「ベイマックス」ダニエル・ヘニーが語る人種差別、ハリウッド、そしてディズニー

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写真=ウォルト・ディズニーカンパニーコリア
「正直、昔は人種差別が多かったです…今のハリウッドはかなり変わりました」

ディズニー映画「ベイマックス」(監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ)で初めて声の演技に挑戦したダニエル・ヘニーは14日午後、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)区国際金融路Conrad Seoulで行われたインタビューで作品に対する様々な話を打ち明けた。

ダニエル・ヘニーは「ベイマックス」で“ケア・ロボット”ベイマックスを作り上げた工科大学の学生タダシ・ハマダの声を演じた。タダシ・ハマダは、明晰な頭脳を持つ温厚な性格の大学生で、14歳の弟ヒロの才能を認め、助力やサポートを惜しまない唯一の理解者だ。ダニエル・ヘニー特有の温かい演技が際立つキャラクターである。

MBCドラマ「私の名前はキム・サムスン」でデビューしたダニエル・ヘニーは2009年映画「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」でハリウッドまで活動の範囲を広げ、中国映画「シャンハイ・コーリング」では第15回上海国際映画祭で新人俳優賞を受賞するなど、精力的な海外活動を続けている。

「子供の頃からディズニーアニメのファンでした。ディズニーの『きつねと猟犬』が一番好きでした。僕はミシガンの小さな田舎でディズニーアニメを見て育ちました。そんな僕がディズニーと一緒に仕事をしたなんて、今でも夢みたいですし、光栄です。初めて『ベイマックス』を見たときは、批判的に見ていたので、思いっきり楽しむことはできませんでした。2回目から自由に、気楽に見ました。10回ほど見ましたが、見るたびに泣いてしまいます」

彼は今回の作品で初めての吹き替えでディズニー映画に参加するという栄光を手にした。これについて彼は「レコーディングスタジオには僕一人だけで入って、ものすごく有名なプロデューサーと監督が見守っていたため、怖くて難しかったです。すべてが新しく、難しいことでした」と振り返った。

ダニエル・ヘニーは子供のころに人種差別を経験したと明かしたことがある。人種差別に対する質問に、彼は「最近は多くありません。ハリウッドがかなり良くなったと信じています。(アジア俳優に対する)扉は開いており、人々がよりグローバルに働き始めました。もちろん、今も人種差別は存在しますが、多くはありません」と伝えた。

「成長する中で人種差別をかなり感じました。ご存知だと思いますが、アジアでも文化的な理由によって他の人種に対する差別が存在するじゃないですか。最近のハリウッドではチャンスがグローバルに開かれていて、共同制作もかなり増えました。このような部分がアジアの俳優としては誇りでもありますが、一方ではもう少し準備しなければならないとも思います。扉が開いたとき、誠実にアプローチし、プロフェッショナルに働かなければなりません。チャンスがさらに与えられただけに、僕たちもしっかりしなくてはいけません」

「ベイマックス」は“ケア・ロボット”のベイマックスと少年ヒロの絆を描いた感動のアドベンチャー映画。ディズニー史上初めてマーベル・コミックを原作にした作品だ。北米公開当時、クリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」をおさえ、全米興行ランキング1位のオープニングスコアを記録した。韓国では今月22日に公開され、日本では12月20日から公開されている。

以下は、ダニエル・ヘニーとの一問一答である

―続編の話を聞いたことはあるか?

ダニエル・ヘニー:ディズニーから具体的な話は聞いていない。まだ「ベイマックス」のプロモーションの段階じゃないか。恐らく来年中に話があると思うが、もちろん僕は出ない可能性がある(笑) 過去の回想シーンで出るかも知れないが。

―オーディションで何を披露したのか?

ダニエル・ヘニー:コンテのようなものが与えられ、アドリブでやりなさいと言われた。そのため、1時間半くらい、心ゆくまで楽しんだ。しかし最初は緊張した。オーディションを受けてから2週間後にキャスティングの電話をもらったが、その2週間が本当に長く感じた。

―監督がオーディションでダニエル・ヘニーの最初の言葉に感動したそうだ。秘訣は何だったのか?

ダニエル・ヘニー:どうやら僕以外に2~3人ぐらいの候補がいたようだ。温かい雰囲気を見せるのが重要だった。ラッキーなことに、僕の声はそれほど低くも高くもなかったので、アニメにぴったりだった。

―温かい声の演技をするために気を遣った部分はあるか?

ダニエル・ヘニー:僕には兄弟がいない。母とたくさんのことを話した。もし僕に弟がいたらどんなトーンで話すだろうかと悩んだ。恋人と話すときと、弟と話すときのトーンは違うじゃないか。そのトーンを探した。タダシはヒロを愛で導くことが必要だったが、その部分で中心を見つけようとした。

―ダニエル・ヘニーのルックスやクセがタダシに反映されたそうだが、具体的にどんなことなのか?

ダニエル・ヘニー:手で首を包む行動はまさに僕だ。しかも歩き方も僕にそっくりだ。本当に似ている。

―ディズニーと仕事をしながら“これだからディズニーは長く愛されているんだ”と思う点はあったか?

ダニエル・ヘニー:まず、働いている人たちが親切で面白い。さらに、駐車場を管理するおじさんまで本当に素敵だった。驚きだ。ディズニーで働くすべての人が幸せそうで、エネルギーがあふれていた。今日プロデューサーと監督に会ったと思うが、本当に素敵だ。プロデューサーが昨日の深夜、僕にメールを送ってくれた。「僕たち韓国についたよ。会いたい。ファイト!」と。ディズニーの有名なプロデューサーだが、子供みたいなところがある。スタジオにいるすべての人がノースーツ、ノーネクタイだ。

―次のハリウッド進出計画は?

ダニエル・ヘニー:今準備中だ。まだ色々なことを話せる段階ではないが、アジアの俳優たちが登場する本当に特別なプロジェクトだ。アメリカのドラマだ。僕は強くて重要で素敵なキャラクターを演じることになりそうだ。アジア俳優として制限されない、主人公として展開していく余地が多い作品だ。上手く行って欲しいと思っている。

―韓国での活動計画は?

ダニエル・ヘニー:韓国での役もまだ制限されているものが多い。“外国から来た人”という風に。だからとても難しい。韓国でも制作初期から一緒に準備しているものがある。

記者 : キム・スジョン