Vol.2 ― 24歳のキム・スヒョン「自分を一言で定義すると?“挑戦”!」

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「10年後の姿を探しています」

キム・スヒョンに会う前に、実は少し不安を覚えた。他の人からは「スターに会えるなんて羨ましいのに、何が心配なのか」と言われるだろうが、なぜか彼に会うとなると少しプレッシャーを感じた。テレビのチャンネルを回すと彼の顔ばかり映っていて、ポータルサイトではほとんど毎日彼に関するニュースが溢れる昨今だからだ。

心配も多かった。ドラマ終了後、一日に10件を超えるインタビューをこなしていると聞いたためだ。折り悪くも「Oh!my Star」とのインタビューは朝の9時から。朝っぱらからのスケジュールだ。「一瞬にしてトップスターになったから、もしかしてスター気取りが激しくはないだろうか」「続くスケジュールで、同じ内容のインタビューを繰り返し続けていただろうに、疲れたそぶりでもされたらどうしよう」……前日の夜まで、心配は果てもなく続いた。

しかし取り越し苦労だった。朝9時3分前にオフィスに着いた彼は、文字にはできないタリョン(韓国の伝統民謡)風の鼻歌と共に写真撮影を始めた。快活な姿だった。インタビューの途中、記者の名前を元にした笑い話を聞いて、5分間爆笑(それも腹式呼吸で)する場面もあった。愉快な雰囲気で行われたインタビューは、1時間も続いた。さて、それではまたインタビューに戻ってみよう。


【10】「10年後、自分ならではのカラーを持つ俳優になりたい」

「10年だけ見守ってください!」2年前のある年末授賞式で、キム・スヒョンは自分の10年後を約束した。これは、当時の自分に満足していなかったキム・スヒョンが、10年後なら良い俳優になっているだろうとの思いから発した言葉であり、同時に「10年間は死ぬほど頑張ろう。良い俳優になろう」と自分自身を駆り立てるムチでもあった。

今も自分の演技に合格点は与えられないと言う彼は、「太陽を抱く月」の制作発表会でも専ら“信じてください”と言い続けたそうだ。こういうところを見れば、キム・スヒョンは実に欲深い俳優だ。数年前のある制作発表会で泣いてしまったのも、他でもなく自分の演技のせいだった。

「当時は、僕は演技が上手い方だと思い込んでいました。でも完成版を観て、思い違いだったことが分かったんです。“ただがむしゃらに遊んでただけだな”という気がしました。10年後は“本当の意味で遊べる俳優”になりたいです。本当に撮影を楽しんで、上手く出来る俳優に。

まだ僕のイメージは明確でないと前にもお話しましたよね。10年後はそのイメージが明確な、自分ならではのカラーが出る俳優になりたいです。今はそのカラーが何になるか、探している途中だと思います」


【1】「演技以外の道は考えたことがない」

何を尋ねても、結局話は一箇所に戻る。演技のために生きるのか、生きていたら演技をやるようになったのか。もう紛らわしくなってしまい、直球を投げてみた。「一本道を歩くのは、つまらなくないか」と。キム・スヒョンが答えた。

「昔から演技以外の他の道は、考えたことがなかったので……高校1年生の時から演技をしていました。他の俳優のインタビューを見ると、両親から演技を反対されて、逆にもっとやりたくなったとか言うじゃないですか。でも僕の場合は、母から演劇を勧められたんです。他のことは考えずにずっと演技をしてきたと思います」

そして、まだ全然足りないとも話した。「演技は“壁を壊す作業”に似ている」と言う彼は「今の僕がこれくらい(と言いながらキム・スヒョンは手で少しのスペースを作った)ならば、生きながら継続して壁を壊していかなければならないと思います」と自分流の“演技理論”を展開した。

「時間が経って経験が重なって初めて、少しずつ僕が表現出来る空間が広まるんです。僕が演劇をしていた頃から知り合いの尊敬する兄さんから『演技する人物になろうとしないで、その人物に君の一部を少しずつ入れなさい』と言われたことがあります。次第に、もっと多彩な僕の姿を役柄に溶けこませることが出来るようになるでしょう」


【24】「24歳のキム・スヒョンは“挑戦者”です!」

ここまでくると、キム・スヒョンは一体、どういう人なのか、という考えに至った。歌もある程度歌えて、演技も上手い方で、巧みな話術まで備えている。もしかして「究極体?」(記者注:ある漫画で進化を終えた生物という意味で使われる表現) この言葉に「ありがとうございます」と笑いを堪えていた彼は「身に余る評価」と恐縮した。

「僕は落ち着いているとよく言われますけど……そんな面もありますが、年頃な面もあるんです」

自身のことを「まだ男にはなり切っておらず、かと言ってももう完全な少年ではない」と定義するキム・スヒョン。「男になりたい」という彼にとっての“男”とは、きっと俳優としての理想像、そして人間としてのゴールだろう。

彼が次の作品として映画「シークレット・ミッション」を選んだと聞いた。確かにキム・スヒョンは、着実に“男”になる道を歩んでいると、安心した。彼をゆく道を見守り続けるのは、もしかしたら毎週土曜日の可能性に乏しい数字を合わせながらため息をつくより、もっと価値のある“ロト”ではないだろうか。ここで、彼に投げた最後の質問を伝える。

「24歳のキム・スヒョンは、どんな人ですか?」

「……(手をさっと上げ)挑戦者、キム・スヒョンです!」


このまま帰すわけにはいかない!キム・スヒョンの即問即答

7つの数字で彼を表現するには、あまりにも逃した話が多く、残念だった。そのため、SNSで彼への質問を集めた。この場を借りて、アイデアをくださった彼のファンの皆様に感謝のご挨拶を申し上げる。ぺこり。

―職場の女上司に「待ちうたがいいから、毎晩電話したい」と言い寄るCMを見ました。本当のキム・スヒョンさんの待ちうたは何ですか?

キム・スヒョン:……クラシックです。曲名は今は分かりません

―お酒はあまり飲まない方だと聞きましたが、もしかして酒癖が悪いのですか?

キム・スヒョン:お酒は焼酎を3~4杯飲みます。少しずつ飲んで、限界に達すると寝ちゃいます。それからは、他の人たちの“荷物”になるんです(笑)

―じゃあ、寝癖は?寝る前には何を考えますか。

キム・スヒョン:本当にぐっすり寝ることが癖です。熟睡!ぐっすり眠りすぎて、あまり考えることもありません。ハハハ。

―もう一度共演したい俳優がいるとしたら。

キム・スヒョン:チョン・ウンピョ先輩です。フフ。

―自信を持ってできる料理は?

キム・スヒョン:……料理は、出来ません。

―人生のメンター(仕事や人生に効果的なアドバイスをくれる相談者)は誰ですか?

キム・スヒョン:(本当に長く考えた末に)ペ・ヨンジュンさん!(同席した事務所の関係者と記者が爆笑すると、手を振って)いや、本当なんですよ!本当。

記者 : イ・ジョンミン、イ・ミナ、写真 : イ・ジョンミン