パク・ジニョン、彼の“いやらしい空気”にはストーリーがある

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40歳の男性ソロは「セクシーコンセプト」決して軽くない重さ

“タンタラ(以前は歌手を蔑んで表現していた言葉で、今では視聴者向けの歌手を意味する)”パク・ジニョンが戻ってきました。2009年12月以来、2年6ヶ月ぶりです。4月29日に発売されるアルバムに先立ち公開されたシングル「Someone Else」にはBrown Eyed Girlsのガインが参加し、話題となっています。音楽配信サイトのBugs、MelOn、そしてMnetなどで難なく1位を獲得している状況です。

しかし最近ではパク・ジニョンをポータルサイトなどで検索すると、必ず付いて来る単語があります。“空気”という単語です。これはパク・ジニョンが審査員として参加しているSBS「K-POPスター」で、参加者の歌を評価する際、「空気半分、声半分」と空気の重要性を力説したからです。

あまりにも頻繁に“空気”に関する評価が出ると、視聴者は空気の話が出るだけで笑うようになり、様々なバラエティ番組で真似され始めました。そしてこれは、パク・ジニョンの歌の実力に対する評価へと繋がります。

パク・ジニョンは歌の上手い歌手なのか

SBS「K-POPスター」でTOP3に入ったペク・アヨンが顔をしかめながら歌ったことに対して、パク・ジニョンが批判したことで、ネットの掲示板が熱くなったことがあります。パク・ジニョン本人も顔をしかめて歌うのはもちろん、他の数多くの歌手も顔をしかめる場合が多いため、「それでは殆どの歌手は歌が下手なのか」という批判でした。

これに対し、パク・ジニョンはTwitterで釈明、具体的な説明をした後、ペク・アヨンがテレビで成長した姿を見せると、ネットユーザーはまたパク・ジニョンの審査、そして評価に耳を傾け始めました。

しかし、今回の騒ぎの根本的な理由は、パク・ジニョンを“歌の上手い歌手”として考えている人が多くないところにあると思います。実際彼が直接歌った歌は、殆どパフォーマンスが中心だったのが事実で、歌の雰囲気をよく活かせるボーカルかもしれませんが、歌自体が上手い歌手ではないという事です。

間違った話ではないと思います。彼には気が遠くなるほどの高音も、空間をいっぱいに埋めつくしそうな声量もありません。パク・ジニョンの音楽に対する評価には別の基準が必要だと思います。

2011年9月SBS「K-POPスター」制作発表会当時のパク・ジニョン

歌詞やメロディー、コンセプトに対する確実なインパクト

パク・ジニョンが新曲を披露する度に、いつも話題になることがあります。歌詞の煽情性、つまり“いやらしい”ということです。もちろん直接的にいやらしい歌詞もありますが、隠喩的な表現の歌詞の場合、他の歌手が歌っていればそこまで話題にならないはずのものが、パク・ジニョンが歌うとすぐ話題になります。

これはパク・ジニョンの確実な位置付けが、人々の頭の中に刻まれていることを意味します。満40歳の男性ソロ歌手に“セクシー”なイメージを抱かせるのは、決して容易ではないことなので、プラス要因になることはあっても、マイナスにはならないと思います。なぜならパク・ジニョンが“ものすごいヒット”を目指し歌手活動をしているわけではないからです。

だからと言って彼は“いやらしい歌詞”だけを書く歌手ではありません。基本的に彼の歌にはストーリーがあります。曲を聴いていると、一つのストーリーが頭の中で展開されることが特徴です。これは歌をより覚えやすくする要素になります。

これは彼が歌うジャンルとも関連がありますが、「僕には彼女がいるのに」以来、パク・ジニョンは引き続きメディアムテンポのR&B曲をタイトルにしています。このようなジャンルの歌は基本的に、性的なコードと一つの物語が組み合わされて完成されます。そうでない場合、歌の魅力が大幅に失われるからです。

彼が歌手として認められる要素はこれだけではありません。パク・ジニョンは基本的に確実なメロディーフックを表現出来る作曲家です。サンプリングを作るのも上手いのですが、耳にすんなりと入るメロディーラインをキャッチする能力に長けています。(パクリ疑惑がたまにありますが、その部分はいったん置いておき、話したいと思います)

また前にも若干触れましたが、“いやらしい”を基本コンセプトとして持っているのは、他人とは違う大きな個性なので、メリットとして働きます。

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誰よりもエンターテインメント性溢れる歌手パク・ジニョン

冒頭で触れた“タンタラ”がパク・ジニョンほどよく似合う歌手はなかなかいません。41歳になっても自身が中心となり舞台でダンスパフォーマンスを披露出来る歌手は、現在韓国で彼が唯一です。プロデューサーとしての活動が多いことが事実ですが、本人も話していたように、彼が最も楽しそうに見えるのは歌手として舞台に上がっている時です。

パク・ジニョンに対する好き嫌いは明確に分かれます。それが制作者としてであれ、歌手としてであれです。しかし彼の情熱を悪く言う人はあまりいません。(むしろ過度に見えるときがあっても)いつも自身の目標に向って走るパク・ジニョン。彼の話のように“空気”が適切に含まれた歌も聴きたいのですが、パク・ジニョンは彼自身であることで既に誰よりもエンターテインメント性溢れる“歌手”なのです。

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記者 : イ・ジュンサン、写真:ミン・ウォンギ