」が、登場人物の贖罪と容赦、和解によって、最終回の幕を下ろした。

24日午後に最終回を迎えたKBS 2TVの水木ドラマ「赤道の男」(脚本:キム・インヨン、演出:キム・ヨンス)は、水木ドラマの最下位から出発し、途中からはトップに躍り出るなど、視聴者から多くの愛を受けた。全20話が放送される間、最下位の悲しみと視聴率上昇など、冷水と温水を同時に味わった「赤道の男」。このドラマが残したものを調べてみた。


「赤道の男」が残したGOOD

「赤道の男」が残したものは、なんといっても俳優たちである。

まず、これまでKBS 2TVのバラエティ番組「1泊2日」で、純粋なイメージで多くの愛を受けたオム・テウンは、このドラマを通じて、“オム・フォース”(カリスマ性のある演技を披露して付けられたニックネーム)の復活を知らせた。これまでシャイで純朴なイメージをアピールしていたため、“オム・フォース”の復活は、オム・テウンのカリスマ性のある演技を見られなかった視聴者を喜ばせた。

また、イ・ジュニョクとイム・ジョンウンは、“再発見”と言われるほど、多くの話題を集めた。イ・ジュニョクは反社会的な人格障害を持つ「反社会性パーソナリティ障害」を完璧に演じ、悪人と善人の間を行き来した。

自分自身の、また、父イ・ヨンベ(イ・ウォンジョン)の罪を隠すため、絶え間なく嘘をつき、悪行を犯すイ・ジュニョクの演技を見ていると、鳥肌が立つほどであった。

チェ・スミの成人役を演じたイム・ジョンウンは、新しい魔性のキャラクターを誕生させた。イ・ジャンイル(イ・ジュニョク)に対する間違った愛情表現で彼を窮地に追い込んでしまう姿や、唯一自分を無視しなかった友人キム・ソヌ(子役:イ・ヒョヌ、成人役:オム・テウン)を裏切る姿は、女優イム・ジョンウンを視聴者たちにはっきりと印象づけた。


「赤道の男」が残したBAD

「赤道の男」が残したものうち、最も残念なところは、二つに絞ることができる。一つは、劣悪なドラマ制作環境から始まった放送事故と、最後に中途半端になってしまったキャラクターだ。

まず、「赤道の男」放送事故は、最終回を目前に控えた23日に起こった。クライマックスに向かってストーリーが盛り上がっていた「赤道の男」は、午後10時55分頃、急にドラマのオープニング画面に変わり、放送が中断された。これは、ハードな撮影日程により、後半の編集がまだ終わらず、発生した。後半の編集が遅れて、最後の約10分のテープが番組を放送する副調整室に渡されず、放送事故が起こったのだ。

この事故は、今まで完成度の高いドラマとして、高い人気を集めてきた「赤道の男」の汚点となった出来事だった。これまで、視聴者らまでメンタル崩壊(新語で、ビックリすることなどによって、気を失いそうな時に使う言葉)させるドラマだった「赤道の男」が、放送事故まで起こし、視聴者のメンタルを崩壊させた残念なところだった。

もう一つは、ハン・ジウォンとクムジュルというキャラクターに対する残念さだ。まず、ハン・ジウォンは、これまでの初恋キャラクターと異なる、魅力のある人物として予告された。普通の清楚な女性ではなく、堂々としたしっかり者の女性として、多くの関心を集めてきた。

だが、子役から大人へと成長すると、こうした魅力は消え、ただ、ソヌとジャンイルの間でそわそわし、自分を知らないソヌの前で危ぶむ、優柔不断なキャラクターへと転落してしまった。それだけでなく、チェ・スミ(イム・ジョンウン)の魅力に押され、誰が主人公なのか、分からなくなってしまった。

また、後半に向かうにつれて、再び子役のイメージを強調しようとしたが、失敗してしまった。大人になったハン・ジウォンは、父の事業失敗で元気を失くしてしまったとしか言いようがない。

他に、残念なキャラクターは、パク・ヒョジュンが演じたクムジュルだ。クムジュルは、ソヌの視力が失った時、杖のような人物として登場した。ソヌの目や足となり、彼の生活を助けた人物であるため、ソヌが再び視力を取り戻した時は、事実上必要のない人物でもあった。

だが、ソヌが自殺として偽装された父の事件を調査する過程で、クムジュルは重要な人物だった。ソヌの全てを知っており、ソヌの側に立って、もっとも信頼できる人物であるからだ。ドラマの中でも、ソヌはクムジュルに仕事を辞めて、自分を手伝ってほしいというシーンが登場し、キャラクターを活かすかと思われたが、たった一度の登場にとどまってしまった。そうしてクムジュルというキャラクターは視聴者の記憶の中から消えていった。

記者 : イ・ウンジ