Vol.4 ― 「太陽を抱く月」終了 - 名場面、名台詞を振り返る “君を忘れることはできなかった”

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写真=MBC「太陽を抱く月」スクリーンショット
韓国中を“太陽を抱く月アリ”(ドラマに夢中になること)」にさせたMBC「太陽を抱く月」が15日、その幕を下ろした。

「太陽を抱く月」は朝鮮時代という時代的背景を借用して描いたファンタジー宮中ロマンスだ。華やかな画面だけでなく、子役たちの優れた演技、ドラマに集中させる俳優たちの名演技、様々なキャラクターの調和が「太陽を抱く月」を国民的ドラマの地位を持たせた。

「太陽を抱く月」の余韻がなくなる前に、珠玉のような名場面、名ゼリフを振り返りながら、このドラマを胸に抱いておこう。


ヨ・ジング、キム・ユジョンと運命的な再会「君を忘れることはできなかった」

1月11日に放送された第3話で若きフォン(ヨ・ジング)とヨヌ(キム・ユジョン)が数々のすれ違いの末、再会するシーンは多くの人の記憶に残った。大人のヨヌを演じたハン・ガインもこのシーンを名場面として選んだことがある。

ヨヌに対する気持ちを忘れることができなかったフォンは儺禮(ナレ、旧暦3月末の夜に民家と宮で邪神を払うために行った儀式)のとき、仮面をつけたままヨヌの手をとり、彼女を人がいない場所に連れて行く。

仮面を外し、ヨヌの前に姿を現したフォンは「皇太子のイ・フォンだ」と自分の正体を明かす。そして彼は「忘れてほしいといったのか。忘れて欲しいのか。悪い。忘れようとしたが、君のことを忘れることはできなかった」と珠玉のような台詞で自分の心を伝える。運命的な再会を果たした二人は顔に微笑みを浮かべ、甘い雰囲気を演出した。


ヨ・ジング、キム・ユジョンの出宮に嗚咽“ヨヌ、ヨヌ”

1月18日に放送された第5話では大妃ユン氏(キム・ヨンエ)の計略で病を患うようになったヨヌが、宮から追い出されるシーンがあった。それを知ったフォンは嗚咽が止まらず、彼の演技に視聴者も一緒に泣いた。

宮を出るヨヌを見たフォンは兵たちに「どきなさい。俺の妃だ。誰が勝手に家に帰すというのか。どけろ」と叫び、ヨヌの元へいこうとした。

しかし、兵たちは頑なにフォンを阻止する。フォンはヨヌに「ヨヌ、ヨヌ、ヨヌ」と名前を叫びながら号泣した。彼は引き続き「俺の妃だ。どけ」と叫び、ヨヌへの切実な思いを表した。ヨヌも目元が赤くなり、フォンを見つめていたが仕方なしに、宮を後にする。

宮に一人残されたフォンは涙を流し、彼女の名前を呼ぶこと以外、何も出来なかった。



キム・スヒョン、その魅力でハン・ガインを制圧した後、怒鳴る「お前の正体は何だ?」

1月26日に放送された第8話でフォン(キム・スヒョン)が厄受け巫女ウォル(ハン・ガイン)の存在に気付くシーンも見逃せない名場面だ。

この日も厄受け巫女ウォルはいつものように眠りについたフォンの部屋に入った。ウォルは「殿下、今日はいかがでしたか。お元気でしたか」と静かな声でフォンの心をいたわる。

ウォルはフォンのひたいに手を置いた途端、彼と一緒に過ごした子どものころの記憶が脳裏をよぎり、混乱する。その時目を覚ましたイ・フォンはウォルを押し倒した後、「お前は一体誰だ、お前の正体は何なんだ?」と聞き、ドラマの緊張感と面白さを一気に高めた。

特にこのシーンはキム・スヒョンの魅力が爆発したシーンで、彼は女性視聴者の心を掴んだ。


ハン・ガイン、記憶を取り戻して嗚咽「隠月閣のあの少女はもう泣きません」

2月16日に放送された「太陽を抱く月」第14話ではウォル(ハン・ガイン)が記憶を取り戻し、自分がヨヌであることに気付くシーンが描かれた。

隠月閣に魂霊受け(恨みなどを晴らすために、霊を受ける人)として憑かれていたウォルは夢の中で、自分にそっくりな霊の顔を見て夢から覚めた。ちょうど皆既日食が始まり、救食禮(クシクレ、日食や月食があるとき行う儀式)が執り行われた。ウォルは遠くから聞こえてくる太鼓の音に、得体の知れぬの痛みを感じ、記憶を取り戻した。

次の日、ウォルは自分の生死を確認するために隠月閣を訪れた人々に冷たい眼差しで「(隠月閣の)あの少女はもう泣きません」と意味深な言葉を放った。

この日、ハン・ガインは本当にヨヌになったかのように涙を流し、凄まじい面を見せ、演技力不足のレッテルを剥がした。


キム・スヒョン、ハン・ガインがヨヌであることに気付き号泣…視聴者も泣いた

2月23日に放送された第16話でフォンは巫女ウォルが、死んだと思って胸にしまっておいた初恋の相手ホ・ヨヌであることに気付き、涙を流すシーンが描かれた。

この日の放送でフォンは巫女チャン氏に「ウォルという名前の巫女が8年前に死んだホ・ヨヌなのか」と聞いた。その問いに何も答えられないチャン氏を見て、フォンは真実に気付く。

ろくに歩けないほど衝撃を受けたフォンは涙を流し、ヨヌを思い出し、恋しがった。過去、ヨヌを失ったとき、若きフォンが号泣していたシーンとオーバーラップするシーンだった。


ミンファ姫、ナム・ボラの再発見「あの時に戻っても、私は夫を選びます」

3月1日に放送された第18話でミンファ姫(ナム・ボラ)は自分の罪を告白しながらもホ・ヨム(ソン・ジェヒ)を諦められなかった。痛ましい自分たちの状況にフォンとミンファ姫は流れる涙を止めることが出来なかった。

フォンは自分の元を訪れたミンファ姫に「ホ・ヨムをそんなに手に入れたかったのか。だから、あんなにひどいことをしたのか?」とヨヌの死について訊ねる。

ミンファ姫は、最初は知らん振りをしていたがすぐ「夫にだけは秘密にしてください。私に罰を与えるのはかまいません。ですが、夫だけには」と泣きながら、罪を認めた。

続いてミンファ姫は「あの時にもう一度戻るとしても、私は夫を選びます。後で天罰が下されるとしても、死んで地獄に落ちるとしても、あの時の選択を後悔しません」と話し、ホ・ヨムへの悲しいほどの思慕の情をあらわにした。

一途にホ・ヨムだけを見てきたミンファ姫だったため、この日の涙の告白はより切なかった。特に、ミンファ姫を演じたナム・ボラの演技に視聴者は驚き、彼女の成熟した演技は好評を得た。




チョン・イル、キム・スヒョンを守り、死を迎える「天に太陽はたったひとつだ」

15日に放送された最終回でヤンミョン(チョン・イル)はフォン(キム・スヒョン)の代わりに死を迎え、視聴者に深い印象を残した。

この日ヤンミョンは、ユン・デヒョン(キム・ウンス)一味と謀反を企み、フォンと対立する。しかし、彼はフォンに向けてかざしていた剣を急にユン・デヒョンに向け、彼を自分の手で殺める。その後、彼はユン・デヒョン一味が投げた槍をよけずに自分で受け止め、自ら死を選んだ。

ヤンミョンは自分を見つめるフォンに「私の愚かな選択をどうか許してください。天に太陽はたった一つ、もう私によって混乱は起きません」と語る。

涙を流すフォンに向け彼は、「一時期は、すべてを手にしている殿下を恨んでいました。そのため、殿下の座を狙おうとしました。しかし、王の座と引き換えに、友達と弟は失えません。あの子と民を守ってください」と懇願する。

王の庶子で生まれ、いつもナンバー2の人生を歩んできたヤンミョンは「父上、そこでは王ではなく、息子として僕に笑顔を見せてください」と微笑みを浮かべ絶命し、より一層悲壮感が漂う場面となった。


その後、放送では王妃ボギョン(キム・ミンソ)、巫女チャン氏(チョン・ミソン)も亡くなった。フォンとヨヌはハッピーエンドを迎えることとなり、物語の幕は下りた。

記者 : ソン・ヒョジョン