キム・デミョン主演映画「連鎖」がいよいよ日本公開!「賢い医師生活」のメンバーからの動画に感謝“大切な友達”

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ドラマ「ミセン-未生-」や「賢い医師生活」で日本でも注目を集める俳優キム・デミョンの主演映画「連鎖」が、日本で2022年4月8日(金)より公開される。知的障がいを持つ青年が、予期せぬ出来事によって翻弄される様を描いた本作は、第23回釜山(プサン)国際映画祭で高い評価を得た話題作。8歳の心を持つ30代の青年ソック役に扮したキム・デミョンは、親しい間柄だった村人たちから突然拒絶され、孤立を極めてゆく心情を圧巻の演技力で表現し、観客の心を鷲掴みにした。

映画公開を控えてKstyleでは、キム・デミョンにインタビューを敢行。映画に対する姿勢や思いから、これまでの出演作の振り返り、日本に関する質問まで、たっぷりと話を聞いた。

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――「連鎖」のシナリオを初めて読んだとき、どんなことを感じられましたか?

キム・デミョン:まずは、ストーリーがしっかりと練られていると感じました。この作品は見る人の立場によって感じることが違うと思いますが、僕が正解を導くというよりは、ともに考えながら演じるのはどうだろうかという気持ちが大きかったです。

――セリフが少ないシナリオで、ソックの心理を解釈するのに苦労したそうですね。いつもペンケースを持ち歩いて台本にいろいろと書き込むそうですが、今回はどんなことを台本に書き込まれましたか?

キム・デミョン:セリフがあまりないので、その間にソックがどんな行動をとるかについてメモをたくさん書きました。言葉の代わりに行動や表情で感情を表現しないといけないので、細かくチェックしながら記録することが多かったです。ソックがどんな気持ちでどんな行動をとるかについて、まずは自分で悩みながら考えて、その後は監督さんと相談して、正解を探そうと努力しました。

――役作りにあたって障害者施設を訪問されたそうですが、そこで感じたことは?

キム・デミョン:僕も自分では気が付かないいうちにソックと似たような境遇の子に対して、少し偏見を持っていたことに気が付かされました。実際に話してみたり、施設の先生とお話をするうちに、実は僕らとそんなに変わらない子たちだとわかりました。

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――精神年齢が8歳のソックを演じるにあたって、ご自身の8歳の頃を思い浮かべたと聞きましたが、キム・デミョンさんは小学生時代どんな子供でしたか?

キム・デミョン:ふざけるのが好きなわんぱくな子どもでした(笑)。友だちと遊ぶのが大好きでした。

――勉強はどうでしたか?

キム・デミョン:勉強はさほど重視していなくて(笑)、とにかく遊ぶことが楽しかったです。校庭で鬼ごっこや凧揚げをしたり、ボール1つさえあれば、ずっと遊んでいました。

――その頃は、まだ俳優を夢見たりはしてないでしょうか?

キム・デミョン:具体的な夢はまだ持っていませんでしたが、課外授業で演劇をやったこともあったので、今思えば子どもの頃から人々を楽しませることが好きだったのかもしれません。

――ソックは家出少女のウンジと親しくなったことが、その後の事件につながってしまうわけですが、ウンジ役のチョン・チェウンさんとはどんな交流がありましたか?

キム・デミョン:演技がとてもうまい子なので、一緒に撮影するのは楽しかったです。オーディションの頃から見てきたのですが、最初からうまく演じてくれるという信頼がありました。撮影の合間には、どんなことが好きで、普段はどんなことをして遊んでいるのか聞いてみたりしました。ウンジくらいの年頃の子がどんなことに興味を持っているのか気になりもしたし、気分を和らげるのにもいいと思ったので。

――「賢い医師生活」の恐竜稜線のメンバー(チョ・ジョンソク、ユ・ヨンソク、チョン・ギョンホ、チョン・ミド)たちが寄せた「連鎖」の動画推奨コメントも話題になりました。映画を見たメンバーたちからは、どんな感想がありましたか?

キム・デミョン:「よかったよ」「とても胸が痛い物語だった」「難しい役だったと思うけれど、よく頑張ったな」と言ってくれました。
 

「ミセン」キム代理と「医師生活」ソッキョン、自分の性格との共通点は?

――日本では「ミセン」のキム代理、「医師生活」のソッキョンの印象が強いキム・デミョンさんですが、ご自身の性格について共通点は?

キム・デミョン:ソッキョン共通点があるとしたら、友だちと遊ぶことが好きで、いたずら好きだということですね。キム代理とは、相手の話を理解しようと努力をすることです。

――では、役柄の特徴とご自身のシンクロ度についてお伺いします。キム代理の「なんだかんだと後輩思い」とのシンクロ度は?

キム・デミョン:どうでしょうかね。相手の話を聞こうとする姿勢が重要だと思うので、タイプは違っても同じだと思います。

――次は、ソッキョンについて。「グィチァニズム(面倒なことは絶対しない主義)」。

キム・デミョン:それはまったく違いますね。

――「気難しい性格」はいかがですか?

キム・デミョン:それも違います。でも仕事に関しては確実にしようとするし、適当にはできない性格なので、多少はあるかもしれません。普段の生活では細かいことは気にしないで「複雑に考えない。普通にいいことがいいんだ」と考えるスタイルです。

――「ひきこもり体質で、TVを見るのが趣味」については?

キム・デミョン:歩くことが好きなので、ひきこもりではないですね。TVを見るのは好きですが、家にずっとはいません(笑)。

――好きなTV番組はありますか?

キム・デミョン:決まって見るというものはなくて、チャンネルを回してランダムに見る感じです。

――ドラマもご覧になりますか?

キム・デミョン:時間を合わせて見ることは難しいので、録画をしておいて見ることはあります。いろいろ見たので、何がおもしろかったかがすぐに思い浮ばないのですが……。あ、最近、チョン・ミドさんが出演している「39歳」を見ました。すごく上手く演じているなと思いました。僕が知っている姿とは違うので、少し不思議な感じがしました(笑)。

――こうやってインタビューをしていると、人見知りとの印象を受けましたが、いかがですか?

キム・デミョン:その通りですね(笑)。人間関係に対して注意深いタイプなので、親しくなるまでは少しずつ近づいていく感じです。
 

「賢い医師生活」のメンバーとの絆“チング、大切な友だちです”

――映画を中心に数々の作品に出演されていますが、キム・デミョンさんにとってターニングポイントになった作品は?

キム・デミョン:ドラマでは「ミセン-未生-」と「賢い医師生活」。映画では「テロ、ライブ」です。声だけですが大きな役をいただいたのが初めてだったし、特別な経験だったので、意味が深い作品です。「ミセン-未生-」は、多くの方が顔を覚えてくださったことがうれしかったし、不思議でした。「賢い医師生活」では、それまでの作品とは違う姿をお見せしましたが、多くの方がその姿を好きになってくださって、応援してくださったので、ありがたい気持ちをたくさん感じた作品です。

――「賢い医師生活」シーズン2ではラブラインが印象的でした。どんな反響を感じましたか?

キム・デミョン:どうなんでしょうかね。皆さん、いいと言ってくださっているようですが、自分の口から言うのは恥ずかしくて……(笑)。


――キム・デミョンさんにとって「賢い医師生活」の恐竜稜線のメンバー(チョ・ジョンソク、ユ・ヨンソク、チョン・ギョンホ、チョン・ミド)はどんな存在ですか?

キム・デミョン:チングです!! チングは “(日本語で)友だち”ですよね? 友だちです。社会生活において、友だちに会うことはそんなに簡単なことではないですが、大切な友だちです。わざわざ僕のために動画までとってくれて、とてもありがたかったです。

――視聴者目線で見ると、恐竜稜線の皆さんはドラマのキャラクターと実際のお人柄が同じではないかと思ってしまうのですが、いかがですか?

キム・デミョン:実際にもキャクターの性格と似ていますよ。みんな明るくて思いやり上がって、ふざけ合うのが好きで、共通点が多いと思います。

――ファンからはシーズン3を熱望する声が上がっています。もしシーズン3があるとしたら、個人的にどんなストーリーが展開してほしいですか?

キム・デミョン:個人的な希望はまったくないですね。脚本家の先生がとてもいい物語を書いてくださることはわかっているので。もしも、続きの話があるとすれば、今度はどんなおもしろいことが起きるのだろうかと期待するだけです。

――演じている役者としても、面白く、楽しい作品ですか?

キム・デミョン:もちろんです。いいスタッフといい俳優が1つのチームになって、いい作品を作ることは幸せなことだと感じながら演じています。

――台本を読みながら泣くこともありますか?

キム・デミョン:「賢い医師生活」に限らずに、台本を読んで感情が高ぶって泣くことはよくありますし、爆笑することもあります。

――これから、どんな作品でどんな役柄をやってみたいですか?

キム・デミョン:どんな役をやってみたいとかは考えないほうなので、とにかくおもしろいシナリオが僕のところに来たらいいなと思います。あとは、友だちとか家族とか、普段周りにいる人たちとの平凡な日常を描いた作品もやってみたいです。そういう作品を演じるのが実はとても難しいようです。

――最近のご活躍について、ご両親はどんなことをおっしゃっていますか?

キム・デミョン:愛想がいいタイプではないので言葉は少ないのですが「いい人たちと仕事ができているようでよかった」と言ってくれました。多くの方々が好意的に見てくださるのをよろこんでくれているようです。
 

役作りのために8kg減量「ランニングとヨガがいい影響を…」

――役作りのために8kg減量されて、その後も維持されているとのことですが、ダイエットや健康において気にかけていることは?

キム・デミョン:運動はずっと続けています。最近はランニングが好きです。ちょっと前にヨガも始めたのですが、柔軟性が養われるし、精神的に落ち着くこともあって、とてもいいようです。ランニングとヨガが身体にも精神的にもとてもいい影響を与えている気がします。ランニングは1日に1時間ちょっとくらいはしています。ダイエット面では、やはり過食をしないことと、なるべくゆっくり食べることを心がけています。

――ヨガは先生に習っているのですか?

キム・デミョン:はい。時間ができた時に習いに行くのですが、楽しいですよ。

――身体は柔らかいほうですか?

キム・デミョン:固いから習いに行っているんです(笑)。

――1日のルーティーンみたいなのはありますか?

キム・デミョン:特に決めていることはないですが、なるべく遅くまで寝ないように。朝9時には1日をスタートさせようとしています。

――ドラマの影響で日本でもキム・デミョンさんのファンが増えていますが、実感はありますか?

キム・デミョン:今の状況下で日本に行けていないので、実感はないのですが、Netflixを通じて日本でもたくさんの方が作品を見てくださっているというのは聞いていますので、感謝の気持ちが大きいです。

――「賢い医師生活」のシーズン2でのラブラインで、女性ファンも増えていますよ。

キム・デミョン:(笑)。ありがとうございます。

――ぜひ日本でファンミーティングをしていただきたいですが、もしするならどんなことをしてみたいですか?

キム・デミョン:そうですね~。なにをするかというよりも、実際にお会いしてご挨拶をして、目を合わせてお話をするだけでもすごくうれしいと思います。早く新型コロナウイルスの状況が落ち着いて日本の皆さんとお会いしたいです。
 

「日本の居酒屋でビールを1杯、必ず!飲みたいです(笑)」

――お仕事以外に日本でやりたいことはありますか?

キム・デミョン:歩くことが好きなので、田舎の町を歩きたいですし、小さな居酒屋に行ってビールを1杯、必ず! 飲みたいです(笑)。

――日本について興味があることは?

キム・デミョン:日本のことを考えるといい思い出ばかりが頭に浮かびます。旅行で行くたびに、人々がみな親切で、街並みがきれいで、田舎の風景も風情があって、料理もとてもおいしくて、いつもいい気分で帰国していました。数年前に札幌に行ったのですが、雪がとてもきれいで、ジンギスカンがとてもおいしかったです。

――次に日本に行くとしたら、どこに行きたいですか?

キム・デミョン:う~ん。福岡にもう一度行ってみたいです。温泉が有名ですし、韓国とも近いので、コロナの状況が収まったらぜひ行きたいですね。

――日本料理は何がお好きですか?

キム・デミョン:なんでも好きですが、すしとか、居酒屋で出る小さなおつまみとビールが好きですね。すしネタはなんでも好きで、好き嫌いなく食べるほうです。

――日本の映画やドラマをご覧になることは?

キム・デミョン:もちろんあります。子どもの頃に見た「ラブレター」がとても印象に残っています。

――日本映画への出演は考えていらっしゃいますか?

キム・デミョン:いいシナリオや、いい機会に恵まれたら、もちろんやってみたいです。

――では、最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

キム・デミョン:日本も韓国も今は自由が制限されて息苦しい状況で、お互いの国を行き来できない日々が続いていますが、早くこの状況が収まって、日本に行って皆さんとお会いできる機会があることを願っています。その日まで皆さんが健康でお幸せでいらっしゃいますように。



取材:安部裕子

■作品情報
「連鎖」
2022年4月8日(金)よりシネマ-ト新宿他、全国順次公開

製作国:韓国 / 言語:韓国語 / 製作年:2020年
仕様:ステレオ/107min/DCP
日本語字幕:安河内真純
字幕制作:株式会社ワイズ・インフィニティ
配給:ライツキューブ
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【スタッフ】
監督・脚本:キム・ジョンシク

【キャスト】
キム・デミョン、ソン・ユナ、キム・ウィソン、チョン・チェウン 他

<あらすじ>
30代で知能が8歳ほどの青年・ソック(キム・デミョン)は、小さな農村で精米所を運営しながら友人や近隣の人々と穏やかに暮らしていた。そんなある日、村の祭りでスリが発生し、犯人は最近やって来たばかりの家出少女・ウンジ(チョン・チェウン)だと皆が誤解するも、ソックが真犯人を捜し出す。それがきっかけでソックとウンジは友として2人だけの濃密な時間を過ごし始める。ウンジを保護していたキム先生(ソン・ユナ)は2人の関係性を心配したが、ソックと家族のように親しい神父(キム・ウィソン)がただ2人を見守ろうと宥めるのであった。しかしある夜、ソックの精米所に1人でいたウンジに予期せぬ事故が起こり、そこに居合わせたソックの行動を目撃したキム先生は彼を通報するに至るが……。

「連鎖」オフィシャルサイト:https://stoneskipping-jp.com/

記者 : Kstyle編集部