「サラリーマン楚漢志」女性キャラクターの新たな活用法 ― Best or Worst

10asia |


ストーリー

新薬獲得のためにホヘ(パク・サンミョン)と争奪戦を繰り広げるハンリャン(チャン・ヒョンソン)は、思いがけずホヘを殺害してしまう。ハンリャンの弟・ハンウ(チョン・ギョウン)は、証拠隠滅のためハンシン(ヤン・ヒョクウク)にユ・バン(イ・ボムス)の指紋を現場に残すよう指示する。結局、ユ・バンは殺人現場に残った指紋により、そしてヨチ(チョン・リョウォン)はホヘに殴られたときに彼の指輪に残ったヨチのDNAで、容疑者の濡れ衣を着せられ、逮捕されてしまった。だが、ユ・バンとヨチはかろうじて逃げ出し、自ら潔白を証明することになる。

Best or Worst

Best:男性中心に繰り広げられる権力争いの中で、ヨチとウヒ(ホン・スヒョン)など女性のキャラクターがしっかりとバランスを取っている。たったひとつ残された新薬の争奪戦が激しくなるにしたがって、ホヘが殺害され、その真実を隠そうとするハンリャンとハンウ、そしてホヘの空席に座ろうとする天下グループの役員たちの暗闘に、女性たちが入り込む隙は無いように見える。しかし「サラリーマン楚漢志」は、女性の登場人物を新しい方法で活用した。ウヒはユ・バンが服用する栄養剤が、実は新薬だという事実を知るたった一人の人物という設定で、誰よりも重要な“情報”という権力を持つ。反面、ヨチはチン・シファン会長(イ・ドクファ)の孫娘という権力を継承できる人物でありながらも、傍若無人な態度を取り、権力闘争から排除された。しかし、ユ・バンと共に容疑者として追われる過程で、見つからないよう捨ててあった服を着て、お金が無く残飯として捨てられたジャージャー麺を食べ、容器を取りに来た店の人に惨めな思いをさせられたりもした。このような瞬間を通じて彼女は自ら立ち上がるための踏み台を用意し、進んで権力の中心に立つ人物としての可能性を作って出ていった。女性のキャラクターが権力闘争の中心で女性美をアピールする代わりに、情報を通じて取引をしたり、既存の男性主人公が見せた成長ストーリーの可能性を提示する。さらに、二人の女性キャラクターがコミカルな演技でキャラクターのリアルさを引き立たせており、様々な面でステレオタイプとはかけ離れている。このような女性キャラクターは近頃ではとても珍しく、見ていて楽しくもある。

仲間たちとおしゃべりするポイント

― 不老不死の新薬を自身も知らないうちに服用していたユ・バン、不老不死の一人になるのか。
― 爆発ヘアのかつらや焼き餃子。オールドボーイのパロディか?
― “組織社会では、他人の不幸は自分の幸運”というのも、とても寂しい。

記者 : パク・ソジョン、翻訳 : 平川留里