ソン・ユビン、16歳の俳優の情熱「千の顔を持つ俳優になりたい」

OSEN |

映画「隻眼の虎」の虎こと“金隻眼の虎”が新人男優賞の候補になるべきではないか、という冗談がある。それもさることながら、「隻眼の虎」の一軸を担当している上、CGを感じさせない虎の姿は「隻眼の虎」を見る観客たちを驚かせたのだ。

そして、虎ほど「隻眼の虎」で強烈な演技を見せた新人俳優がもう一人いる。2011年、映画「ワンドゥギ」でデビューしたので、“新人”という表現は適切ではないかもしれないが、誰かの子役ではなく自身の名前を持つ主演としては今回が初めての作品であるので、俳優としての本格的なデビューともいえる。

ここまで言うと察しがつくはずだが、ソク役で登場したソン・ユビンだ。劇中でチョン・マンドク(チェ・ミンシク)の息子役で登場するソン・ユビンは、その年齢とは思えない熱演と方言、時には迫力溢れる男らしい姿で「隻眼の虎」の末っ子の役割を十分に果たした。

方言が上手だという褒め言葉に「僕って本当に上手だったんですか?」を聞き返して笑いを誘った。テレビで聞いた方言で演技をしたという彼は「僕が本当に上手くできたのか分かりませんね」とし、当時を振り返った。

「僕って、本当に方言が上手だったんですか?テレビで聞いたのを真似したんですが、監督から『悪くない、大丈夫』だと言われました。だからそういうものだと思って、自分が準備した通りにやりました。チェ・ミンシク先生も方言で話しますし、自分も方言で切り返すので、ブツブツ言う形になりました。それを良いと思っていただいたみたいです」

まだ演技の経験が多くない彼がチェ・ミンシクの息子役を任せられ、これからは“チェ・ミンシクの息子”という異名が付くことについて心配はなかっただろうか。しかし「全く考えていなかった」という天真爛漫な答えにもう一度笑いがこぼれた。「とにかく先生のそばについているようにしていた」という、16歳の俳優の情熱にもう一度笑顔が広がったインタビューだった。

「プレッシャーがあるなんて考えてもいなかった部分ですね。『隻眼の虎』のシナリオを頂いて、面白い、格好いいと思ってオーディションに参加して、オーディション会場でチェ・ミンシク先輩に会って本当に格好いいと思いました。現場ではいつも先生のそばにいるようにしていました。先生も僕にいたずらをしたり、冗談を言ったりして楽しかったです」

ソン・ユビンは「ワンドゥギ」でユ・アインの子役としてデビューした。そして、彼が子役を担当した俳優は一様にイケメンばかりだ。ユ・アインを始めとしてチョ・インソン、シン・ハギュン、パク・ヘイルまで、イケメン俳優の子役を独占したという記者の言葉に「僕はイケメンではないのに、本当に感謝しています」と答えた。それでは、どんな顔かという質問には「どんな顔というよりは、千の顔になりたいです」という俳優らしい答えをして、人々を驚かせた。

「僕はイケメンではないのに。ハハ。僕は千の顔になりたいと思います。例えば、ファン・ジョンミン先輩みたいな?本当に様々な役柄をこなしますが、全て合うじゃないですか。そんな“千の顔”になることを目標に俳優の道を進みたいと思います。僕は親しみのある俳優になりたいと思っています。あまり負担のない俳優というか。格好いい俳優ではなく、親しみが持てる俳優ですね。隣のおじさんまでではありませんが、親しみのある俳優になるのが僕の目標です」

記者 : キム・ギョンジュ