王・チャンミン(東方神起)を支える愛と友情、悪鬼イ・スヒョクに生まれる“心”…「夜を歩く士<ソンビ>」観賞コラム Vol.2

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(C)2015 MBC
美しいだけじゃない! イ・ジュンギを始めとする豪華俳優3名の熱演が、シリーズ後半のラブロマンスを加速する!


「私の許可なしには、どこにも行けぬ。許可なしには泣いても、苦しんでもいけない」

出ました! 韓国ドラマ定番の「許可する・しない」宣告(という名の愛の告白)。悲しくつらい出来事に巻き込まれたヤンソン(イ・ユビ) を救い出したソンヨル(イ・ジュンギ) が、口にした言葉が「私の許可」。「なぜそばに置くのです?」と訊くヤンソンに「なぜだと思う?」と、問いへの問い返し。

「1つ目、心配だから。2つ目、今までの苦労が惜しいから…(心の中で“3つ目、私を好きだから”)」
「3つ目だ」
「え?(3つ目、まだ言ってない…)」
「3つ目だ」

心の声、聞こえてるのかよ~!!! な回答。1番・2番・3番と理由を問うやり方もまた、韓国ドラマの定番。ソンヨルの「定番」攻めに悶える一方、実はこのドラマ、グッと来る展開は、後半に加速する。朝鮮王朝を陰で支配する悪鬼クィ(イ・スヒョク) を倒す秘策の書を求め、運命的に出会い、因縁で絡み合っていく前半を経て、後半はその「秘策」が明らかになり、クィを倒すため、ソンヨルとユン(チャンミン/東方神起)、彼らを取り囲む人々が心をひとつにしていく。そこには、大切な人を守ろうとする男たちの愛があり、戦う男たちを支える女たちの愛があり、志を共にする男同士の絆がある。


民のために戦い続ける王・ユンが見つけた本当の愛

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例えば、ヤンソンに本性を見られてしまい、ソンヨルは愛を手放そうとする。
「本能を抑えるにも、限界がある…」
だが、ヤンソンは一言
「…つらかったでしょう」
そう語り、抱きしめるのだ。相手がどんな人間であれ、恐れることなく受け入れ、愛する気持ち。その愛に救われ、さらに強まる「守りたい」気持ち。そういった愛が、もうひとつある。ユン×ヘリョン(キム・ソウン) だ。

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クィの手下として育てられたことを隠し、王位を継ぐユンに近づいたヘリョンは、いつしかユンを慕い、犯した罪を詫びる。

「私を受け入れてくださった王様に、私はなんという罪を犯したのでしょう」
「よいのだ。こうして無力な私のそばにいてくれるのだから。王妃も苦しかったのだな

互いに寂しい幼少期を過ごした身の世孫ユンとヘリョン。同じ痛みを持つ相手に共鳴し、癒し合っていく2人に思わずほろりの連続だ。「強い王になりたかった。民や愛する人々を守り、そなたを守りたかった」自分の無力に苦悩しつつ、国の頂点に立つ者として懸命にクィとの戦いに挑むユンを演じたのは、これが時代劇初となるチャンミンだが、これが予想外にハマリ役。彼が醸す高貴かつ繊細な佇まいも王の孤独を浮き彫りにし、心打たれてしまう。


悪の吸血鬼クィ 人の心を持たぬはずが―

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一方で、悪鬼クィは過去が明らかになると同時に、ソンヨルとの対決を通し変化が表れていく。

「いつも私を嫌うのだな」クィ
「嫌われることなど何ともないのでは?」ヘリョン
「そうだな、私には人の心がない」クィ

これまでなら嫌われているなど気にしなかったはずが…。そんな中でも、「恋情は人間のくだらない心だ」と言うクィに、ヘリョンはこう話す。「あなたは寂しいはず。人間になりたくてもなれず…」

手元に置いたヘリョンに対し、クィはどんな感情で抱いていたのか? ソンヨルをはじめ、我が身を犠牲にしても愛する人を守ろうとする者たちに触れ、孤独な悪鬼がその愛をうらやんだとき、どうなるのか? クィを演じたイ・スヒョクの体温を感じさせない冷たい妖気のオーラ(色気含む) が、愛によって揺れていく様に目が離せなくなる。

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加えて、ソンヨルとユン、ユンと親友で忠臣のハギョンなど、志を共にする者が絶対的信頼と敬意で結ばれたとき、その絆の強さたるや!“男×男の絆”好き、“主従の絆”好きの心揺さぶる泣かせどころも織り込まれている。

「誰かを想うのは、弱点になる」クィ
「人を強くする力にもなります」ヘリョン

そのやり取りの真の答えを、描き出す怒濤の展開。役者たちの熱演を含め、孤独な男たちの愛の行方に注目されたい。

エンタメライター 高橋尚子

■作品情報
「夜を歩く士<ソンビ>」
DVD-SET1/Blu-ray SET1 好評発売中
DVD-SET2/Blu-ray SET2 好評発売中
価格:各¥20,000+税(DVD) 各¥23,000+税(Blu-ray)
レンタルDVD
Vol.1-11 好評リリース中
Vol.12-18 10/4(火) リリース
発売元・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

■関連サイト
公式サイト:http://kandera.jp/sp/sonbi/

記者 : Kstyle編集部