「六龍が飛ぶ」ピョン・ヨハン“どの瞬間も挑戦のドラマでした”

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映画「ソーシャルフォビア」で映画賞新人賞を受賞し、韓国の大人気ドラマ「未生-ミセン-」に主役の同僚役で出演、ミュージカル「ヘドウィグ:ニューメイクアップ」では大胆なメイクを披露し、韓国エンタメ界で話題を集めたピョン・ヨハン。そんな彼が「六龍が飛ぶ」ではスタントなしで剣士に挑み、50話という長編ドラマを乗り切った。本作で演じた役柄について、共演者の印象、撮影エピソードなど…余すことなく語ってくれた。

イ・バンジ/タンセ役のオファーを受けた時の最初の印象をお聞かせください。

ピョン・ヨハン:全50話で韓国の歴史を描いた作品、史劇のオファーを受けたときは、僕自身も挑戦してみたかったジャンルでしたが、悩んだ部分もありました。最初に悩んだのは、50話もの長い作品で剣士役を演じ抜くことができるだろうかという点についてでした。ですが、若手俳優だからこそ挑戦しようと思うようになりました。恐れ半分、自信半分という気持ちでした。

ご自身が感じるイ・バンジ像はどんなものでしたか。

ピョン・ヨハン:シナリオには、とても純粋で優しくて、悪く言えばとても愚鈍だと書いてありました。農作業だけをしながら生きる運命でしたが、剣士として生きていくことになるという部分に大きな魅力を感じました。そして、途方もなく大きなトラウマを持っています。この役を引き受けて演じながら、そうしたポイントについていろいろと研究してみたいなと思いました。

実際に撮影に入って発見したことや、役柄のイメージが変わった部分はありましたか?

ピョン・ヨハン:新しい台本が1話ずつ上がってくるたびに、やはりドラマですから、さらにいろいろと煮詰めていかなければならない点がたくさん出てきました。それから僕ってこんなに体力があったんだな、と気づきました(笑)。ハハハハハ。自分ではひ弱だと思っていたんです。でも、思っていたよりずっと体力がありました。

アクションシーンは、ほぼご自分で演じられたそうですね。

ピョン・ヨハン:代役を演じてくれる先輩方もいたのですが、撮影に入る前に3ヶ月ほどアクションスクールに通って、かなりハードな訓練をしました。本当に難しい部分、俳優がケガをする恐れのあるアクションを除いては、ほとんどすべて自分でやりました。先生が上手に教えてくださったおかげです。この場をお借りして、ソウルアクションスクールのカン・ヨンウク監督、ありがとうございました!

今作の役作りの上で特に気をつけた点は?

ピョン・ヨハン:剣士らしさです。剣士らしくあることを最も重視しました。剣士としての生き方や物腰が滲み出るといいなと思いました。特に刀を握ったときや敵を呼ぶとき、そういった部分にかなり気を遣いました。何といっても剣士役だったので。

イ・バンジはキル・テミをはじめ多くの敵と戦いますが、どの敵が特に印象に残っていますか?

ピョン・ヨハン:キル・テミ!(即答)。なぜなら、高麗一の剣士の座にのし上がる瞬間でしたし、いちばん寒い日に撮影をしたので(笑)、すごく記憶に残っています。セリフもキル・テミと交わす言葉が印象深いと思いませんか? セリフと僕の感情がぶつかり合ったとき、そのスパークする感じが良かったです。

(C)SBS
このドラマは、そうそうたるメンバーで撮影されましたが、共演者との印象的な出来事やエピソードはありましたか。

ピョン・ヨハン:俳優がみんなイタズラ好きでした。カメラの前では一生懸命、真剣に演じているのに、終わるとすぐにふざけ合って親しくなりました。エピソードというよりは、そうした瞬間が今でも記憶に残っています。とても幸せな時間でしたし、素敵な方ばかりでした。

妹のプニ役を演じたシン・セギョンさんの印象はいかがでしたか?

ピョン・ヨハン:プニ役のシン・セギョンさんは、頑張り屋で素晴らしい資質を持っている女優さんだと思います。ものすごく謙虚ですし。そして、劇中でタンセとしてプニと再会したときは悲しかったですね。シン・セギョンさんが僕のことを兄さんとして見つめてくれたので、僕も演技に集中できました。

タンセがヨニと再会するシーンも印象的でしたが、チョン・ユミさんとの共演はいかがでしたか?

ピョン・ヨハン:チョン・ユミさんは謙虚でとても美しい女優さんです。美しいからこそ、演技に集中することができたし、ただただ感謝しています。でも、実は、すべての俳優の皆さんに感謝しています。撮影をしながら、大変な瞬間を分かち合わなければなりませんでしたし、お互いに頼り合っていたので。(僕にとっては) みんな美しい人々です。

(C)SBS
チョン・ユミさんと胸の痛むロマンスがありましたが、ヨニに対するタンセの心を演じるうえで気を遣ったのはどんなところでしたか?

ピョン・ヨハン:申し訳ないという気持ちがいちばん大きかったです。何もできず、力のない自分、強くなってからも近づくことはできない相手がヨニでした。そんなトラウマができてしまったので、目を見つめることすら辛かったですね、なんとなく。

タンセにイ・バンジという名前をつけたイ・ソンゲ役のチョン・ホジンさんとの共演はいかがでしたか。

ピョン・ヨハン:すごくカリスマのある方です。後輩から見て「あぁ、あんな先輩になりたいな」と思いました。現場でも本当に素晴らしい姿勢と、素敵な姿で中心となってくださって「やっぱり最高だ」と思いました。

チョン・ドジョン役のキム・ミョンミンさんとの共演はいかがでしたか?

ピョン・ヨハン:あれほどの長いセリフをこなして、本当にすごい方だと思います。とても尊敬しています。チョン・ホジン先輩も尊敬していますが、やはり共演した時間が長かったので、本当に後輩として多くのことを学びましたし、すごい先輩です。後輩のことをかなり気遣ってくださって大事にしてくれて、カッコいい方です。本心ですよ、三峰先生!

ムヒュル役のユン・ギュンサンさんの印象は?

ピョン・ヨハン:彼の話はあまりしたくないですね(笑)。どうしてインタビューに来てまで彼の話を…(笑)。毎日電話で話してるんですよ。ギュンサン“さん”は…アハハッ(笑)、僕らのギュンサンさんはものすごくイタズラっ子で、兄さんたちに対しても愛嬌たっぷりで、演技をするときはとてもナイスだし、カッコいいです。撮影も無事に終わって、頼りたいときに頼れる弟ができたようです。俳優としても共に歩めて、お互い通じ合えるので、むしろ僕のほうが弟みたいだったような気がします。2人でいつもふざけ合って、かなり親しくなりました。

イ・バンウォン役のユ・アインさんの印象は?

ピョン・ヨハン:ユ・アインさんは繊細で驚くほど集中力が高いので、そうした面に刺激を受けました。その一方で、素顔のアインさんを見ていると、かわいくて、愛らしいんです。「六龍が飛ぶ」は全体的な雰囲気として、集中度が高い現場でした。監督を筆頭に、スタッフも全員集中力が高くて、皆さん素晴らしかったです。実はこのインタビューを受けることになったとき、一体どんな話をしようかと悩んだのですが、皆さん愛しています!

劇中で講唱師として、パンソリ(伝統的民俗芸能) の歌声を披露したシーンも話題になりましたが、撮影時に記憶に残っているエピソードはありますか?

ピョン・ヨハン:あの日はものすごく暑かったので、前入りしていたエキストラの皆さんはかなり暑かったと思います。それでも僕たちのリアクションをしっかりと受け止めてくださったので、僕も楽しみながら演じることができました。あれは確か3回目ぐらいの撮影だったと思います。おもしろかったことを思い出しますね。

(C)SBS
ご自身の役以外で、好きなキャラクターはいますか?

ピョン・ヨハン:挑戦してみたい役割は多いです。選り好みせず、どんな役もうまくこなして吸収しなければならないと思いますが「六龍が飛ぶ」をもう一度やるとしたら、次もイ・バンジの役を演じたいです。

名場面、名セリフを選ぶとしたら?

ピョン・ヨハン:どの回にも強烈な場面がありますが、覚えていようと思ってもなかなか難しいんです。全50話なので長いでしょう。でも、終盤でのチョン・ドジョンのシーンが印象に残っています。胸が痛むシーンでした。それからチョン・ドジョンとナム・ウンが話す場面も印象深かったです。僕がここで自分が演じたシーンを挙げるのは、滑稽な気がするので止めておきます。

「六龍が飛ぶ」はご自身にとって、どのような作品になりましたか?

ピョン・ヨハン:どの瞬間もすべて挑戦だったと思います。この作品を選択した瞬間から、撮影が終わる瞬間まで、挑戦するということについてたくさん考えました。先輩方の演技を見て後輩として吸収したいとたびたび感じましたし、多くのことを学んで、たくさんのことを教えていただきました。「六龍が飛ぶ」の50話は、自分との戦いだったように思います。無事に終わって、すべての瞬間に心から感謝しています。

日本の視聴者に「六龍が飛ぶ」の見どころについてご紹介をお願いします。

ピョン・ヨハン:見どころはかなり多いのではないでしょうか。韓国の歴史と、その中で描かれるアクションや楽しさがあるので、そうした点をそれぞれご覧いただけたらうれしいです。(イ・バンジの注目ポイントは?) イ・バンジよりも、ドラマ「六龍が飛ぶ」を楽しく見ていただけたらと思います。イ・バンジはアクション担当なので、合間に出てくる華麗なアクションに注目してご覧ください。

ドラマをご覧になる日本のファンに一言お願いします。

ピョン・ヨハン:こんにちは。「六龍が飛ぶ」でイ・バンジ役を演じたピョン・ヨハンです。日本のファンのみなさん、僕たちの「六龍が飛ぶ」最後まで楽しくご覧いただき、今後も韓国ドラマをたくさん愛してくださいね。ありがとうございます。

■商品概要
「六龍が飛ぶ」
○セル
11月16日より順次リリース/韓国オリジナル版・全5BOX
2016年11月16日 DVD-BOX第一章
2016年12月21日 DVD-BOX第ニ章/DVD-BOX第三章
2017年1月18日 DVD-BOX第四章/DVD-BOX最終章
品番:PCBG・61665~61669
価格:各¥15,000+税
[収録]各5枚組(各BOX・10話収録)
日本語字幕版/日本語吹替版収録
全5BOX/全50話収録/約60分(各話)
[特典映像]
メイキング映像/キャストインタビュー/韓国版予告編/日本版予告編/韓国版番宣番組等
発売元:フジテレビジョン/ポニーキャニオン 発売元:ポニーキャニオン
(C)SBS

○レンタル
テレビ放送版・全33巻
品番:PCBG.73011~73043
11月2日より順次レンタル開始
2016年11月2日 第1巻~第6巻
2016年11月16日 第7巻~第12巻
2016年12月2日 第13巻~第18巻
2016年12月21 日 第19巻~第23巻
2017年1月6日 第24巻~第28巻
2017年1月18日 第29巻~第33巻(最終巻)
[収録]
各巻2話収録(第33巻のみ1話+特典映像収録)
日本語字幕版/日本語吹替版収録
話数:全65話/約45分(各話)

【出演】
イ・バンウォン:ユ・アイン「ファッション王」「チャン・オクチョン」
チョン・ドジョン:キム・ミョンミン「弁護士の資格~改過遷善」「ドラマの帝王」
プニ:シン・セギョン「根の深い木 -世宗大王の誓い-」
イ・バンジ:ピョン・ヨハン「ミセン-未生-」
ムヒュル:ユン・ギュンサン「ピノキオ」
ヨニ:チョン・ユミ「イニョプの道」
イ・ソンゲ:チョン・ホジン「グッド・ドクター」

【スタッフ】
脚本:キム・ヨンヒョン「根の深い木 -世宗大王の誓い-」「宮廷女官チャングムの誓い」
パク・サンヨン「根の深い木 -世宗大王の誓い-」
演出:シン・ギョンス「根の深い木 -世宗大王の誓い-」

【ストーリー】
高麗後期の14世紀。辺境の咸州(ハムジュ) に暮らすイ・バンウォンは、百戦百勝の名将である父イ・ソンゲのような強い男になることを夢見ていた。ところがある日、初めて都を訪れたバンウォンは、尊敬する父が悪徳官僚イ・インギョムの圧力に屈した姿を見て絶望する。そんな中、成均館の官吏チョン・ドジョンはイ・インギョムらの企みを暴き、明との戦を阻止。その姿に感銘を受けたバンウォンは、都に残って成均館に入学する。時は流れ、6年後――。「新たな国を建設する」というチョン・ドジョンの志を知ったバンウォンは彼を探し始め、腐敗した高麗を終わらせるべく武術を極めたタンセ、重税に苦しむ村人を救いたいと願うプニ、立身出世を目指す剣客ムヒュルと出会う。彼らはチョン・ドジョンの暗号と運命に導かれ、イ・ソンゲのいる咸州に集結。やがて6人の勇者たちは、新国家を築くという目標に向かって一つになるが…。

■関連サイト
公式サイト:http://rokuryu.com/

記者 : Kstyle編集部