「目撃者」クァク・シヤン「韓国に実在した連続殺人犯をモチーフに…ゾットするような内容もあった」

OSEN |

俳優クァク・シヤンが映画「目撃者」で連続殺人犯に変身し、商業映画では初めての主演を務めた。映画関連のインタビューは初めてだと話した彼の顔には、緊張とときめきが共存していた。

最近、ソウル三清洞(サムチョンドン)のカフェでは、映画「目撃者」の主演クァク・シヤンのインタビューが行われた。

映画「目撃者」(監督:チョ・ギュジャン)は、マンションのど真ん中で人を殺した殺人者とその事件の目撃者が目が合ってしまったことから繰り広げられるストーリーを描いた、スリラー映画だ。殺人を目撃したが、見ていないふりをしなければならなかった目撃者のサンフン(イ・ソンミン)と、自身の殺人を目撃した目撃者を殺さなければならないテホ(クァク・シヤン)の戦いを描いており、観客たちに最強のスリル感やサスペンスを与えている。

「目撃者」でクァク・シヤンは、理由もなく殺人を犯す残酷な殺人犯テホ役を務めた。これまでの作品で見せてきた優しいイメージから一変し、殺人犯というキャラクターで180度異なった顔を見せている。

クァク・シヤンは、2014年に韓国で公開されたクイア映画(性的マイノリティを扱った映画)「夜間飛行」でデビューし、本格的に演技を始めた。その後、ドラマ「気分の良い日」「七転び八起き、ク・ヘラ」「ああ、私の幽霊さま」「きっと☆うまくいくよ!」「魔女宝鑑」、韓国版「最後から二番目の恋」「シカゴ・タイプライター」、映画「ロボット:SORI(音)」などの作品に出演しており、今回の「目撃者」にまで出演して、着実に自身のフィルモグラフィーを築いている。

映画に出演した感想についてクァク・シヤンは「映画に関連してインタビューをするのは初めてで、映画『目撃者』が商業映画では初めての主演作です。だから僕にとって特別な意味を持つ映画です。だから映画を準備しながらドキドキしたし、不安も多かったです。『映画の中で重要な人物なのに……。上手くやらなきゃいけないのに……』といった気持ちで、緊張もしていました。そのような緊張感をほぐしてくれたのがイ・ソンミン先輩と監督でした。『上手くやっているから、もう少しだけ頑張ろう』と言ってくれましたね。今も本当に感謝しています」とし、感謝の気持ちを伝えた。

更にクァク・シヤンは「特に、主演という責任の重さで大変だったりはしませんでした。監督と先輩が優しくしてくれたし、僕は『僕にできる限りのことをしよう』と思っていました。何かを無理に引き出そうとはしなかったです。それがこの映画が望むものなのではないかとも思いました」と説明した。

彼は「殺人犯というキャラクターで出演のオファーを受けた時、監督は僕の顔に二面性があると言ってくれました。純粋だが、一方で目から下の顔には怖い部分もあるらしいです。だからこのキャラクターの配役として僕を思いついたと話してくれましたね」と明らかにした。

他の連続殺人犯のキャラクターとどのような部分で差別化をしたかという質問に、クァク・シヤンは「映画『追撃者』『かくれんぼ』などの良いスリラー映画がたくさんあるので、それらの映画の中の人物を真似することになってしまうのではないかと心配しました。『目撃者』は生活密着型の映画なので、現実性を重視しました。いつも監督と会話をしながらキャラクターを作りました」と話した。

韓国に実在した連続殺人犯チョン・ナムギュをモチーフにしたことについて、クァク・シヤンは「全く同じく真似をしたわけではありません。チョン・ナムギュの習性を僕の中心軸にしました。彼は普段からすごく緻密で、計画的な人だったらしいです。だから足跡を残さないために靴底をくり抜いたり、警察に捕まらないために体力をつけるなどの行動をしていました。動画サイトなどで、チョン・ナムギュという人物についての関連資料をたくさん調べました。そのような資料を探していると、ゾットするような内容も多かったです。これ以上殺人ができなくなって生きる意味がないと判断したチョン・ナムギュは、刑務所で自殺したという話も聞きましたね」と説明した。

映画でいつもハンマーを持ち歩いていることについては「ハンマーが思ったよりすごく重いんです(笑)。だから本物のハンマーと偽のハンマーを交互に使って撮影しました。最初は本物のハンマーで練習していたのですが、何度も振り回していたら腕がすごく痛くて大変でした(笑)。だから後には偽のハンマーを主に使いましたね」として、笑顔を見せた。

セリフがほとんどない殺人犯テホというキャラクターを演じる上で、見た目に変化をもたらす為に13kgも体重を増やしたというクァク・シヤンは、撮影が終わった現在は、ダイエットに取り組んでいるという。

これについてクァク・シヤンは「今は体重を目標の80%ほどにまで減量しました。目標体重までは3~4kgほど残っています。これまで13kgも増量したので、それを一気に減らすのは容易じゃなかったです。簡単には減らないですね」として、ダイエットの難しさを打ち明けた。

また「撮影前の1ヶ月半の期間で13kgを増量しました。主に高カロリーの食べ物をたくさん食べました。チキンやピザを食べるのは基本で、目に見える食べ物は全部食べていた気がします。夜食やお酒もたくさん飲みました。そしたら急激に太りましたね」と話した。

急に体重を増やして「目撃者」の撮影に入ったため、大変な部分もあったという。これについては「太っている状態で走ったら、膝が痛かったです。ゆっくりと太れば身体も適応できただろうし、運動を並行していたら、あまり痛くならなかったとは思いますが、運動もせずに急激に体重が増えたから、そうなったようです。俳優なのでいつも管理をしていたけれど、思いっきり食べられるということで最初は嬉しい気持ちもありました(笑)。でも、食べるのにも限界がありました。美味しい食べ物も毎日食べたら飽きるので、少し辛かったです。チキンも毎日食べたら飽きるし、お金もかかります」と告白し、笑いを誘った。

クァク・シヤンは「完成した映画を見て自信がつきました。この映画が大作の映画に比べたら規模は小さいけれど『可能性はある』と思いましたね。本当にたくさんの観客たちに『目撃者』を観ていただきたいです。映画が与えているメッセージははっきりとしているし、考えさせるものがあります」と話して「目標観客数は500万です」という覚悟も伝えた。

そして最後にクァク・シヤンは「これまでは甘くてスイートなキャラクターを務めてきたけれど、今回の映画を通じてイメチェンに成功し、成長したという評価をいただけたら嬉しいです」と付け加えた。

記者 : ハ・スジョン