無線機の代わりに夢を…イム・スジョン&チョ・ジョンソク出演「時間離脱者」プレッシャーを振り払えるか?(総合)

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「時間離脱者」は「シグナル」のタイムスリップブームを引き継ぐことができるだろうか。

5日、ソウル城東(ソンドン)区杏堂洞(ヘンダンドン)CGV往十里(ワンシムニ)店で開かれた映画「時間離脱者」(監督:クァク・ジェヨン、制作:CJエンターテインメント)マスコミ向け試写会には、クァク・ジェヨン監督と女優イム・スジョン、俳優チョ・ジョンソクが出席した。イ・ジヌクはMBCドラマ「グッバイ、ミスターブラック」の撮影の遅れのため、やむを得ず不参加となった。

「時間離脱者」は1983年度の男(チョ・ジョンソク)と2015年の男(イ・ジヌク)が偶然のきっかけで夢を介してつながったことで繰り広げられる物語を描く。夢を介して女性(イム・スジョン)の死を目撃し、彼女を救うために死闘を繰り広げる物語をスリラージャンルで描いた。

過去と現在がつながっているという設定は、先日最終回を迎えた人気ドラマ「シグナル」を思い出させる。特に「シグナル」が高い完成度で好評を受けただけに、比較は避けられない状況だ。「シグナル」は無線機で過去と現在を一つの世界に結んだが、「時間離脱者」は夢を媒介にする。二つの時代を生きる二人の男が愛する女性の死を防ぐため、30年の歳月を越えて過去と未来を変えるために奮闘する。

「時間離脱者」を演出したクァク・ジェヨン監督は「『時間離脱者』は、2012年末から準備していた作品だ。映画の公開前に『シグナル』というドラマがヒットし、比較されているようだ。『シグナル』をまだ見ていないが、差別性があるとしたら、『時間離脱者』はタイムスリップではなく、夢で共感しながら事件を解決するために過去を変えようとする試みを描いた映画」と説明した。

惜しい点は“夢”でつながったという設定が説得力のあるタッチで描かれていないこと。過去の男ジファンは夢で見た新聞記事の内容をたどりながら事件の端緒として活用するが、物語を展開させるためにはあまりにも易しい選択だったという印象を受ける。クァク・ジェヨン監督は「夢を介して共感する2人の男の物語」と説明したが、二人の人物の共感が大きく伝わってはこない。

いまやスリラー映画の必需要素になったようなどんでん返しの展開も、どんでん返しのための装置以上の役割をしていないため、残念だ。結末も一部の観客から笑いの声が漏れるほど説得力が薄い。

デビュー作である映画「雨が降る日の水彩画」から「猟奇的な彼女」「クラシック」などで、ラブストーリージャンルにおいて腕を見せたクァク・ジェヨン監督の初めてのスリラー挑戦作「時間離脱者」は韓国で4月13日に公開される。

記者 : キム・スジョン、写真 : チョ・ソンジン