バンドでセンターと言えば、ボーカルと決まっている。しかし、アイドルグループは少し異なる。事務所ごとに「センター」のポジションを選定する基準は違うものの、一つの原則があるそうだ。

それは「メインボーカルはセンターに立たない」と言うことだ。メインボーカルの存在感が高いのは事実だが、だからこそ「センター」の座だけは他のメンバーに譲るのである。これだけだと首を傾げてしまうが、隠された理由を聞けば膝を打って納得するであろう。

メインボーカルは、どこにいてもカメラによく映る。単独でクローズアップされる部分がすでに十分確保されている人物なので、敢えてダンスでも「センター」を務める必要がない。他のメンバーたちへの“配慮”とでも言ったらいいのだろうか。メインボーカルがある一方に位置していたら、クライマックスの部分でカメラがメンバー全体を見渡しやすいとのメリットもある。

K-POP関係者によると、デビュー初期のポジション選定には、振り付けの習得能力が大きく影響を及ぼすそうだ。一番目に留まるポジションなだけに、同じ動作でもさらにカッコ良くこなしたら視線が釘付けになるからであろう。

最近では練習生の頃からファンがいる場合も多く、初期の認知度も無視できないという。それで最初はあるメンバーが「センター」を独占し続けるのだが、時間が経つとポジションを変えたりすることもある。後から、主にパート別に動くことになる。それぞれ自分が担当する部分の歌を歌う時に「センター」へ出るわけだ。