ユン・ゲサン「誘拐の日」でイメージチェンジに成功“親の気持ちが感じられた”

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写真=ENA
ファンがつけてくれたあだ名である“千の顔ユン・ゲサン”は、godである時も、俳優である時も有効だ。彼自身はまだ“天の顔”なのか“千の顔”なのか紛らわしいというが、50歳を前にした今も、彼は“千の顔”でファンと視聴者を魅了している。

グループgodとしてデビューし、来年でデビュー25周年を迎えるユン・ゲサン。俳優としても長く活動してきた彼は「誘拐の日」を通じて、もう一度羽を広げた。これまでの強烈でカリスマ性あふれる雰囲気とは違って、どこか不器用で心の弱い誘拐犯として、演技力を証明した。

「誘拐の日」は、抜け目の多い誘拐犯キム・ミョンジュン(ユン・ゲサン)と11歳の天才少女チェ・ロヒ(ユナ)の特別な共助を描いた“感性バディスリラー”だ。

初放送が1%台の視聴率だったユン・ゲサンの天気は、曇り空そのものだった。彼は「がっかりしました」と当時の心境を語った。視聴率を気にしたくなくても、ついチェックしてしまうという彼は、アジア大会の影響で放送休止になった時、胸を撫でおろしたという。ユン・ゲサンの曇り空は長くは続かなかった。視聴率が2倍近く上昇し、晴れに変わったのだ。彼は「本当に感謝しています。観てくださる方々がいて、ありがたいことです。とても幸せです」と今の心境を語った。

ユン・ゲサンは劇中、不器用で心の弱い誘拐犯キム・ミョンジュン役を務めて、イメージチェンジに成功した。「犯罪都市」のチャン・チェンなど、強烈な役柄を通じて新鮮な衝撃と大きなインパクトを与えてきた彼は、愉快な人物への変身を選択し、卓越したキャラクターの表現で、“千の顔ユン・ゲサン”を再び証明した。

彼は「僕はそれなりに一生懸命に準備して作品に臨む人の1人ですが、キム・ミョンジュンは外見的に純朴じゃなければならないと思いました。鏡を見ながら『今、ミョンジュンっぽいな』という印象を受けました。4kgほどしか増量はしませんでした。休むタイミングには好きなだけ食べて、撮影に入ってから減量するのですが、少し太っている状態で入ったので、食べたらすぐに体重が増えました」と話し、「本当に楽に演技をしました。台本を初めて読んだ時は、キム・ミョンジュン役について悩みが多かったんです。2%足りない部分をどのように表現すればいいか悩んだけれど、知識が浅い人ではなく、少し純朴で純粋な設定にしようと思いました。自分にもそのような面があると思っていたので、それを最大限に際立たせました。今は年を取って、少し真面目になりましたが、年齢を重ねても本質は変わりません。それをより自然に見せました。大人だけど、大人っぽくない姿を見せようと考えました」と語った。

また「軽くてコミカルな役は、俳優に対する完璧な信頼がない限り、ずれていて浮いているように見えると思います。それに揺れることなくまっすぐ進めば通じると思います。疑いながらも俳優生活をかなり続けているので、どっしりと突き進む方です。青春のある一面は、少しは真面目ではなく揺れることから始まり、ぼんやりしていますが、それをずっと続けていって成長していく姿を見せれば、見る人も認めてくれます」と語った。

「犯罪都市」のチャン・チェンがこれまで彼を代表するキャラクターの1つだったため、「誘拐の日」のキム・ミョンジュン役は、完璧なイメージチェンジだった。彼は「反応を見たら、僕の名前はなさそうでした。ご覧になる方々が笑えるチャン・チェンとおっしゃっています。チャン・チェンか、godのユン・ゲサンと呼ばれているけれど、キム・ミョンジュンと呼ばれたらまた新しいと思います」と語った。

彼は「面白そうだと思いました。キム・ミョンジュンのような役はあまりオファーされないキャラクターなので、どんな感じだろうかと想像してみました。面白そうな作品だったので出演することに決めました」とし「始まりは犯罪です。悪いことから始まったけれど、主人公には好感を持っていただかないといけないと思いました。本性はそうでないという事実を際立たせるため、純粋なところをたくさん見せました。皆さんが温かい目で見てくださったのでよかったと思います」と語った。

特に中途半端なキム・ミョンジュンについて「アクションは元々台本に少しかっこよく描かれていました。でも、キム・ミョンジュンと合わないと思ってかなり修正したんです。自由に、完璧ではない姿を見せようと思いました。そうしてこそキム・ミョンジュンらしくなるだろうと思ったんです。かっこいいアクションは主人公がかっこよくてこそ成立すると思います。キム・ミョンジュンはそれよりも『どうやって勝ったんだ?』というふうに見せたいと思いました。そう見せるため多くの方が苦労してくださいました」と説明した。

「誘拐の日」でチャン・チェンと正反対な姿を見せたユン・ゲサンは、父性愛に溢れる人物を演じ、もう一度新しい経験をした。彼は「年を取ると親の気持ちも感じられますし、子供がいると思って想像すると、若い頃よりはもっとリアルに感じられました」と話した。

父性愛の完成は、女優ユナとの共演だった。劇中チェ・ロヒ役を演じたユナとの共演についてユン・ゲサンは「子役の場合、両親の夢を代わりに叶えてあげるケースが多いけれど、ユナさんは両親がさせたんじゃなくて、自分で考えたと言っていました。だからアプローチの仕方が少し違ったと思います。すぐに知りたいと思うし、うまくやりたいと思っていました。呑み込みがすごく早いんです。マネージャーに言ったけれど、これまで会ってきた相手俳優の中で一番純粋で僕の話をよく聞いてくれて、とても面白かったです。好きになるしかありませんでした」と語った。

続けて「まごの手で殴るシーンもアドリブでしたし、誘拐犯だと知って逃げて捕まえるのもアドリブでした。動きが多いところはほとんどアドリブでした。この作品を通じて明るさを伝えたいと思ったけれど、方法はケミストリー(相手との相性)にあると思いました。そのようなやり方でよくなったと思います」と伝えた。

40代半ばで、もうすぐ50歳になるというユン・ゲサン。“国民のアイドル”であり、俳優としての道を歩んでいる彼は「問題を起こさず、きちんと生きていかなければならないと思います」とし「年を取れば取るほど素敵な人にならなければならないと思います。以前のように多くのことは考えていないと思います。結婚もしているし、僕はトラブルを起こすタイプでもないので、僕が好きなことをしながら生きていきたいと思います」と語った。

結婚という人生の大きなイベントも彼をさらに新しくした。彼は「妻がいるから妻の人生も気遣うようになります。もっと慎重になりました。心強いパートナーができて力が出ます。芸能人で公人なので、被害を受けるのではないかと考えるのだと思います。妻が事業もしているので、お互いに心配していると思います」と話した。子供ができたら芸能人にさせるかという質問には「悩んでみなければならないと思うけれど、才能があれば反対はしないと思います」と説明した。

最後に彼は「放送をご覧になってほしいです」とし「ものすごい内容があります。後半でキム・シンロクさんとユナさんのポテンシャルが爆発します。その部分に集中してほしいです。俳優たちの演技が本当にリアルです」と伝えた。

記者 : チャン・ウヨン