“憎まれキャラ”になったオ・ヨンソ「私の中にあるまた違う一面を表現したい」

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=映画会社ハヌル
韓国代表選手たちがリオデジャネイロ五輪で自身の汗を証明しているように、オ・ヨンソも映画の中で韓国代表になった。ただし夏季ではなく、冬季五輪のアイスホッケーだ。

これまで多数のテレビドラマに出演してきたオ・ヨンソが、久しぶりに映画に出演した。低予算映画「ジャスト・フレンズ」(2010)以来6年ぶりで、本格的な商業映画としては「女子高怪談5」(2009)以来7年ぶりだ。五輪を目指す人々の準備期間が4年であれば、それより長い時間を磨いてきたわけだ。これまでの準備過程や大ヒット映画「国家代表!?」の続編の主役を演じた経験についての話を聞くために、映画公開前に女優オ・ヨンソに会った。


平凡でない人物への愛情

映画出演は久しぶりだったが「現場でぎこちない感じはなかった」と笑って見せた。ただ「厳しいドラマ撮影の現場とは異なり、映画撮影は相対的に休憩時間が長かったので、集中力を維持することが重要だった」と告白した。

「プロミス ~氷上の女神たち~」でオ・ヨンソが演じたチェギョンという人物は、負けず嫌いで闘争心の強い人物だ。ショートトラック選手だった彼女は、一生2位で終わるかも知れないと思い、国際大会で仲間の選手に強引に勝とうとしたが、一緒に脱落して“国民ジンサン(全国民が憎む存在)”と呼ばれるようになる。映画そのものが“烏合の衆”の選手たちが一つのチームになっていくという設定で、チェギョンはその中で対立を煽る中心的な役割を果たす。

写真=映画会社ハヌル
「最初からチェギョン役を念頭に置いて話をしていたが、色々な人に心配された。私のイメージがチェギョンを演じるにはあまりにも女性らしいということだった。演技そのものにプレッシャーはなかった。私は何だかマイナーな役をたくさんしてきたじゃないか。『私はチャン・ボリ!』のチャン・ボリ、『帰ってきて、おじさん』のときも男装女子じゃなくて、本当に男だったように。だから、社会の主流から外れた人々の感性が私にあると思った。

演技より心配だったのはスケートだった。全くやったことがなかったけれど、いざ本番ではなんとかなるだろうと思う方なので、あまり気にしなかった。撮影の数ヶ月前から一緒にトレーニングを受けた。実際の女子アイスホッケー韓国代表の方々に色々助けてもらった。映画そのものが一つのチームになる過程を描いたものだったので、選手たちの動作や表情などをよく観察した」

露骨に描かれたわけではないが、チェギョンが可哀想に見える理由は、1位でなければ認めてもらえない韓国社会の雰囲気のせいだ。チェギョンの台詞の中で「1位じゃなきゃ覚えてもらえない」という言葉がその証拠だ。オ・ヨンソもこの部分に自身の感情を重ねた。

「それを考えると、憂鬱になる!(笑) 過程も重要なのに、あまりにも結果だけを考えてしまう文化があると思う。女優としての生活も、そのせいで大変だった。私たちは別になんとも思ってないのに、なんとなくライバル構図が作られることもあった。人間だから相手を意識するようになる瞬間もあった。それでチェギョンはさらに可哀想に見えた。刺々しい性格なのに、他のチーム員たちが心を開いてくれるじゃないか。そんな中でお互いに思いやる気持ちが芽生えたと思う」


不人気競技の選手たちへの尊敬の気持ち

写真=Megabox Plus M
与えられたチャンスをつかみ、短時間で自分自身を証明しなければならないというところで俳優とスポーツ選手は似ている。半分冗談で「五輪を見るとき、陸上や水泳のように短時間で終わる種目が好きだ」と言い、一人で試合に臨む人々と不人気競技の選手たちへの特別な気持ちについても語った。

「キム・ヨナ選手の試合はほとんど全部見た。私がやったアイスホッケーは団体競技で、負担も分け合うことができるが、キム・ヨナ選手は一人で耐えるじゃないか。皆が見守ってるし。その数分間、ただ自分を見せられるところがすごい。『プロミス ~氷上の女神たち~』を撮影しながら、キム・ヨナ選手の感情はこういうものなのだろうかと思った。いつも太極旗(韓国の国旗)と一緒にいるというプレッシャーなど。

また、女子アイスホッケーチームは男子選手に比べものにもならないほど厳しい環境だ。それでも映画を作ると言ったら、物心ともに助けてくれた。中国チームの選手として出演されたりしたが、チームで競技する方々特有のエネルギーがあった。俳優たちも宿舎で生活したが、序盤からかなり仲良くなった。女性たちはやはりおしゃべりして秘密を共有しながら仲良くなる!(笑) 私たちの中で誰かが裏切って秘密を漏らしてしまえば全部終わりだ!(笑)」


様々なキャラを演じてみたい

写真=映画会社ハヌル
いつもそうしてきたように、オ・ヨンソは今後も色々な作品に出演し続ける予定だ。変わったことは、芝居に挑戦したい気持ちが生まれたことだ。「ミュージカルは能力不足でできないと思うし、芝居を通じて作品を準備する一つ一つの過程を経験してみたい」とし、「映画でも、ドラマでもいいが、平面的なキャラクターではなく、立体的な人物を通じて私の中にあるまた違う一面を表現したい」と話した。

「『輝いたり、狂ったり』(2015)の後、仕事を休みたいと事務所に言った。『プロミス ~氷上の女神たち~』に抜擢され、トレーニングに入るまで7ヶ月間休んだが、あれほど長く休んだのは初めてだった。その時に良くないことがあった。29歳だったので厄年のせいかと思ったりした。時間が余って余計に悩んでいた感じもあったし。でも、全部過ぎてしまった。最近まで結構忙しかったし。

時間が経につれて、何かにチャレンジするのがもっと面白くなる。それをやり遂げたときに自己満足のようなものも生まれるし。まだ足りない部分が多くて学ぶべきところも多い。仕事がうまくいくことも重要だけど、満たしていかなきゃ! 漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』の主人公カン・ベクホ(桜木花道)が好きだ。努力家なのに自分では天才だと信じてるじゃないか。少し私と似てるかもしれない(笑)」

女優は作品で自分を証明する。そういう意味でオ・ヨンソは急造されたスターではなく、一段一段成長してきた女優だ。この言葉に彼女は笑って見せた。「本当に一段ずつ上がっていく感じ!」と言いながら挑戦の意志を燃やすと言った。最後に、大切な人々の協力も切実だという言葉も忘れなかった。

記者 : イ・ソンピル